●烏ヶ山を断念して三平山へ | マウンテンフリークのブログ

●烏ヶ山を断念して三平山へ

七種山から帰ってから息吐く暇もなく次の山行に向かう。

別の山に於いても高度計の精度確認をしてみたかったからだ。

その目的地は伯耆大山の展望台である "烏ヶ山(標高1484m)" である。

以前にのも登った経験は有りますが積雪を纏った伯耆大山の姿を見てみたい。

但し、一昨日に大山寺には初雪が降ってそれもドカ雪でその対処が大変だったとの旨がテレビで流されていた。

仮に積雪が多くて烏ヶ山に入山できなくても他にも登れる山は有りますから問題なかろう。

それでは出発です。

 

 

   2023/11/15(水)

前夜は自宅を出発してから3時間運転して鏡ヶ成(烏ヶ山麓)の40㎞手前で寝袋に入って沈没。

思い返せば浜松に居た頃は金曜日の夜は愛車の中での車中泊が毎週末のルーティーンでしたから久しぶりだな。

05:20に起床して鏡ヶ成に向かって出発。

さすがに標高が上がったので早朝はとても寒い。

カーナビに従って鏡ヶ成に進出したが現地の状況は私の予想以上に厳しいものでした。

 

(鏡ヶ成から烏ヶ山を望む)

烏ヶ山をズームアップ撮影しておきます。

山陰のマッターホルンの異名を持つ鋭鋒の姿にウットリ!

因みに帰宅後に小生のパソコンの壁紙をこの写真に変更しておきました。

超~カッコいいお気に入りの作品です。

 

(烏ヶ山をズームアップ)

烏ヶ山の麓を通る県道は積雪の為にゲートが閉ざされて進入不可でした。

やはり一昨日の初雪が余程のドカ雪状態だったみたいだな。

私の愛車は現状ではノーマルタイヤですから積雪の道は走れません。

こうなれば積雪がない山に転進するしかなかろう。

"そこで蒜山高原に移動して犬挟峠から下蒜山の往復登山でもやるかな?" と考えてカーナビをセットしてこの地を立ち去る。

 

(積雪で通行止め)

カーナビに従って走っていると "三平山登山口" の道標が目に留まったので計画を変更して其方に向かう。

三平山は昨年の春に伯耆大山で知り合った方から "標高は1000m程ですが展望は一級品です!" との情報は得ていましたから一度は登ってみる価値はありそう。

道標に従って林道を詰めれば "登山者用駐車場" に着きましたからここに駐車して

準備を整える。

私が準備している間に神戸ナンバーの車が来て夫婦らしきカップルが降りて来て三平山に登ると言う。

彼らを見送ってから数分後に私も登高を開始する。

 

(三平山登山口)

登山口からは大きくジグザグを切った登山道を黙々と進むが道幅が広くて軽のオフロード車ならば走れそうな程の道。

登山と言うにはあまりにも味気ない林道歩きの様な登高です。

 

(ジグザグの登山道)

標高700m付近から積雪が見られる様になる。

予想していたよりも今年は降雪が早い様な気がします。

緩やかだがダラダラと続く道が延びて行く。

 

(標高700m付近)

此方は1898年にこの地に設けられた旧日本陸軍の軍馬養成所跡の遺構です。

放牧された軍馬が敷地外に逃げ出さない様に築かれた土塁でその全長は56㎞にも及ぶと言う。

 

(放牧場の土塁)

振り返れば伯耆大山が大きな裾野を広げて鎮座する。

頂稜部はガスに覆い尽されて見えないがそのスケールの大きさは当に山陰の名峰と呼ぶに相応しい。

此度の計画で登る筈だった烏ヶ山だがこの天候では登っても仕方なかったかも知れませんな?

