人間という生物の 不器用で貧しいところは、
血と肉 落ちゆく睫毛でさえも
摂取したものからしか作り出せない、ということ。
妄想の世界に行ってらっしゃい。
行くより前の方が 良かったこともあるでしょうし、
行かない方が良かったこともあるでしょう。
それでも迷いこんだ世界が
お口にとって、とっても美味しいのであれば、
次に生えてくる体毛の一部は、こがね色。
美しい色を眼に映し、肌触りのよいタオルケットにくるまれば、
その次に生えてくる体毛の一部も、こがね色。
全身金色になる頃には、
内臓の襞の奥の奥に入り込んで掻き出せない
腐った堆積物も異臭を放つのを辞めるのではないか、と、
思うのです。
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