今日から始めるベタ飼育【ショーベタ編】 | 輸入金魚・ショーベタ専門店「よこはま金魚 本店」ブログ

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美しい鰭と色彩、表情豊かな行動が魅力的なショーベタ。

「飼育してみたいけど熱帯魚って難しいんでしょ…?」という方のためにショーベタ飼育の基本をご紹介します!

飼育の基本といっても飼育者のスタンスや生活リズム、魚の個性によって飼育方法は様々。

今回ご紹介するのはあくまで「よこはま金魚本店店長」のおススメする飼育方法です。

あくまで数ある飼育方法の中の1つであるということを念頭にご覧くださいませ。

 

そもそもショーベタとは?

そもそもショーベタとはどんな魚なのかという話を超簡単に。

(店長はゴリゴリのベタマニアなので真剣にこの話をすると書籍並みのボリュームになりそうなので…笑)

 

ショーベタはベタ・スプレンデンスと呼ばれる種類の魚をベースに近縁種数種の血を取り入れることで作られた改良品種です。

そのルーツはタイで行われていた闘魚文化にあり、そんな闘魚用のベタに観賞価値を見出して観賞魚として品種改良を進めたことがこの魚のルーツとされています。

今から800年ほど前には観賞魚としてベタが改良されていたというデータもあるそうで、非常に歴史の長い観賞魚です。

 

そんなベタの中でも特に観賞価値の高い魚を総称してショーベタと呼ぶのが一般的です。

つまり、ベタにはほかにも改良品種が存在するのですが、ここからはショーベタに絞って飼育法等を解説していきます。

 

 

一口にショーベタと言っても様々なカラーリングと形の組み合わせがあり、自分好みの1匹を見つけたりコレクションしたりと楽しみ方は無限大…!

 

飼育に必要な用品類

まずは用品類をそろえなくては始まりませんね。

ここではショーベタの飼育に最低限必要な用品をご紹介いたします。

 

水槽

これは基本ですね。

ベタの飼育において水槽の形状にあまり制限はありませんので一定以上の水量が確保できるものであれば問題はありません。

ただし、ベタはジャンプをする魚ですので蓋ができる容器か水面から水槽の上端まで7-10㎝程度のスペースを確保できる容器を選択すると安全です。

後述するメンテナンスの都合上あまり大きな容器だと大変でしょうから1.2-4リットル程度の水量が確保できる容器の中で選択するとよいでしょう。

 

ヒーター

こちらもベタ飼育には絶対に必要な用品です。

ベタの原産地はタイですので基本的に一年中高水温下で生活しています。

日本で飼育する際も水温27-28度程度をキープしてあげると健康に飼育できます。

あくまで目安ですが9月末から7月頭まではヒーターを使用しての飼育となりますので夏のうちに飼育を始めても晩夏には準備をしてあげてくださいね。

 

春先などにヒーターを外してしまう方が多いのですが、梅雨明けまでは時間や日によって温度差が非常に大きく夜間などはかなり冷え込みますので梅雨明けまではヒーターを付けておくことをお勧めします。

 

カルキ抜き

魚の飼育には欠かせない用品です。

水道水に含まれている塩素は魚の血中に溶け込んで酸欠症状を引き起こすので安全のためにも必ず使用するようにしましょう。

汲み置きなどの方法もありますが、殺菌用に入っている塩素を抜いた状態の水を放置する行為は雑菌を繁殖させていることと同義ですので個人的にはあまりお勧めは致しません。(とくにショーベタは細菌類に対する耐性が低い傾向にあるので避けた方が無難です)

 

魚も人間と同じで生きるためには食事が必要です。

餌によって栄養価や消化吸収率、水質汚濁への影響などが異なりますのでご自身の飼育スタイルと魚の体質に合ったものを選んでください。

 

 

 

 

フィルターについて

と、用品類に関してはこれで以上になります。

「え?フィルターやブクブクは?」という声が聞こえてきそうですが、基本的にそれらの用品は必須ではありません。

 