 

(伯耆大山をズームアップ)

積雪を踏みながらの登高ももうひと息です。

足元が悪いのでアイゼンが欲しいとも思いますが持参していない。 (涙)

とにかく時間が掛かってもゆっくりとした足取りで登るしかない。

登山スポーツはタイムを競うものではないのだ。

 

(頂上へあと少し)

最後の登りをクリアして三平山頂上に到着です。

先行したカップルにお願いして登頂写真を撮って貰いました。

頂上も積雪が見られますが大したことはありません。

それでは頂上からの眺めを堪能しましょう。

 

(三平山に登頂)

此方は言うまでもなく伯耆大山の眺めです。

頂上部は雲に覆い尽されておりその全貌は望めません。

計画変更をした負け惜しみではないが本日は烏ヶ山に登ったとしても甲斐がなかったかもしれませんな。

冠雪した山の美しさは夏場のそれとは違った魅力が有る。

 

(三平山頂上からの眺め ①)

此方は視線を少し西側に移して日本海に面する弓ヶ浜方面の眺め。

右端には伯耆大山が鎮座して米子市街地が広がります。

こんな標高が低い山からも弓ヶ浜が見えるとは想定外でした。

 

(三平山頂上からの眺め ②)

此方の眺めは蒜山高原方面です。

ピラミダルなピークが3つ並ぶのを確認しました。

最高峰の上蒜山(標高1202m)はここよりも200m程高い。

不思議なのは上蒜山よりも標高が低い中蒜山の方に積雪が見られる事

ですな。

景色を眺めているうちに松江市から来た3人パーティが頂上に到着。

同じ職場の方々だそうです。

彼らの見送りを受けて私は下山に掛かります。

下山コースは穴ヶ乢方面と言う事で往路とは別コースになります。

 

(三平山頂上からの眺め ③)

頂上から10分くらいはかなりの急斜面ですが南面とあって積雪は僅か。

それでも滑り易いと思うので注意深く歩きます。

一旦は鞍部に下るがここからアップダウンが数ヶ所有って思ったよりも高度が下がらない。

やがて斜度が50°は有ろうかと思える程の急斜面に差し掛かります。

当然ながらこの斜度では普通に歩いての下山は不可です。

樹木の枝or幹にフィックス(固定)されたザイルに摑まりながらの悪戦苦闘となる。

此方のルートを登りに使ったらかなり大変そうだな。

固定ザイルの終点に下り立って漸くホッとした気分。

 

(固定ザイルの終点)

固定ロープ場をクリアしてもまだまだ下りは終わらない。

足元は丸太の階段になりますがこれが三角形に組まれた珍しい物だった。

この様な形状の階段には私はお目に掛かった記憶が有りません。

 

(丸木階段)

道なりに高度を下げて行けば鞍部(穴ヶ乢)に着きます。

思ったよりも苦戦を強いられたが車道まで5分のここまで下れば安全圏です。

ここから南下する縦走路も有りますがそれをやると再びここまで引き返す事を強いられますから取り止め。

ここはおとなしく車道に向かっての下山しか選択肢は無い。

 

(穴 ヶ 乢)

穴ヶ乢を左折して林の中を下って穴ヶ乢登山口に下山した。

朝に会った神戸の2人は今頃は駐車場に着いているに違いない。

それはともかく私は車道を辿って愛車を置いた駐車場へ向かうのみ。

 

(穴ヶ乢登山口に下山)

穴ヶ乢登山口~駐車場のコースタイムは15分だったが下山したと言う事でタガが外れた様に歩く私は30分弱を費やした。

もっと緊張感を持った歩きを心掛けねばなるまい。 (笑)

 

(駐車場に戻る)

駐車場に戻ったら件の神戸から来た2人が車に乗り込むところでした。

"あれ?先ほど下山なさったんですか?" と尋ねたら "穴ヶ乢から更に南に向かって進んだが樹木の幹に熊による引っかき傷が見られたからおっかないと判断して引き返したから下山が送れた!" と仰る。

彼らを見送って私も帰路に着いた。

 

    (コースタイム)

三平山公園駐車場(07:37)~三平山登山口(07:38)~土塁(08:12)~三平山頂上(08:34~09:03)~鞍部(09:20)~固定ザイル(09:37 )~穴ヶ乢(09:52~58)~穴ヶ乢登山口(10:04)~三平山公園駐車場(10:24)