こんばんは。イマにヒトコへ(え)です。
今日の担当は脚本家の花香みづほです~。よろしくお願いします。
タイトルの通り、今日でフェス開幕のひと月前ではないですか?
2021年も11月中頃という時点で驚いちゃいますし、
フェスもあっという間に始まっちゃうんでしょうね。
チケット販売も始まりましたし、各団体さんも動いていますよね~、
現状は緊張よりも楽しみのほうが勝ってますがこの先どうでしょう。
我らいまこえは、ちょうどこの週末に脚本を完本しました。
お疲れさまでしたワタシ。慰労で温泉行きました。
この寒い時期、紅葉する山々を眺めながらの露天は最高です。
(時勢に配慮して近場でお宿に籠る系温泉でしたが。笑)
そして、慰労も早々に、20日から稽古です。
いろんな事情で少しゆっくりめスタートですが、
そのぶんめちゃくちゃにワクワクしているところ。
今回のいまこえは、ドッカンバッカン面白いというよりは
細かくて些細な作品にしたい想いで動いています。
観てくださる方にきちんと届けたいものが届きますよう、
精いっぱい努めていきますね。
俳優さんたちとお話しするのが今から楽しみです。
さて今日も質問にこたえていくターンです。いきます!
◎犬猿も仲 さんからの質問
最近読んだ本はなんですか?
→
言い訳させて頂きたいんですけど、私、
自分が書いてるとき本読まないようにしてるんです!
もう単純だから脳引っ張られちゃうと言いますか…
以前に恩師的な方にもあんまインプットしすぎるな、という
助言をもらったことがありまして、最近きちんとは読書していないですね。
(ふだんからめっちゃ読むかといえばそうでもないのですが)
ただ、その代わりというのではないのですけど、
自分の過去作はいろいろ読みます。
単純だから毎回どんな感じで書いていたのかわからなくなるので、
思い出す意味で読んだりします。
それ以外だと、先日誕生日の友人に自分の人生史上おすすめの本を
プレゼントするという愛のある手抜きサプライズをしまして
そのときに過去読んだ本をパラパラしたりはしました。
江國香織さんの「犬とハモニカ」「間宮兄弟」エトセトラ、
谷崎潤一郎さんの「春琴抄」←この世で好きな作品ベスト3には入る、
森見登美彦さんの「恋文の技術」「宵山万華鏡」、
海外児童文学から「盗まれた記憶の博物館」、「妖精王の月」
とかとかとかとか。いいですね。
これだけみるとすごいいろんな本読むやつみたいじゃないですか。
フェスまでもう間もなくということで、威嚇させてください。威嚇。
作家としては江國香織さんと谷崎潤一郎さんが好きですので、
もしお好きな人がいたら声かけてください。
🔻芝居の最もアツイ場所 さんからの質問
→
触れたとき、指を濡らす透明のそれはなんなのか。
どこかとろみがあるような、ほんのわずかに甘いような、
気持ちは昂って、結局最後、指先には熱ばかりが残る。
しょせん触覚から得られる情報なんて知れているのだから、
さっさと口に運べばいいものだけど、
ついつい視覚やら嗅覚やらでも愉しもうとしてしまう。
例えばその、ひとつひとつ同じ形のない楕円とか、
鼻腔をくすぐる小麦の香ばしさとか。
幼い頃、はじめて目にしたときに感じた異質さは
あれからずっと好奇心のような何かとして燻っている。
こうして相対すると、それが胸の底から鮮やかに躍り出て、
大人らしい謙遜なんか追いやって、胃をくすぐって。
表面をなぞった指でそのまま端を摘まんで、
ゆっくりと反対の手を添えて、ちぎっていく、
あたたかい生地が湯気をあげながら一口サイズになったなら、
スプーンで掬ったカレーを載せて、いざ実食。
というわけで、今回のお題、
去年のヨコハマ学生演劇フェスにて、弊団体《芝居の最もアツイ場所》が上演した
『猛菌芝居 女優殺幕間煉獄』の講評をお願いしたい。(200字程度)
観ていない方は好きな【カレーのこだわり】について読み応えのある文章で教えてください。(字数制限無し)
でした。これもうあれですからね、トップバッターとしてちゃんと物申しますけれど、
「読み応えのある文章」を題としてだされてしまうとハードルがヤバですからね。
後出しにしました。何言ってんだこいつみたいになってからこのお題出たら、
あっは~いって感じになるかと思いますのでね。はい!
