中国武術 伝統競技規則 武術ジャパンカップ大会 観摩エキシビジョン大会ルール

 

(上海復旦大学武術協会 日本本部 2016年試行 2017年策定)

 

趣旨:日本国内における全世代の健康増進、技能発展、武術交流を大会を通じて図り、

 

中国武術文化の特徴である「健身」「修身」「防身」を各自で武術套路演武で発揮し、

 

全体における年々の武術人士の発展のための評価制度を設け、出場演武・演示者の、

 

「年代、技能、動作数、精神、風格」における総合判定を施し、武芸有能者へ奨励のための表彰を行う。

 

(※審判長は、演武または演示終了後にA、B、C、Dの等級判定を行い、各自の演武内容の得点を記録し、

公表はしないが その得点の上から順に一二三等奨 表演努力賞などを判定し、賞状を授与する)

 

A級 8,8~ 9,0~ 伝統武術ルール 1位~2位 技能水準保有者

 

B級 8,5~ 8,7~ 伝統武術ルール 3位~4位 

 

C級 8,2~ 8,4~ 伝統武術ルール 5位~6位 

 

D級 7,9~ 8,1~ 伝統武術ルール 7位~8位

 

項目:

 

・健身功法 五禽戯 八段錦 易筋経 馬王堆導引術 または、太極拳各種(拳式スタイルは自由)

 

・武術功法 (武術拳種 各種) 

 

・武術短兵套路 武術用法・析招

 

・総編項目(融合式拳術 太極舞 太極ヨガ など)

 

・単練 対練 双人~6人程度の演武項目(14m×8mのコートでおおよそ収まる人数)

 

服装規定:自由

 

時間:6分未満

 

 

中国武術文化交流大会式 等級判定表

 

3分野からのA、B、Cの等級判定結果から、総合的に最終判定水準を行っていく。

 

その内容からの等級判定順に、一等奨、二等奨、三等奨の成績を決定する。

 

1.動作規格 A~C 判定

 

2.協調性 発力 ”勁” A~C 判定

 

3.精神 リズム 動作内容 風格 技の結合 布局 A~C 判定

 

※「バランスを崩す、など」は「1、動作規格判定」に含まれる。「失誤・忘却」は「3、精神 リズム 動作内容 風格 技の結合 布局」に含まれる。

 

上記の1、2、3、の各合計判定結果から、A B C の合計数で最終判定が行われる。

 

例:

 

「動作規格 A 判定」「協調性 発力 ”勁” B 判定」 「精神 リズム 動作内容 風格 技の結合 布局 A 判定」 最終判定 「A」

 

「動作規格 A 判定」「協調性 発力 ”勁” B 判定」 「精神 リズム 動作内容 風格 技の結合 布局 B 判定」 最終判定 「B」

 

「動作規格 B 判定」「協調性 発力 ”勁” B 判定」 「精神 リズム 動作内容 風格 技の結合 布局 C 判定」 最終判定 「B」

 

「動作規格 B 判定」「協調性 発力 ”勁” C 判定」 「精神 リズム 動作内容 風格 技の結合 布局 C 判定」 最終判定 「C」

 

 

採点評価基準

 

一般的に知られる”減点”を常に意識する「武術競技規則」とは異なり「観摩エキシビジョン大会」では、

各々の保有する「武術技能の高さ」を評価判定する。

 

※参加出場者全員の各自の持ち点がスタート時は「10点」から始まり、「功法」「攻防技能」「套路」での動作状況によって、

 

不足部分が現れた時は、判定審判員が適宜にポイントが指し引かれるようになり、

 

最終的に、持ち点が各自の得点として「総合判定:年代・技能・動作数・精神・風格」最終判定される、という考え方でできています。

 

套路演武・演示における得点評価での判定の配分

 

1.動作規格 6点

 

2.協調性 発力 ”勁” 2点

 

3.精神 リズム 内容 風格 技の結合 布局 2点

 

4.失誤 

 

 

