ミュージカルの真面目な話1 | よこけんの右往左往

よこけんの右往左往

「よこけん」こと、 ミュージカル俳優、横沢健司のひびを綴った日記です。

「海外ドラマが演技の勉強に」と言ったそばから、今見てるドラマ『リベンジ』の主演の女の子の吹き替えが微妙。褒めたばっかりなのに、困るなあ( ;´Д`)

『スーパーナチュラル』程は酷くないが、今後続けて見ていけるかちょうど微妙なライン。調べてみると、案の定モデル出身の女優さんらしい。ドラマは面白そうなので、今後の成長に期待したい。切に。

それにしても、実力以外の、ネームバリューに期待して起用したなら、作品としての質を落とさないようにするのは制作サイドの責任だと思う。しっかりしてもらいたい。楽しみにしてるんだからさ!o(`ω´ )o


……と、現在進行形で見てるもんで、つい憤ってしまった。最近、昔より愚痴っぽくなった気がする。歳のせいかな。いや、歳のせいだな。

ニュースを見ながら、一人で日本の政治について嘆いていると、こまに笑われる事が良くある。言われてみると、確かにお父さんみたいな行動だ。こうやって知らないうちにおじさんになって行くんですな……。


おじさんになったなともう一つ思うのが、芸(歌と踊りと芝居)に対して、教える方の立場で考えていることが多いということ。

僕だってまだまだ道半ばなのだが、様々な現象を分析し「どうやって伝えたら分かりやすいのかな」と考えていることが良くある。

僕は、ミュージカルの学校で二年、そのあと四季の研究所で一年勉強している。そう考えると、実は今まで全く考えた事もなかったのだが、むしろ「ミュージカル」の教育をきちんと受けた部類に入るのだ。驚いた。

「ミュージカル俳優なんでしょ」「何をそんなに驚いてるの?」と言われるかもしれないが、僕の芸はそのほとんどが現場に出てから実地で身につけたものばかりだ。学校や研究所で学んだ部分は、準備運動や助走に等しい。ここに日本のミュージカル教育の問題点がある。

ミュージカルってなんだろうかと聞かれれば、歌って踊ってお芝居するんでしょ?と十人が十人答えるだろう。

では、どう歌って踊ってお芝居したら、それはミュージカルと言えるんですか?と聞かれたら、それはよく分からない。実は、それは誰にもよく分からない。

だから、今の日本のミュージカル教育って、「歌」と「踊り」と「芝居」を教えてるだけなんであります。

「音覚えたね、筋肉鍛えたね、滑舌練習したね、はい、ミュージカルやってみよう」というのが現状。

三つの道はそれぞれ、突き詰めていくと芸術かエンターテインメントかに二極化していく。そのなかで、センスや個性で絶妙にバランスを取り、各々のスタイルを確立していくのだ。

一つでも難しいのに、ミュージカルは三つの分野でそれをやらなければならない。恐ろしく難しい行為だが、それが出来ていなければミュージカルとは言えないと、僕は思う。


だからこそ、教育現場で、そのバランスの取り方を教えられなくてはいけないと思うのだ。

普段、あまり真面目な事を言わない僕だが、17年間、最前線でミュージカルを見続けて来た自負がある。

これから時々、ミュージカルの真面目な話を書かせて貰いたいと思います。おじさんなので、許してネ(=゚ω゚)ノ