それは車に乗り込もうとした時に起きた。
携帯にじゃらじゃらと付けていたリラックマが、一房モロッと取れたのだ。
それは本当に『モロッ』ってな感じで、特に引っ張った訳でもないのに、5コいっぺんにペソっと足元に落ちた。
20コ以上付けていて、今まで1コも取れたことがなかったのに、それがよりによって今日とは。
テリーマンの靴紐か、はたまた願掛けしたミサンガか、紐が自然と切れるのには何か意味を感じる。
しかしこういう時はポジティブに考えるようにしてるので、きっとこれから起きるはずだった車の事故の「身代わり」になってくれたんだと思うことにした。
ありがとう、リラックマ達。
しかし、いっぺんに5コとは、どれだけ大事故起こすつもりだったんだろうね

それで禊はすんだと思っていたのだが、それからも事あるごとに1匹ずつ、実に計4回にわたって身代わりを務めてくれた。
少しも擦りもせず、車庫入れも総じて上手く行ったのは、リラックマ達のおかげかもしれない。
落ちる度にちゃんと気付いたので、全員回収することができたが、携帯のリラックマはだいぶ減って携帯本体より軽くなってしまった。
今や、あのずっしり感が懐かしい。
顔が消えかかったり、薄汚れたリラックマも増えてきた。
コレクションしたいなら、そろそろ自宅に住家を用意してあげなきゃいけないかな…。