●多田銀銅鉱山(兵庫県猪名川町)を散策(後編)
2023/11/24(金)…後編
多田鉱山悠久の館の入口に設置された "顔ハメパネル" で記念撮影。
この地での拝観はここから始まります。
受付で管理人さんからパンフレットを頂いてから展示室に向かう。
(多田鉱山悠久の館 ①)
"山師(鉱脈を発見する仕事に携わる人)はどの様にして鉱脈を見出すのか?" について管理人が解説して下さった。
その手法は "ヘビノネゴザ " と呼ばれる植物が繁殖している事を目安にしたとの旨です。
これについては石見銀山のガイドから聞かされた記憶が有る。
先人達の知恵には頭が下がる思いです。
解説文を拡大クリックしてご覧下さい。
(多田鉱山悠久の館 ②)
此方が展示室の入口に掲示された解説文です。
これを読んで多田鉱山の沿革、歴史的価値などの予備知識を得ておく。
尚、展示室については撮影は不可とされています。
(多田鉱山悠久の館 ③)
展示室に入ってみたら "撮影スポット" と記された箇所が幾つか見られた。
"あれ?展示室での撮影は不可ではないのかな?" と思った。
管理人に尋ねたら "撮影不可なのは古文書とかの資料に限られます!" との旨。
そこで撮影可の物については許可を受けた上で実施。
但し大っぴらに全部公開するのは気が引けるから2枚のみにしておきます。
(多田鉱山悠久の館 ④)
許可を受けて撮影した "多田鉱山代官所のミニチュア模型" です。
この代官所跡は悠久の館の裏手の山裾に遺されています。
1時間程を掛けて悠久の館を網羅して退館します。
これから向かうのは青木間歩(一般公開中)、山神宮、平炉跡地などですが駐車可能な空地が無いから悠久の館に駐車して徒歩での探訪となります。
(多田鉱山悠久の館 ⓹)
悠久の館と川を挟んで広がる代官所跡地をバックに自分撮り。
"史跡 多田鉱山遺跡" と刻まれた標柱が有るから絶好の撮影スポット。
尚、代官所跡地への立ち入りは禁止されています。
(代官所跡)
車道に沿って進んで行く。
紅葉が素晴らしい色付きを見せてくれます。
日本の紅葉は世界一美しいと称賛される事にも納得の気持ち。
赤く色付く楓、黄色に彩られる銀杏など全てが自然の美。
(紅葉が美しい)
集落を抜ければ対岸には "平炉跡" が見えます。
平炉とは反射炉の一種で鋼を製造する施設。
詳細については私はよくは知らない。 (涙)
(平 炉 跡)
平炉跡を過ぎれば程なく "山神宮入口" に着きますから立ち寄る。
参道の石段を上れば境内に着きます。
石鳥居の奥には拝殿が見えていますね。
(山神宮 ①)
本殿をバックに自分撮りです。
この神社は鉱山に於ける安全祈願の為に建てられた様です。
鉱山=神社の設置は切っても切れない間柄。
安全を祈る人々の願いは現代も昔も変わる事がない普遍的な感情だ。
(山神宮 ②)
山神宮から青木間歩に移動するが距離的には徒歩で5分だから近い。
青木間歩は一般公開が為されているから是非とも見ておきたい。
しかも拝観料は無料と言うのも嬉しい計らいと思います。
但し、公開されているのは坑道の50mの区間のみ。
無料ですからこの辺は仕方ないですかな? (笑)
それでは入坑しましょう。
(青木間歩 ①)
入口から20mも進めば行動は右に直角に折れます。
正面には鉄柵が設けられて向う側には坑道が延びていた事が分かる。
現在は崩落してご覧の通りです。
(青木間歩 ②)
右折して15mも進めば鉄骨で補強された場所に差し掛かる、
青木間歩の核心部と言えるのがこの辺りになります。
解説板も設置されているから目を通しておきましょう。
(青木間歩 ③)
此方は採鉱作業によって掘り進められた枝坑道です。
その幅は1m未満で高さも2m未満と狭い。
メタボの人では通り抜けできそうにないかも? (笑)
(青木間歩 ④)
天井を見上げれば坑道が続いています。
この上には江戸時代に採掘された坑道が存在するがそれは見えない。
ライトアップされているから有難いです。
(青木間歩 ⓹)
グリーンの部位が確認できますがこれが銅の鉱脈です。
これは地下水に溶けた銅の成分が炭酸と化合して石英の表面に沈着したもの。
この知識は岩美鉱山でも解説された記憶があります。
(青木間歩 ⑥)
公開された坑道の終点に着きました。
普通に歩けばあっけなくクリア出来ますがじっくりと観察しながら巡りたい。
せっかく遠路遥々やって来たのですからそれに見合う経験を得たい。
(青木間歩 ⑦)
青木間歩の入口の左側には遊歩道が設けられています。
これは露頭掘りに繋がる道ですから立ち寄って行こう。
2分程の上りとなりますが行ってみる価値は有ります。
露頭堀りは鉱脈に沿って掘り進められた場所で山が2つに割れた様な様にも思える程です。
さながら佐渡金山の名所である "道遊の割戸" の様なものかな?
鉄柵が有って近付く事は出来ませんがそのスケールの大きさには驚き。
(露頭掘り ①)
金網越しに露頭掘りの跡をズームアップ撮影。
これが人間が掘って形成された地形とは信じられない気持ち。
息を呑んでこの景観に見入るのでした。
これで青木間歩の探訪はお終いとなったので悠久の館に向かって歩き始める。
(露頭掘り ②)
青木間歩から40m程の対岸の岩壁には "通風通水口" 見られます。
鉱脈を追って坑道を掘り進めば空気の循環の悪化、湧水の発生とかの問題が生じて来ます。
それらを解決する為に坑道が掘られる事は普通に有ります。
此方の穴は外に面した抗口であります。
ここでは最後の自分撮り。
(通風通水口)
悠久の館に立ち寄って管理人にお礼を述べてから帰路に着く。
今夕には通院の予約が有りますからそれに間に合う様にせねばならない。
17:10に帰宅して此度の旅は終わりました。