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武蔵小金井商店街のレコード屋さんで、パブロ・カザルスの「鳥の歌」ホワイトハウスコンサートのCDが、なんと10%引きで、置かれていた。世界的に有名なチェリストのCDが割り引かれているとは、と嘆きつつ、以前からほしかったカザルス自身が演奏した「鳥の歌」。1500円のCDを買いました。


 かつて読んだ小説で、「世界には4人のパブロがいる」という文章。忘れっぽい私がよく頭に残っている文章です。

 4人のパブロ…それは画家のパブロ・ピカソ、もう一人はパブロ・カザルス、3人目はチリの詩人パブロ・ネルーダ。小説の登場人物幻の画家パブロ・ロペス。はじめの3人は実在の人物です。

 

 そしてこの3人に共通することは、祖国を愛し、平和を求め、スペインのフランコ独裁政権を厳しく批判し、ファシズムと戦ったことです。


 パブロ・カザルスは、スペイン出身。自分の出身カザルス地方の民謡を・「鳥の歌」を

演奏し続け、国連での演奏で、「私のふるさとの鳥は、ピース、ピースと啼く」と述べたそうです。

 ピカソも同様に、平和を望み、「ゲルニカ」を描きました。

 パブロ・ネルーダは、ノーベル文学賞を受賞者。ネルーダは、ファシズムと戦った詩人です。
 チリでは国民のための政治を行うアジェンデ政権が誕生し、この政権をネルーダは応援。ところが軍事クーデターがおこり、ピノチェット軍事政権に変わりました。有名な歌手ビクトル・ハラはこのとき、軍事政権に虐殺されました。


 21世紀に入り、3人が残した足跡はとても大きなものを感じます。

 3分弱の演奏時間である「鳥の歌」を聴きながら、平和のために戦った3人の芸術家を思い浮かべ、平和を闘い取るという意味について考えます。