●雪彦山(日本三彦山)の周回縦走…後編 | マウンテンフリークのブログ

●雪彦山(日本三彦山)の周回縦走…後編

  2024/1/2(火)…後編

大天井岳から一旦高度を下げて道なりに進むと左側に "天狗岩" が鎮座する。

巨大な一枚岩で思わず立ち止まる。

ここで1人の登山者に会う。

よく見ると彼は駐車場であいさつを交わした御仁ではないですか!

何故ここに居られるのか訝しく感じて話してみると虹ヶ滝からここまで登って来たと言う。

神戸から来たと言う彼は大天井岳に行くのか三角点ピークに行くのか迷っている様で地図を指差しながら私も自分なりの意見を述べてみる。

その後に大天井岳頂上で一緒だった夫婦がやって来て意見を交わす事になりここで15分程を費やしてしまった。

 

(天 狗 岩)

朝寝坊した関係で私もスピーディーに行動せねば日没までに山行を終えないとヤバい事になります。

何と言っても大天井岳よりも先は歩いた経験がない未知の世界ですから…。

あまりここで時間をロスすれば後の行程に影響が出てしまいます。

登山スポーツは自己責任が鉄則ですから他人の意見で自分の計画が左右されてはいけません。(もちろん客観的な見方も必要だが…)

神戸から来た御仁と分かれて私は三角点ピークに向かって歩き始めた。

天狗岩からコブを2つ越えれば "鹿ヶ分岐" に出ます。

ここを左折すれば安富町の鹿ヶ壷山荘に下山できます。

前述のご夫婦はここを左折して下山なさる訳だ。

 

(鹿ヶ壷分岐)

鹿ヶ壷分岐からは登りに転じて一歩ずつ高度を稼ぐ。

前述の神戸の御仁が追い付いて来たので道を譲る。

還暦過ぎの爺よりも40代の彼とは脚力が違うからだ。

三角点ピークの直下には鉾立山へ1000mの道標が立つ。

ここまで来たら三角点ピークまでは残り僅か。

12:45に三角点ピーク(標高915m)に到着となった。

高度計の表示は865mで誤差は-50mです。

三角点が有るのも拘わらず樹木に囲まれて展望は利きません。 (涙)

 

(三角点ピーク)

三角点ピークで食事中の神戸の御仁に挨拶して私は独りで先を目指す。

これから先は誰も居ないのだからより慎重さを求められる。

三角点ピークからは緩やかな下りとなり役15分で鉾立山との鞍部に達する。

ここからは虹ヶ滝に直接下れるルートが有る様だが私の目標はあくまでも雪彦山の最高地点である鉾立山である。

当然ながら鞍部から鉾立山へは登りとなります。

それでも鞍部との比高差はせいぜい100mに過ぎないから大したことはなかろう。

 

( 鞍 部 )

13:24に最終目的地の "鉾立山(標高950m)" に到着となった。

頂上は細長い平坦地となっており数日前に降った雪が残る。

展望は西側だけしか利かないので残念だがこれは仕方ない。

三室山、段ヶ峰などを遠望した。

 

(鉾立山頂上 ①)

鉾立山頂上を表すプレートが樹木に結わえ付けられています。

雪彦山は日本三彦山に数えられる名峰なのだからもっと立派な標柱が欲しいと思うのは私だけでしょうか?

 

(鉾立山頂上 ②)

頂上の平坦地を撮影しておく。

標高1000m級の山でもこんなに積雪が少ないのは意外です。

中部地方の山ならば1000級の山でこの時期ではもっと積雪は見られる筈。

やはり兵庫県は温暖な気候に分類される県なのだ。

 

(鉾立山頂上 ③)

鉾立山からの眺めです。

中央にクリスマスツリーの様な樹木が聳えてその左側に三室山、右側に段ヶ峰が見えている。

本日は見えなかったが条件が良ければ氷ノ山も見えるそうだ。

 

(鉾立山頂上 ④)

鉾立山から稜線に沿って下って行けばジャンクション・ピークに出る。

左に進めば峰山・鹿ヶ壷山荘への道となり右折すれば林道を横断して虹ヶ滝に至ります。

ここは後者を辿って林道に出る事にする。

 

(ジャンクション・ピーク)

ジャンクションピークから数分の下りで林道に下り立つ。

この林道を横断して下降点から急斜面の樹林帯を下ります。

小刻みなジグザグで高度を下げて行く。

 

(林道に下り立つ)