※ここからは完全に店長の主観ですのでご参考までに…。

フィルターというのは基本的に「水槽内の汚れを集めてバクテリアに分解させるための装置」なのですが、ショーベタは細菌類に対する耐性が高くありません。

フィルターは「汚れを集める」「バクテリアが定着繁殖する場所を提供する」という機能があるのですが、裏を返せば集まった汚れを栄養源として魚にとって有害な細菌類が繁殖するスペースにもなりうる。と考えています。

 

また、後述しますがここでおススメするショーベタの飼育方法は高頻度かつ多量の換水をベースとしているため、フィルターがなくても水質の維持が可能ですので、フィルターのメリットを享受することができずデメリットが目立ってしまうという点からここで解説する飼育方法とフィルターの相性はあまりよくないものと考えます。

 

 

 

日々のメンテナンス

必要な用品が分かったところでお次は日ごろのメンテナンスです。

飼育の基本中の基本でありながら一番難しいところでもあるのでじっくり読んでやってください!

 

換水

まずは観賞魚飼育の基本中の基本。水換えです。

ショーベタの飼育においてこの水換えはとても大切な意味を持っています。また、通常の熱帯魚とは異なる管理方法となりますので「熱帯魚の飼育経験は豊富です!」という方もご一読ください。

 

このメンテナンスのお話をするには現地でのショーベタの育成方法に触れなくてはいけません。

現地ではウィスキーの瓶などに一匹ずつ収容され、高頻度の給餌と換水によって体形と水質を維持して育成することが一般的です。

現地ファームの様子。このような小さな瓶に1匹ずつ収容され機械的かつこまめなメンテナンスで美しい魚に仕上げられる。

 

このような育ち方をしているショーベタですから、飼育水が古くなったり菌類が繁殖した水を嫌う傾向があります。

一般定期な熱帯魚の飼育はバクテリアにダメージを与えないように30%や50%ずつ換水をするのですが、ショーベタの飼育では水質の維持をバクテリアに頼る必要がないので高頻度で大量の換水をすることで古い水と飼育水中の菌類を全て捨てることが可能です。

 

以上の点から2-3日に1度100%の換水をおススメしています。

この2-3日という期間にも理由があります。

通常飼育水は使用期間が長ければ長いほど水道水の水質から乖離していきます。

この水道水との水質の差が大きすぎると100%の換水をしたときに魚がショック死する可能性がありますので、100%の換水を行う場合は飼育水が古くなりすぎる前に交換をする必要があります。

そのボーダーがおおよそ3日であるという考えからこのような期間設定となっています。

 

また、水槽はずっと使っていると内部にぬめりが出てきますが、これはバクテリアなど細菌類のコロニーですので水換えのたびにスポンジなどで擦り落してあげましょう。

 

新水は特に特別な処理をする必要はありませんので、カルキ抜きをした27-28度程度の水を使用してください。

この時元の飼育水より冷たい水を入れるよりは温かい水を入れた方が魚へのダメージが少ないので、心配な方は少しだけ温かめを意識するとよいと思います。

 

 

 

給餌

お次は餌やり。

こちらも魚が生きていくうえで重要なことですので気を遣ってあげる必要があります。

※ここでは「よこはま金魚オリジナルフード」を使用する前提で餌やりについてご紹介いたします。

 

まずはベタという魚の食性を知ることから。

ベタの原種は自然界では小さな虫や甲殻類、微生物などを捕食する肉食魚です。

これらのことから動物性たんぱく質を多く含む餌を与えた方が彼らの本来の食性と合っており自然です。

 

分量としてはは1日1回ひとつまみ程度が基本となります。

 

先述の通りベタは肉食の魚です。

肉食の生き物というのは毎日餌にありつけるわけではありませんので、基本的には毎日満腹に餌を食べるような構造にはなっていません。

餌を大量にあげてしまうと消化不良を起こしてしまう可能性がありますので、腹8分目程度を目安に週に5日ほど与えて頂ければ十分です。(餌をやらない2日のタイミングで水を換えるようにするとよりいいかと思います。)

 