太極拳各式 健身功法 拳術 器械 総編項目

 

配点       

 

6点(動作規格)

 

手型 手法 歩型 歩法              

 

身法 腿法  器械操作法             

 

跳躍 バランス                  

 

 

2点(協調性 発力”勁”)

 

発力の充足 力の使い方の順達度  

 

力点の正確さ 手、眼、身、法、歩の協調一致さ   

 

動作の鋭敏さ 運動の熟達度 沈着安穏さ      

 

連貫と円滑さ 

 

 

2点(精神 風格 リズム感)

 

活力の充満 完成された”勁力”での緩急や、動静、軽重のリズム感

 

風格の突出度 内容の充実 構成の合理性      

 

変化の多様性 配置の整合性 意識の集中      

 

表情の自然さ 適度な速さ

 

 

武術的動作での失策とみなす、判断基準

 

 

※「年代・技能・動作数・精神・風格」における総合判定のため、直接にポイント減になることはなし

 

技能考評審判員が総合判定

 

動作の忘却 

 

剣穂・刀彩が身体に巻き付き動作に影響を与える

 

器械が床にぶつかる 

 

「器械」を落とした

 

ラインアウト 

 

※14×8mのコートの外に出てしまった

 

バランスを崩す 

 

床へ倒れてしまった など

 

 

1.動作規格

 

競技で行う套路内での全技術動作から各項目に求められる性質の完成度を見る。

 

技の整合性のために「型」と「方法」が適確かどうかを評する。

 

「手型・手法」「歩型:歩法」「身体操作法」「器械操作方法」など。

 

 

2.勁力 協調性

 

各武術項目の技術動作の実際の身体表現能力を評する。

 

発”勁”力・功力がその用法に則り手の先、足の先まで到達しているかを見る。

 

上下左右のバランス、眼の動きと技術(器械操作)との合致、巧みに行われているかをここで採点する。

 

 

3.精神 リズム 内容 風格 技の結合 布局

 

精神:演じる者の内在意識表現を見る。

 

リズム:動作の中での時間的変化 動~静 快~慢 など。

 

風格:各武術項目の特徴と風貌の現れを見る。

 

技の結合:動作と動作のつながりが滑らかで巧妙かつ 起伏、自由自在な変転を見る。

 

布局:それぞれの武術項目における空間的変化

 

コート内の場所の使い方で、それは武術的行動範囲を評する。

 

空間の滞在部分を駆使し理に適い、バランスがとれ 変幻自在さを見る。

 

(逆にいえば、偏ってはならず、一部分のところだけに留まらないようにする)

 

 

4.失誤

 

動作を途中で頓挫し退場した場合、動作を忘れてしまった、器械の変形

 

衣服の乱れ、ふらつく・バランス等を崩す、起~収勢が合致しない、

 

コートから出てしまう、時間不足、超過など。

 

各等級判定における得点配分  

 

 

判定 9、0~8、8

 

武術動作は規範に正しく、用いられる技の数々が清々しさをも感じる。

 

力は届くべき場所へ到達していて、リズムも滑らかで動きははっきりしている。

 

手や眼の動きと身体(器械)の使い方はピタリとまとまり よく練られた技が

 

その套路を完成させている。

 

 

判定 8、5~8、7

 

動作はルールに正しく、方法もよく 力はよく届き

 

手と眼と身法(器械)が整っていて完成度は高い。

 

 

判定 8、2~8、4

 

 

動作は比較的ルールに合っている。技もきれいに忘れることなく、

 

套路を演じている。

 

判定 7、9~8、1

 

 

 

動作に大きな誤りはないが、方法も基本的には沿っているが技法における 「武術意識」に

 

何かしら集中力が不足しているように感じ、一応は通すことができている。

 

 

表彰

 

等級判定された順に上位から、一等奨、二等奨、三等奨、表演賞の賞状が送られる。

 

※受賞は参加人数の割合から区分され、一等奨、二等奨、三等奨、表演賞 各々に授与される。