●楠木氏の史跡訪問&金剛山に登る(前編)
昨秋と同様に河内にやって来ました。
その目的は前回にオミットした "金剛山(標高1125m)" に登る為です。
金剛山と言えば鎌倉時代末期~南北朝時代に歴史の表舞台に出た楠木氏が城塞網を構築した山でもある。
小生がいつも思っている "歴史オタク=登山" の方程式は垂涎の存在。
それに合致する活動として此度の金剛山行きは最適であろう。
そんな訳で昨日の高城山登頂の勢いを駆って本日も頑張るぞ。
2023/11/23(木)…前編
まずは楠木正成が元弘の変の折に鎌倉幕府を倒す為の旗挙げを行った "下赤坂城跡" を訪れる。
中学校の裏手の山に石垣が積まれて城跡の標柱が立ちます。
楠木氏が歴史の表舞台に出る切っ掛けはこの小さな俄造りの城だった。
(下赤坂城跡)
この地のもう1つの目玉は "下赤坂の棚田" です。
昨年もこの地を訪れたがいつ見ても美しい景観を見せてくれる。
本日の主目的はあくまでも金剛山ですから朝の貴重な時間をここで削る訳には行かずそそくさと出発。
尚、この下赤坂の棚田への車道は狭いので基本的には車での訪問はご遠慮願いたいとの旨です。
(下赤坂の棚田)
愛車を駐車場に預けて登山口に向かう。
さすがは人気の山とあって朝から大勢のハイカーが見られます。
金剛山への登山道と言えばやはり "千早本道" であろう。
このルート上には楠木正成が鎌倉幕府軍を散々に翻弄して討幕への機運を高めた "千早城跡" が有ります。
前回の訪問時も登りはこのルートを辿った記憶が有る。
それでは登高を始めましょう。
(千早本道登山口)
いきなりの急な石段の上りによって早くも大きなダメージを受ける。
体調は悪くはないが身体が暖まらないうちにこの急な階段は堪りません。
最初から苦難が覆い被さって来た気持ち。
5分程で石鳥居に着きますがこんなのは未だ序ノ口です。
(石 鳥 居)
辛抱強く石段を辿って行きます。
この先には千早城の四ノ丸が有る筈だが寄せ手(鎌倉幕府軍)の兵士たちはこの初手からこの急登を登らねばならなかったと思えばさぞかし大変だったと想像できる。
登山道が曲がったこの地には右側に高い土塁が構築されて石碑が建つ曲輪と共同して敵兵を迎え撃つ縄張りだった様に思えます。
( 土 塁 )
土塁を過ぎれば四ノ丸跡までは数分で着きました。
紅葉が進んでおり絶好の撮影スポットですから記念撮影を行いました。
思い返せば私がこの地を初めて訪れたのは高3の冬に敢行した紀伊半島一周ツーリングの時でした。
その時は金剛山には登らずにここで引き返したな。
(千早城四ノ丸跡)
四ノ丸跡の奥には三ノ丸跡が有ります。
写真は三ノ丸跡に繋がる石段ですが四ノ丸跡との比高差は小さいから急な登高ではありません。
奥に急な石段が見えますが距離的には短い様だな。
(三ノ丸跡への石段)
前述の階段をクリアすれば "三ノ丸跡" に出る。
鎧&陣笠を纏った案山子の様なものが置いてあります。
これは楠木正成が幕府軍を欺くために数百体の案山子を作って大打撃を与えたと言う逸話を意識したものでしょうか?
(千早城三ノ丸跡)
石段の上から三ノ丸跡を見下ろします。
二ノ丸跡との比高差は10m程でしょうかな?
こうやって見下ろせば三ノ丸跡は思ったよりも狭いです。
(三ノ丸跡を振り返る)
二ノ丸跡に着きました。
かなりの広さで奥の高台には千早神社が建っており先ずはお参りしておきます。
しかし、登山口からこの二ノ丸跡までの高度差(120m)並びに峻険さを鑑みれば千早城の堅固さを実感させられますな。
こんな城郭を攻め落とせなんて言われたら辞退したくなるだろう。
二ノ丸跡の右側を巻く様に進めば本丸跡に至ります。
(千早城二ノ丸跡)
二ノ丸跡から数分で本丸跡直下の広場に着く。
私のバックに聳える高台が有る本丸跡ですがここは千早神社の聖域ですから一般人の立ち入りは不可とされる。
"本丸跡=立入禁止" と言う事になりますな。
(千早城本丸跡 ①)
此方が本丸跡直下の広場です。
休憩舎が建っておりひと休みには良い場所ですがお昼時ではないから誰も居らず閑散としている。
(千早城本丸跡 ②)
本丸跡をズームアップ撮影してみる。
この地にて楠木正成は籠城軍の指揮を執っていたのだ。
前述の事情でに本丸跡を踏む事は出来ませんがこれでええやろ!
(千早城本丸跡 ③)
休憩舎から右下の道を進みます。
左側の斜面は急峻で本丸跡の切岸として敵兵の侵攻を妨げる縄張りを形成する。
頂上までの道のりを鑑みたらこの時点ではまだ序ノ口です。
(本丸跡直下の切岸)
道なりに進めば緩やかな下りとなって鞍部に至る。
この鞍部では左側からは千早城跡を経由しない別ルートが合流する。
標高は634mですから頂上までの高度差は500m弱になります。
(鞍部に出る)
別ルートからのハイカーが大勢いて鞍部からは目立って人の数が増える。
その殆どが山慣れした様な感じでスイスイと進む。
そう言えば金剛山は毎日登山を習慣としている方々も大勢いらっしゃると耳にしているしそれは彼らの事であろうか?
鞍部からは丸木階段となって登り返しになります。
(丸木階段の上り)
登山道は緩斜面→急斜面と変化して行きます(鞍部~四合目)。
一生懸命に登りますがなかなか五合目に着かない。
それにしても私を追い越して行く人々の健脚ぶりには驚かされる。
登高中に1人の翁と話す機会が有った。
彼は御年70歳半ばで1500回以上もの金剛山登頂を果たして居ると言う。
これは凄い御仁と出会ってしまいましたな。 (笑)
それでも彼と同じ様なレベルの方はごまんと居ると聞かされてビックリ!
鞍部から30分を有癒して五合目に着いて休憩を取る。
トイレ、休憩用のベンチが設置されてハイカー達の交流の場となっている。
ここで持参したバナナを食ってエネルギー補給を行う。
面白いのはウルトラマンを象ったモニュメントが見られた事。
これを運び上げた人にはアッパレを差し上げたい。
(五合目のモニュメント)
快調に登って行く件の御仁と一緒に五合目を出発するがそれも六合目まででした。
私は私のペースで登れば良いのだ。
ベテランの健脚者に合わせてのペースはムリだと得心する。
(後編に続く)