●柵原鉱山公園を歩く(前編) | マウンテンフリークのブログ

●柵原鉱山公園を歩く(前編)

最近は青春18切符による遠出が続いて愛車での外出の機会は激減状態です。

そこで久しぶりに愛車でドライブに行きたくなり日帰りで行ける目的地をあれこれと考えてみる。

自宅から半径60㎞圏内で未訪の地を検索してみて目に留まったのが "柵原鉱山公園" でした。

場所は岡山県美咲町ですが初めて耳にする地。

硫鉄鉱を算出していたそうです。

近くには湯郷温泉も有るそうなので帰路に一浴するのもよかろう。

それでは出発です。

 

 

  2023/09/21(木)

自宅を出る前から現地の天候が気に掛っていたが雨は降っておらずホッとした。

此方はこの地域の交通機関として人々の生活を支えた片上鉄道の吉ヶ原駅です。

棚原鉱山が隆盛を極めていた頃にはさぞや賑わっていた事であろう。

三角形の赤い屋根が特徴の小さな駅舎です。

 

(𠮷ヶ原駅)

吉ヶ原駅のプラットホームを過ぎた踏切から棚原鉱山資料館を遠望する。

資料館の手前には鉄道車両が展示保存されていますね。

 

(鉱山資料館を望む)

吉ヶ原駅の踏切(南側)で自分撮り。

踏切は2ヶ所有って此方は南側のそれです。

私のバックには吉ヶ原駅の駅舎、プラットホームが写っています。

 

(𠮷ヶ原駅の踏切)

それでは早めに棚原鉱山資料館を見ておきましょう。

受付で入館料(520円)を支払ってパンフレットを受け取る。

エントランスに展示された硫化鉄鉱の傍で写真を撮ってから拝観に取り掛かります。

 

(資料館のエントランス)

此方はこの地方を治めていた殿様が使った駕籠です。

特筆すべき展示物とは言えないが棚原鉱山の歴史を証するもの。

この駕籠の向う側から展示室が続く。

 

(殿様の駕籠)

棚原鉱山で産出した鉱石を運ぶ為に施設されたのが "片上鉄道" です。

廃線となったので現存しませんが当時の駅で使われていた道具が展示される。

現在は自動改札機に取って代られてしまったが旧き良き時代の品だ。

 

(片上鉄道の用具)

此方は棚原鉱山が全盛期で街が賑わっていた頃を当時のままに再現したコーナー。

松山容子さんのCM看板(初代のボンカレー)の看板がとても懐かしい。

私の記憶に間違いが無ければ初代のボンカレーは80円で発売されて当時のスポコンアニメの代名詞だった巨人の星でのCMだったかな?

その他には赤い筒型の郵便ポスト、スクーター、レトロな自転車屋など。

 

(昔の市街地)

此方は供給所と呼ばれた店舗。

復元された店舗をバックに自分撮り。

思い起こせば私が幼少の頃にはこんなお店が有ったっけ? (笑)

 

(供給所 ①)

供給所の内部を見てみましょう。

雪印のスキムミルク、グリコの菓子(キャラメル、ビスコ)、瓶詰めの飴、カニ缶、サバ缶などが積み上げられており旧き良き時代の思い出。

昭和時代の商店を再現した良い展示だと思います。

 

(供給所 ②)

此方はタバコ、衣料用洗剤、洗面用具の陳列棚。

私は喫煙者ではないがたくさんの銘柄を知っています。

ハイライト、缶ピース、いこい、SHINSEI等々…。

棚には洗剤類が並ぶ。

牛乳石鹸は現在も販売されているベストセラー。

 

(供給所 ③)

此方は鉱山労働者のオーソドックスな社宅の台所です。

主婦の飯炊きの悩みを解決した電気炊飯器(東芝製)が目を引きます。

その他に2口仕様の薪コンロなどが見えます。

 

(社宅の台所)

此方の柱状の中のジオラマは当時の台所を表したもの。

母娘が夕飯の支度をしている様子が再現されている。

台所の奥には居間が有って食卓、テレビも配置される。

 

(台所の様子)

柵原鉱山で働く従業員は2600~3000名にも膨れ上がりました。

彼らの福利厚生の為に "集会所" が建てられて娯楽の場となった。

映画の上映、人気スターなどを招いての歌謡ショー等が企画され収容能力3000名を誇る集会所は賑わいを見せた。

昭和30年代の鉱山事務所では経理部は給与計算などを全て手作業で行っておりその業務量は膨大なものでした。

現代の様なコンピューターなど存在しなかったからです。

鉱山の町は多忙に働く人々で活気に満ち溢れていた時代でした。

 

(鉱山の町)

柵原鉱山は1947年12月11日に昭和天皇の行幸を受けた事も有りその時の写真が展示される。

高品質の硫化鉄を産出した柵原鉱山はわが国の化学工業にとって大きな原動力となっており天皇陛下は鉱山作業員とお会いになって励ましの言葉を述べられたそうだ。

 

(昭和天皇の行幸)

これで一階の展示室はひとまずは網羅しました。

ここからは地階に向かって移動します。

私の後方に見える "棚原坑道" と記された看板の下に設置されたエレベーターを利用します。

 

(一階の展示室)

 

                           (後編に続く)