●柵原鉱山公園を歩く(後編) | マウンテンフリークのブログ

●柵原鉱山公園を歩く(後編)

  2023/9/21(木)…後編

エレベーターで地階に下りました。

ここからは棚原鉱山の地下坑道と言う観点での拝観となる。

木枠で補強された坑道が如何にも現実的な雰囲気を見せます。

 

(地下坑道)

此方は採掘現場を再現したコーナー。

削岩機を使って岩盤に穴を明けて爆薬を挿入して発破を掛ける。

坑内作業の花形とも言える職場と言えましょう。

 

(削岩現場)

発破作業によって崩れた鉱石を掬い上げる "タイヤローダー" です。

圧縮空気で稼働する装置で前方のバケットで鉱石を掬って後方のホッパー(荷台)に積み込む仕組み。

ホッパーが満載になれば鉱井(竪穴式の鉱石溜り)に移動してに鉱石を落とすのだ。

前述の削岩作業の次行程ですな。

 

(タイヤローダー)

発破作業により砕かれた鉱石を搔き集めるのが "スクレーパー" と呼ばれる装置。

ワイヤーロープが前後に移動して鉱井に鉱石を落とす。

 

(スクレーパー)

鉱石は鉱山漏斗(鉱井の底に有る溜まった鉱石の搬出口)から鉱石運搬車(略して鉱車)へ積載される。

鉱車の荷台は回転式となっており選鉱場まで移動して鉱石を落とす仕組み。

 

(鉱山漏斗&鉱車)

此方は坑内列車です。

菊電子基の機関車が人員運搬車、鉱石運搬車を牽引する訳だ。

地下に張り巡らされた坑道に沿って走って採鉱作業を助ける。

 

(坑内列車)

坑内列車をバックに記念撮影。

拝観者はどうやら私だけで他の来館者は見られない。

それはそれで静かな雰囲気での拝観に集中できるかからまあええやろ!

 

(鉱内列車の展示)

柵原鉱山は1991年に閉山して鉱石の採掘は終了しましたが採鉱後の坑道には雨水が流れ込み金属の成分が溶け込んで有害な "鉱水" が発生しますがこれをそのまま吉井川に流せば環境汚染に繋がり魚が死滅する。

故に閉山後も鉱水に中和剤を投入して浄化する作業が現在も続けられています。

これは先々月に訪れた岩美鉱山(鳥取県)と全く同じ。

 

(環境を守る)

産出した硫化鉄鉱はあらゆる分野に於いての用途が有りました。

硫化鉄からは化学工業で用いられる "硫酸" が取り出されます。

農業で使う化学肥料、化学薬品、化学繊維の原料となど幅広い用途が有りました。

 

(硫化鉄の用途)

此方は昭和30年代に使われていた坑内作業の道具類。

当時はカンテラと呼ばれる灯りの下での作業だった。

保安帽も時代を感じさせる代物。

 

(昭和30年代の装具)

此方の黄色い品は "近代の保安帽" です。

地下坑道に於ける採鉱作業時に着用する物でヘッドランプと電池が付帯する。

その材質は強化プラスチック。

時代と共にあらゆる装備は進化して行きます。

 

(近代の保安帽)

地階展示場を拝観後に最後の記念撮影。

予想以上に充実した資料館だったと言うのが率直な私の感想です。

閉館時刻ギリギリまで粘ったのは如何にも私らしい。 (笑)

それでは1階に上がって退館しましょう。

 

(地下展示室)

ここからは柵原ふれあい鉱山公園の散策に移ります。

坑道で使われていた電気機関車(EB403型)も展示される。

此方は自由に触ってもよろしい。

そのお隣のライトブルーの機械は "空気圧縮機" かな?

 

(鉱山の機械&機関車)

鉱石を運ぶ為に使用されていた高瀬舟(実物大)が屋外展示です。

規制線が設けられて触れる事は出来ないがその大きさを感じたい。

片上鉄道の開通により高瀬舟による運搬は廃止されたらしい。

 

(高 瀬 舟)

吉ヶ原駅の北側の踏切です。

先程は南側の踏切を通過しましたね。

廃線となった片上鉄道ですが当時の面影を遺しています。

 

(𠮷ヶ原駅の踏切)

此方は棚原鉱山の藤原人材竪坑櫓(レプリカ)です。

大牟田市の三井三池炭杭でも見られたもので巻揚げ機によってエレベーターを昇降させて作業員並びに採鉱に使う資材類を地下坑道に移動させる施設。

但し、これはあくまでも実物の1/2サイズのレプリカでしてその高さも12mとなっている。

当時の竪坑櫓は地上高24m、竪坑の最底部まで450m、定員35名とされる。

1961年10月の開坑から廃坑となった1991年3月まで30年間稼働した。

 

(藤原人材竪坑櫓のレプリカ)

吉ヶ原駅のプラットホームに建って駅舎をバックに自分撮り。

現在は廃線ですから線路にも自由に立ち入る事も出来て鉄道マニアにとっては堪らないでしょう。

自分なりの撮影スポットを探してみるのもよろしかろう。

 

(𠮷ヶ原駅)

柳原鉱山を後にして帰路に着きます。

当初から予定していた様に湯郷温泉にてひと風呂浴びて行こう。

この温泉は私の自宅から約40㎞と近いから地理的にも訪れ易い。

スマホ検索をして "リゾートイン湯郷" を選択する。

日帰り入浴は500円と格安で時間制限もない。

こりゃ大サービスですな! (笑)

 

(リゾートイン湯郷)

内湯よりも露天風呂の方が快適だった。

湯温もよく調整されており長湯も苦にならず滞館時間は2時間弱にもなってしまいましたがまあええやろ!

久しぶりに訪れた天然温泉だからな。

帰宅したの21:30で長い日帰りドライブでした。