どうして病気になったら、おしゃれしちゃいけないの?


「そういう方でもエステをしようという気になるんだぁ。」
と言われたことについて聞き流そうとしましたが、どうしても引っかかってしまい悶々としていました。

どうして病気になったらエステを楽しんではいけないのでしょう?

確かに入院中はメイクしたり、ネイルすると顔色や爪の状態がわからないなど診察の邪魔をすることがあります。
しかし、ソシオエステティシャンの知識と経験に基づいてすれば問題ありません。

病院などの医療分野ではソシオエステティックを受けることにより、苦痛が和らいだり、精神的な安らぎを得たり、快活になったり、不安感が和らいだり、治療に前向きになるなどたくさんの良い事例が報告されています。

むしろ病気になられた方こそエステティックが必要なのです。


「病人は病人らしく」


しかし、一昔前までは「病人は病人らしく」というのが当たり前でした。

わたしも過去に入院した経験がありますが、一日中、寝巻で、化粧も暗黙の了解でしていませんでした。
(訊いたら出来たかもしれませんが…)
せめてもの抵抗で、病院指定の寝巻は断り、持参したお気に入りのパジャマ(一日3回の回診のため前開きのもの)を着ていました。

一日中、パジャマでベッドで過ごしていると、いつでも寝れてしまうため昼夜の区別がなくなり、段々と病人らしくなっていきます。
食べては寝てを繰り返していたら、体重があっという間に4キロも増えました。

大好きだった化粧もしなくなり、お見舞いに来た友人がキレイにメイクしておしゃれしていると、とても眩しく輝いて見えたものでした。



「病気になっても胸を張っていたい」


先日、ご契約頂いた持病をお持ちのお客様は、

「今まで病気だから迷惑をかけて申し訳ないと思って遠慮していたけど、やっと最近、しっかりとお支払いして、堂々とサービスを受けたいと思えるようになりました。」

と、おっしゃいました。

きっと、体が不自由なことや動作がゆっくりなことに対して、厄介者扱いされたり、迷惑がられたり、サービスの提供を断られたりして来たのでしょう。

わたしは彼女の曲がったままの腕をトリートメントしながら、病院での現場実習の時のことを思い出していました。

ソシオエステティックの現場では、施術者はご利用者様の楽な体勢に合わせて施術する訓練をしています。
その時も、同じようにベットの反対側から体をまたいでトリートメントさせて頂きました。

施術後、
「ハンドってこんなに気持ちがいいんですね。最初から最後まで何の心配もなく安心して癒されることができました。」
と最高の褒め言葉をくださりました。


こうやってお役に立てる仕事ができエステティシャン冥利に尽きると思いました。