千秋楽間近になり、徐々に荷物の撤収を始めた。
帝劇は縦に長く、1Fの舞台と5Fの楽屋の移動が面倒だが、楽屋が広くて居心地が良いのが利点だ。
5人が同居する大部屋だが、部屋の中にコーヒーとお菓子のテーブルを配置し、舞台と関係ない私物を持ち込み、5人が休憩時間に横になってもまだ余裕がある。
自然、生活の為の荷物がどんどん増えて行く。
1ヵ月の公演では、慣れ始めた頃に撤収を意識しなくてはならないが、今回は2ヵ月あったので尚更だ。
毎日少しずつ持って帰っているが、リュックが四角くなるまで詰め込むので、重たくて仕方ない。
しかも、それでも千秋楽には鞄に入り切らない荷物が出るのが常なのだが。
物が減って行くと、長い公演も終わりが近付いているのだなと実感する。
楽屋入りの時はメイク道具だけを持って来たはずだが、その状態まで溯らなくてはならないと思うと、なんだか寂しさを感じてしまうのだ。