こんばんは!
アクション映画を撮影するにあたってコアとなるのはもちろん血わき肉躍るアクションシーン!
爽快感のあるシーンが取れれば最高ですが、いきなり取るのはリスクがあります。
特に小さいサイズのスタジオでは予算の都合上、基本一発撮り。
思い通りにいけば恩の字ですが、失敗すると取り直しがなかなかききません。
そこで撮影の効率化とクォリティを上げるために必要なのが絵コンテというプロセス。
取りたいシーンの流れを簡単にでにもまとめておくとスタッフ間でイメージの共有にも役立ちますし、取りたい絵が分かっているので、現場での作業もスムーズになるし、保険も掛けられるようになります。(こういう絵も使えるかもしれないという発想もでてきやすい)
また絵コンテを作成するプロセス自体、自身が分かっていなかったシーンの問題点を浮き彫りにしてくれます。
シーンのつなぎがおかしかったり、イメージしていた構図をとる角度がわかっていなかったり、オブジェクトの位置関係を把握してなかったり、絵にしようとしてみて初めて問題点に気づいたりします。
下手くそな字と絵ですが、参考までに絵コンテを張っておきます。
アクションシーンなので基本セリフはないです。
とりわけ気を付けた点は、映像にならない「行間」です。
アクションシーンでは目に映っていないシーンの切り替えの間の人の動きに不自然があってはいけないと思っています。
なので前のシーンと次のシーンの間の人の流れが素直につながるように心を砕いたつもりです。
レベルが上がれば、あえて違和感をだして、「ダメージ」や「危ない!」といったシーンの演出もできるのでしょうが、今はこれが精一杯。
最後に、私の担当はマネジメントですが、プロセスマネジメントの観点からも絵コンテは必須だなと感じます。
どんなに予算があってプロモーションやマーケティングにお金を使えても、低クオリティのものは売れません。
低クオリティのモノをもとにマーケティングを行っても、その後のプロセスと努力自体が無駄になってしまいかねません。
であるならまず自分達の商品に価値があるかどうかを確かめればいい。
そうした商品をマネジメントではMVP(Minimam Viable Product)といいます。
自分たちの仮説を体現した最小単位のモノをつくって市場のニーズがあるのかどうか確かめるのです。
我々の場合を例にとると、「ジャッキーの手法で撮ったセガールのアクションは視聴者にとって面白いのか」になります。
これは狭義のマーケティングではありません(広義には入るかもしれません)
むしろ市場のニーズをくみ取った商品をデザインするプロセスに入ります。
そしてそのMVPの質をあげるのに貢献できるのが「絵コンテを描く」という事になります。
前述通り撮影などにお金を掛けられない小さいプロダクションにとっては相性の良いマネジメント方法だと思います。
クリエイター関係の方はぜひ勉強してみることをお勧めします。
by Yu
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