今年も残すところあと1日となりましたが2020年を振り返ることにしました。オリンピックが延期になったのを筆頭に世の中というか世界中でスゴいことになってしまった年になりました。このコロナ禍で大変な人も多いと思いますが元気出していきましょう!


 私のこの一年を振り返ると10年ほど前ある関西の女サイコロ旅芸人を知った時ほどの衝撃的な出会いが3月5日木曜日にありました。出会いと言っても本人を直接見たわけではありません。職場で何気に取った雑誌の表紙の女性に釘付けになったのです。始めは好きな連載マンガを読もうと無造作に積まれた雑誌を手に取っただけでこの時は表紙やグラビアなんか目も暮れていません。そのマンガがその週は休載になっていて投げ返そうとした時に表紙の女性に目が留まりました。


 彼女の名前は「吳函峮」(ウーハンチュン)台湾のチアリーダーでもうすでに日本では知名度もあるようでいろいろと動画などで彼女を調べていくうちにどんどんのめり込むようになっていました。

 4月10日彼女の所属チームの直販店の営業をライブで配信したのを見たときに中国語が並ぶコメントの中に私が一言だけ『こんにちは!日本からです!』と日本語コメントを入れたとき彼女が反応して日本語で自己紹介してくれたのがめちゃくちゃ嬉しかったのを思い出します。



 彼女を知ったときは台湾プロ野球シーズン開幕直前でしたが世はコロナ禍。実際にライブで彼女の踊っている姿は見られないと思っていたら台湾では無観客で開幕し4月12日無観客の中彼女も踊っていました。ここからさらに彼女にのめり込んでいくのですが連日のナイター毎夜の乱打線。しかも台湾との時差+1時間で試合が終わるのは夜中になるのでこの頃は寝不足で大変でした。



 次第にお客さんが席を埋めていくのですが前列にいるカメラマンの数が徐々に増えていきすごい大砲のようなレンズでチアリーダーを追う人だらけになったとき舞台やラジオブースのガラス越しに女芸人を見ていたときの風景と同じかそれ以上で驚きました。こういう人たちが動画をあげてくれてるんだと気づいたのは後々のことです。

 4月21日運命的な出来事がありました。朝普通に仕事をした後の昼休み。食堂のテレビの前の席に座りA定食のハンバーグを食べていたときテレビでは私が見たかったわけではなかった誰かがきっと何気にチャンネルを合わせた日テレのスッキリが映っていました。まったく興味無かったので見ずに食べ始めたところテレビから聞き慣れた曲がかかったのでテレビ画面を見たところビックリ!そこに映ってたのはYouTubeで何百回も何千回も見た陳子豪選手の応援をしている動画の彼女。その後自己紹介したりと日本のテレビ初出演だったそうでこれはもう俺たち運命だろっって浮かれていました。





 彼女を知って3ヶ月くらい経った忘れもしない6月17日に彼氏がいると報道されました。彼の名前は「黃鴻升」台湾で知らない人はいない有名なタレントでした。私の気持ちは一気に下降線。最初から彼氏がいるっていうのがわかっていればこんな気持ちにはならなかったのかもしれませんがこの時は『どうしようかな。ヤメるなら今かな。どうせ台湾行けないしな。会わないうちにヤメちゃったほうが楽かな』なんて考えたりもしました。やはりショックを受けたのは私だけじゃなく日本に彼女を広めたと言っても過言ではないくらいのYouTuber「Love QUN」さんも引退しました。のちにまた復活するのですがやはりこの時はショックだったのでしょう。


 本人たちは何も言わないし事務所は仲の良い友達と言うししばらくはダラダラ彼女を見ていましたがバラエティ番組などで仲をイジられ始めてなんかこのまま彼女を見ていてもつまらないなぁと思い始めてた8月9日にイベントで黃鴻升が洲際の球場に呼ばれていました。この日は彼女もチアの仕事で球場にいてこれはひょっとして二人仲良く結婚発表でもするんじゃないかとライブ配信に釘付けになりましたがまぁ見事にわざとらしいくらいに何もありませんでした。配信で彼を見たところなんか礼儀正しい良い男に見えて親心な気持ちでこの男なら許してやろう彼女の彼氏でもいいかなくらいに思い彼の出演しているバラエティ番組なんかを見るようになったのもこの頃でした。


 9月16日のことです。知ったのは翌日の17日の朝。彼氏の黃鴻升が急死しました。『え?』って感じでした。本当にニュースの配信を見た時『え?』でした。『え?これって……だよね』って何度も記事を読みなおしました。まず考えたことは彼女が先走ったことをしないかめちゃくちゃ心配でした。建前的には「仲の良い友達」なので彼女がこの先どう出るのかも考えました。このまま黙っていたら彼の葬儀にも参加できないしだからと言って交際を認めたら失くすものもたくさんあるだろう。ですが私は彼女はすべてをさらけ出して出てくるだろうと考えました。根拠はないんだけどそれまで彼女を見ていてそんな気がしたんです。するとやはり彼女はその日のうちに自身のインスタに良い仲であったことを告白する内容の記事を彼の寝姿の写真と共に投稿しました。


 彼女は3日間のお別れ会に報道陣に囲まれながらも参加し無事に葬儀にも参列できましたが代償は彼女に対する心無いコメントでした。黃鴻升の死を利用した売名行為と言われたりして彼女本人もこのコメントにはブチ切れたようでした。

 そして彼女は強い意志で復活します。10月19日にポテトチップの営業ライブ配信しました。久しぶりの動画ではなくライブで動く彼女を見て嬉しかったです。ですが彼女の本職は自分的にはチアリーダーだったので元気に踊ってる彼女を早いところ見たいと願っていたところですが食も進まず痩せてしまった彼女にそれは無理な話と今シーズンの球場入りは諦めていました。


 明けて翌日の10月20日。この日の私は仕事で19時過ぎに帰社したのですが野球中継があるのを思い出しスマホのアプリを起動したらそこにはまさかの彼女がピンクの服で踊っていてビックリしました。てっきり今年はあと補賽2試合しかなくチアの仕事は早くても台湾シリーズで普通に考えたら復帰は来年だと勝手に決めつけていたので彼女を見たとき涙が出て止まりませんでした。強い!本当に君は強い!ドン底に突き落とされてたったの1ヶ月です。めちゃくちゃ感動しました。


 さてシーズン残すは台湾シリーズです。さすがにフル出場は無理だろうと考えていたのにそんな心配は無用で彼女は最後まで踊りきりました。この台湾シリーズで何が嬉しかったと言えば10月31日のシリーズ初戦。試合前に今年の曲「PASSION SISTERS」を初めて踊ったことでした。他のメンバーは何度か踊っているのですが彼女だけははちょうど復帰の充電期間だったので踊れていなかったのです。ですから公式のPVにもこの曲を踊る彼女は映っていません。


 シーズンも終わりあっという間に年の瀬となりました。頑張り屋の彼女の仕事はチアリーダーだけではないのでテレビや営業の仕事が盛りだくさんですが無理せずゆっくりと気持ちを整理してもらって2021年は良いことがたくさんありますよう祈るばかりです。

 ではみなさん良いお年を



2020年12月30日

横浜すずめ