初日 | よこけんの右往左往

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「よこけん」こと、 ミュージカル俳優、横沢健司のひびを綴った日記です。

『シェルブールの雨傘』大阪公演の初日。

心配していたものの、身体がしっかり覚えていて意外とちゃんとできた。

人間て凄いなと思った(´д`*)


主に名称が変わっているせいで、劇場に着いてから気付いたのだが、この劇場にはその昔『ライオンキング』で出演していた。

その頃は、たしかMBS劇場と言ったような気がする。

もう10年も前の話だ。

さすがに昔過ぎて、感慨深いほど覚えてはいないのだが、一つだけ脳裏に焼き付いている場面がある。

半年ほど延々と大阪勤務になっている頃で、ある時ダンスキャプテンのタカさん(仮)が帯状疱疹で倒れ、ピンチヒッターを送って貰う余裕も(劇団に)無く、今いるメンバーで穴埋めをしなくてはならなくなった時のこと。

一場面ずつ代役を立てて行く際、後々ダンサー枠で出演することにもなるのだが、当時はまだシンガー枠オンリーだった横沢にも白羽の矢がたった。

劇団としては珍しいことではないが、『ライオンキング』はダンサー枠とシンガー枠がしっかり分業されていることもあり(そして何よりまだ若かったこともあり)、自分としては結構な大事だった。

休演日を使って、リハーサル室で稽古をつけて貰うことになるのだが、その時のリハーサル室に行くために下りた階段が、写真のように今も頭に焼き付いているのだ。

そして10年たった今も、その階段は記憶の中の姿のまま、そこにあった。


10年前の階段は、当時毎日通った楽屋口や、毎公演スタンバイした客席ロビーよりも、何故か愛しく感じた。