ベタも人間のように太りやすい子や痩せやすい子など様々ですので、個体に合わせて微調整をしてください。

こちらの写真が体形の目安になります。

痩せている個体(左)と標準的な体形の個体(右)。

左の個体は体が薄く、相対的に頭が大きく見えます。こうなるようであれば餌を増やしてあげた方がよいでしょう。

右の個体が標準的な体形なのでここを目指して給餌量を調整してください。

 

フレアリング

お次はベタ独自のお世話、フレアリングです。

これはベタがほかの個体を威嚇するときに行う鰓や鰭を広げる動作のことを指しています。

ベタは筋肉を用いて鰭を広げていますので、この筋肉を鍛えることでより鰭が大きく開くようになります。

人間でいう筋トレのようなものですね。

 

さらにこのフレアリングをさせることにより便通がよくなったり普段の動きにも活力が感じられるようになったりと様々なメリットがあるのでできる限り行うようにしてください。

 

フレアリングの様子。水槽を2つ並べるのが一番手が掛からず鑑賞に集中できます。笑

 

その方法ですが、一番スタンダードなのは水槽越しに2匹のベタを向かい合わせることですね。

これが一番手がかからないです。

1匹しか飼っていない場合は鏡を用いたり、ボールペンの先端を見せることなどでもこのフレアリングは可能となります。

1日に1回15分程度も行っていただければ十分です。

 

フレアリング前(左)とフレアリング中(右)の同一個体。

フレアリング中はベタが最も美しく見える瞬間の1つなので観賞時だけでなく、個体を選ぶ際にも積極的にフレアリングをさせるとよいでしょう。

ベタの迎え方と選び方

さて、ここまでで飼育に関するお話は終わりです。

飼育方法が分かってきたとこでそろそろお迎えするベタを選びに行きましょう!

 

迎えるための準備

まずはお迎えの準備ですが、これは特にありません。

前述のように(少なくとも当店の)ベタは高頻度多量の水換えをしていますので、他の熱帯魚のように「水槽を立ち上げて1週間待って…」というような工程は必要ありません。

お迎え頂いたベタは持ち帰るときに袋に入っていた飼育水ごと水槽に開けて、カルキ抜きして水温を調整した水をゆっくり足してあげるだけで十分です。

たったこれだけの用品でベタ飼育をスタートできます。

ベタに強いお店ならこれらの用品の扱いもあるはずですので、魚と用品をセットで買って始めることができるのもベタの魅力の一つです!

 

ベタの選び方

ではお次はベタの選び方です。

 

色や形などは完全に好みですので、ご自身で一番グッと来たものを選んでいただくのがよいでしょう。

ここまでご説明したようにこまめな管理が必要な魚ですので、飼育のモチベーションを保てるよう本当に気に入った子をお迎えしていただくことが成功の一番の秘訣だと思います。

 

でも気に入った子が元気なのかどうかは気になりますよね?そんなときに使える簡単な健康状態の判断方法をお伝えします。

基本的にはよく泳いでいる個体は調子が良いのですが、水底や水面でボーっとしている子も仕切りを外たときに隣の個体に向かってフレアリングをするようであれば問題ないことがほとんどです。

水面に浮いたまま沈めない子や逆に浮くことができない子、鰭を畳んだままの子や極端に痩せている子などは避けた方がよいでしょう。

 

当店では基本的に「この子の健康状態はどうですか?」と確認していただければしっかりとご説明をさせて頂きますので、そのあたりもお気軽にご相談ください。

 

以上の点に注意して気に入った個体を購入することができたら前述の通りに水槽に放していただくだけになります。

水槽に入れた当日は魚も落ち着かないので餌を与えずできるだけそっとしておいてあげてくださいね。

翌日からここまでにご紹介した飼育方法に則ってお世話をしていただければ…!

 

 

 

飼育を進めていくうちに様々なトラブルが起こるかと思いますが、当店でお迎え頂きましたお客様に関しましてはSNSのダイレクトメッセージやお電話などでご相談いただければ可能な限りお応えさせていただきますのでご安心ください!

 

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では楽しいベタライフを…!