ナンの表面の油はギーって言うらしいですよ。
カレーはラムが好きで、次点でキーマが来るんですけど、
今回はとりあえずナンって永遠にワクワクしません?って話です。
ナン美味しいお店はカレーも美味しい鉄則ありますじゃん。
カレーよりナンのほうが語れる気がしたので書いてみましたが、
大好物ってわけではありません。
木川アンサーもみていきましょう。
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◎最近読んだ本はなんですか?
W.シェイクスピア作の『お気に召すまま』です。
森の中で男の子と男の娘があんなことやこんなことを展開する最高な作品です。
最後は、神が出てきます。
例によって、シェイクスピアのことを書くと終われないので、
他に読んだ本のお話を書きますね。自戒。
最近読んだ本で印象深かったのは、
宇田川元一著の『他者と働く』という本です。
内容としては、組織論に属すビジネス書がメインですが、
この本の面白いところは「わかりあえなさ」を発想の起点に組織論を展開していることです。
実は商学部出身なのですが、大学ではシェイクスピアの研究に合わせ、
組織論、とりわけリーダーシップに関しての研究をしていました。
もちろん芝居にも応用することができます。
組織の形成というものは、何も企業や国家など大きな枠組みをとらえたものに限らず、
家族や友人関係などのミクロな関わり合いに関しても当てはまるためです。
私は、演出家として、稽古場の組織文化を形成することを第一の目標として挙げています。
上記の本に書いてあった内容は、「わかりあえなさ」を前提としているので、
規則や慣習にとらわれた固定的な組織よりも、ルールや関係性を構築しながら成長するクリエイティブな組織に関して詳細に記されていました。
殊に現代の企業体が命題としている
「『適応課題』に関しての会話的アプローチ」に関しての記述は勉強になりました。
活動的な稽古場の条件は、
他者の存在や価値観を認め、
積極的な発言と傾聴をもって、適応課題を解決しようとする集団。
と捉えられなくもないですからね!
我々も稽古開始目前です!
私のウォーミングアップも万全です!
いい稽古場作ります!
◎あなたの好きな【カレーのこだわり】について読み応えのある文章で教えてください。
カレー、と聞いて思い起こすのは『ヘンリー六世』です。
百年戦争末期のフランス。
イングランド国内では、武勇を誇ったヘンリー5世が
急死した場面から物語は始まります。
それまで鮮やかなる戦況でフランス領土を蹂躙していたイギリス軍。
殊に武将トールポッドは大いなる戦果を挙げていました。
イングランドの領土は過去最大になり、
男たちが後世に語り継がれる名誉のために剣をとります。
しかし、指導者を務める公爵たちの狙いは、
フランス領土でも名誉でも戦果でもありませんでした。
なんと、前王の死を受けて、後継者争いのために皆揃って帰国したのです。
もちろんフランス軍は今がチャンスと攻めあげます。
名高い羊飼いの娘、フランスの女神ジャンヌダルクも戦線に参加し、
奪われた領地を取り戻していきました。
そんな中、一人孤軍奮闘するトールポッド。
敵地で一人、本国からの援軍を待ちます。
「イングランド本国は何をしている?」
「皆、嘆き悲しむ国民を慰めすぐに戻ると謳ったではないか?」
「今や敵のジャンヌのほうが身近に感じる。」
「イングランドの雄志は戦場ではなく宮廷で燃え尽きたのだ。」
ついに彼の軍はフランスの西端、カレーまで押し戻されてしまいました。
彼は愛する家族に伝えます。
今日の戦で俺は死ぬ。お前らは生きてドーバー海峡を渡り、私の武勇を語ってくれと。
国のために戦った男の悲痛な叫びが戦場にこだまする。
W.シェイクスピアの代表作、『ヘンリー六世 第一部』。
真相はあなたの感性でぜひ。
とにもかくにも、読み応えだらけの作品です。
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以上、いまこえでした。稽古がんばります。
それではまた!