白い彼が、くれたもの。 | 肩甲骨から羽根。わたし、空を飛べるんです。

肩甲骨から羽根。わたし、空を飛べるんです。

いしわたり ようこ。舞台俳優。チャンバラショー、殺陣アクション。ここは、空飛ぶWatariの雲の家。鮮やかな色彩、お洒落なものが好き。X-Wingに乗りたい。創造と妄想で生きる。近年ダイエットの記録メインでした。シンプルライフ。断舎離と獲得の連続。万年ダイエッター。

夜、帰り道で、
猫がよってきた。

うちにはワンコがいるから、連れて帰れないよ、と、言いながら

でも、ずっと追いかけてきて、

でも、よく考えると、
わたしが小さい頃から、家の周りには、野良猫たちがいて。

14年間も、ワンコが居たのに、

ワンコが居ても関係ないんだ、とか
気づいて見たり。


そう。
それで、
しばらく思い出さなかった、彼のことを思い出した。

兄であり、友であり、戦友であり、先輩であり、師匠であった、
白い彼の話。


小さい存在である彼は、
びっくりするほど賢くて、

わたしが2歳の時、母が一人っ子のわたしのために、兄弟のかわりに連れてきました。

はじめは、同じ歳だったのに、
知らぬまに先に大人になり、老いて、わたしが16歳のときに、この世を去っていきました。

初めて直面した、死であり、それが、わたしに与えたものは

後悔。でした。


いまわたしと共に住んでいる家族達は、
全員、わたしより先に、去り、

いまわたしと共にいる、彼に会ったことない家族も、
もしかしたら、いま、彼が居るところで、会えるのかもしれない、と、
願うところです。



結局、彼とは、母の愛情を取り合うような仲でしたが、

今しばらくは、
彼が母を独り占めしていると思うと、ヤキモチを焼いてしまうけれど、

わたしのことを、わたしと同じくらい、彼が思っていてくれるならば、

許してやっても、いいかなぁ
と、思うのです。