●三井三池炭鉱の産業遺産を巡る(2日目…Part3) 万田抗跡の探訪①
2023/7/29(土)…Part3
万田坑に着きました。
駐車場の隅っこに "顔ハメパネル" が有ったので写真を撮っておく。
日付も表示されているから良い記念になる。
(顔ハメパネル)
万田坑ステーションに移動して入場料を支払う。
前日に拝観した大牟田石炭科学館の入館券を提示すれば割引特典が有ったので利用させて貰う。
ガイド付きツアーは正午から出発ですから待合室にて暫しの待機。
(万田抗ステーション)
ガイドさんと一緒に万田坑に向かって出発。
猛暑の中を歩くのはとても辛いが私よりも年配であるにもかかわらずガイドさんは元気ハツラツの歩みなのには驚きです。
前方に立坑櫓が見えて来ました。
(万田抗に向かう)
此方のスロープの奥には "桜町トンネル" が有るそうです。
一般的に三池炭鉱は大牟田市(福岡県)に属するものと認識されていますが実はこの万田坑に限っては荒尾市(熊本県)の市域に属する。
この両市は昔から人の交流が盛んでそれを助ける為のトンネル。
(桜町トンネル)
入口の係員にチケットを提示して晴れて入場となる。
最初に山ノ神に立ち寄ります。
炭坑マンは入坑前にここで安全祈願を行っていたそうです。
(山 ノ 神)
此方の赤レンガ造りの建造物はかつては扇風機室として使われていた。
大型扇風機を建屋の中に設置して第二立坑の中へ空気を送り込み坑内の換気を図っていたのだ。
やがては事務所として使われる様になる。
国の重要文化財指定のレトロな建物。
(事 務 所)
散策ルート上に見られた此方の小さな建物には立ち寄りません。
ガイドさんにこの建物についてお尋ねしたら "電話交換室" だそうです。
ここでは若い女性職員が詰めていたから若い炭鉱マンにとっては垂涎の地だった様ですな。 (笑)
(電話交換室)
案内ルートから離れてポツンと建つこの建屋は "職場" と呼ばれる。
何じゃこれは?" と言いたくなりますがここで行われている業務は一般の機械工場とほぼ同じ。
別称は "修繕工場" とでも言いましょうか?
旋盤、穿穴などの加工が行われていました。
採炭現場で使う工具、治具、機械などの改造、修理を行う為の施設。
(職 場)
万田坑の目玉は何と言っても "第二立坑" でしょう。
炭車が置かれた此方のトンネルがその出入口です。
ここから炭鉱マンが採炭現場に向かったのだ。
(第二立坑 ①)
第二立坑の内部の模様です。
この上に立坑櫓が設置されて昇降機によって人員、資材、石炭が運搬された訳です。
閉坑された現在でも当時の規模を窺い知るのには十分の規模を誇る。
(第二立坑 ②)
此方のグリーンの小さな小屋は守衛所の様だな。
第二立坑に出入りする人員のチェックを担っていたのだ。
手前の台車には採炭に用いる道具らしき物が載せられている。
(第二立坑 ③)
第二立坑は閉坑に伴って埋め戻された。
此方がその場所になります。
日本の発展を長期間に渡って支え続けて来た施設の跡としてはあまりにも寂しい姿であると感じざるを得ません。 (涙)
(第二立坑 ④)
第二立坑の中で記念撮影。
還暦を過ぎた小生がこの地を訪れる事はもう難しいかも知れないのでその記録だけは残しておきたい。
こうやって炭坑遺跡を巡ってみれば如何に先人がもの凄い努力を積み重ねて来られたのかが身に沁みる思いです。
(第二立坑 ⑤)
第二立坑櫓を出て階段を上れば大きな広場に出る。
ここは万田坑の貯炭場として使われていたスペースで散策ルートに沿って進めば2輌の炭坑電車が展示された場所に出る。
(炭抗電車)
貯炭場での解説を受けてから屋外のガイドツアーはお終いとなって往路を引き返して行きます。
往路では気付かなかった引込み線が遺る此方の施設は採炭現場で使う爆薬を貯蔵した "火薬庫" だそうだ。
往路で見逃したものを復路で発見すると言うのはよくあるパターンです。
(火 薬 庫)
この後は第二立坑櫓の内部を巡りましたがそれについては次項に於いてアップします。
(Part4に続く)