10分も下れば急斜面は一旦はお終いとなる。

水場も有って休憩も可ですが早めに虹ヶ滝に着いておきたい。

谷筋の道を行くが倒木が多くてさながら台風の爪痕の様です。

歩行には影響は無いが苔生した倒木(太陽光線が射さないせいか?)が独特な光景を見せる。

昼間でも気味が悪いエリアでして早めに通過した。

 

(倒木帯を通過)

倒木帯を抜けて右からのルート(三角点ピーク・鉾立山のコルからの下山道)を見送って30分弱で虹ヶ滝に着く。

その落差は大したことはないが岩肌を滑る様に流れる水が女性的な景観を見せてくれます。

暫くここで休憩とします。

 

(虹 ヶ 滝)

虹ヶ滝の右岸を下るがガレ場帯で足場は悪くて慎重な下降となる。

転んだらダメージを受けるから牛歩状態でも転ばない事が専一です。

虹ヶ滝から5分程で沢の渡渉地点に出る。

ここからは左岸の高台に向かって登り返しとなりますがこれも数分でクリア出来るから大したことない。

 

(渡渉地点)

登り返した高台には通行止めの看板が有る。

そう言えば天狗岩で会った神戸の御仁がこの通行止めの事について話していたな。

彼はここを下って虹ヶ滝に達した後に地蔵岳を経由して天狗岩に至ったのだろうと思われる。

何れにしても大した体力の持ち主ですな。

 

(通行止めの看板)

左岸の高台で休憩します。

振り返れば雪彦山の巨大な岩峰が目に留まる。

垂直に屹立したこの巨大な絶壁群がこの山の特徴であり魅力である。

この景観に匹敵するのは大崩山(大分県)くらいかな?

 

(岩峰を見上げる)

道なりに緩やかな下り坂を進めば "大曲" に着く。

この分岐を鋭角に右折して下山するのだが何となく直進して上方を偵察したくなった。

分岐から数分も登ればガードレールが見えてやがて車道に出た。

この車道は "森林基幹道 雪彦・峰山線" との旨でした。

 

( 大 曲 )

展望台を兼ねた東屋が建っていたのでここで大休憩とする。

入山してからは何も口に入れていなかったのでここで持参したパンを食べる。

東屋からの展望はイマイチだが少しだけ移動すれば展望が利く地点が有ります。

ここで45分の休憩を取る。

もう後は余裕で日没までには下山できる筈ですからね。

 

(林道からの眺め)

大曲に戻って最後の下山に掛かるが思っていたよりも足場が良くない。

大きな岩塊が散乱した様な沢沿いの道で非常に歩き難い。

黄昏時ならば苦難を強いられそうな感じだな。

それでも登山者用駐車場はもう近い。

沢を堰き止める巨大な砂防ダム(雪彦川第2ダム)の傍を通過します。

これまでに見た事がない様な変わった形状の砂防ダムです。

 

(砂防ダム)

砂防ダムを過ぎればもうゴールは近い。

雪彦山キャンプ場分岐に着いて漸く此度の山行きは完了。

私のバックに見えるログハウス風のキャビンの右側から入山したのである。

 

(下山完了)

登山口から駐車場まではブラブラ歩きで下る。

16:41に愛車に戻って速やかに帰路に着きました。

2024年の四座目の山行は厳しく且つ充実感に満ちたものとなった。

 

 

 (コースタイム)  

登山者用駐車場(09:50)~登山口(09:53)~不動岩(10:07)~展望岩(10:24~26)~出雲岩(11:00)~チムニー状の鎖場(11:08)~セリ岩・見晴し岩(11:12~15)~狭いガリー(11:27)~大天井山(11:38~55)~天狗岩(12:02~10)~最初のコブ(12:13)~コル(12:16)~新下山道分岐(12:21)~2つ目のコブ(12:23)~鹿ヶ壷分岐(12:31)~鉾立山へ1㎞地点(12:44)~雪彦山の三角点(12:45~54)~鉾立山・虹ヶ滝分岐(13:09)~鉾立山へ0.2㎞地点(13:14)~鉾立山(13:24~34)~ジャンクション・ピーク(13:43~47)~林道に合流(13:51~52)~鉾立山・三角点のコルからの道が合流(14:30)~虹ヶ滝(14:49~51)~沢を左岸に渡る(14:56)~左岸の高台(15:00~06)~大曲&林道の休憩舎(15:20~16:05)~出合(16:11)~砂防ダム(16:27)~登山口(16:35)~登山者用駐車場(16:41)