季節は三寒四温の時期を迎えています。
今日は太陽暦3月13日、太陰暦では二月十六日。
昨日が春節を迎えて初の満月、元宵節から数えて本当の一月が経ち、
昨晩は十五夜、今日は十六夜です。
太陰暦では一、二、三月が春、四、五、六月が夏、七、八、九月が秋、十、十一、十二月が冬。
やはり伝統中国文化でもある「中国武術」での練功や養生を太陰暦でしっかりと行えば、
毎年、毎年確実なの成果、人間の生命体として、
「功夫 カンフー ゴンフー:時間:能力:腕前の総称」
の成長やレベルアップを実感します。
私は今年、2017年で13歳から始めた「中国武術35周年」を迎えました。
(※6歳の剣道から数えると武芸キャリア42年です)
今確信として思うことは、本当に1年365日、朝から晩まで武術のことを思考し、
ひたすら拳脚を練り続け、長拳、伝統拳術、器械各種、対打拳、散手攻防技術、
太極拳では陳家溝式太極拳、楊式太極拳、孫式太極拳、そして龍身蛇形太極拳を修練して来ました。
気功では、馬王堆導引術44式から始まり、自分がフィットネス向けレッスンで総編した気功体操の「養生導引操」
健身気功は馬王堆導引術、八段錦、五禽戯、
伝統気功 華侘五禽戯では、創始者の華侘の故郷、安徽省亳州市で3度の研修で、
原地、活歩共に十三式、五十四式の華侘五禽戯を修めました。
こうして長い時間をかけて体得した技能や文化教養、肉体は本当に自分にとっては宝物で、
本当に「非物質文化遺産」が身体に宿っている実感を想います。
振り返れば、私はずっと人生において、ひたすら一途に修養して来ました。
これまでの長い期間、
「時間:能力:腕前の総称」として「功夫 カンフー ゴンフー」と呼びますが、
本当に本当だと実感しています。
そして「伝統中国文化」である中国武術は、厳しい訓戒がいくつもありますが、
その中で、
「武芸者の心正しければ、その拳は正しい拳となり、心邪であれば、その拳は邪な拳となる」
という言葉の深い意味を、ここ数年は実感しています。
日本は長い時間において「資本主義経済」を標榜し、拝金主義的精神が蔓延し、
「お金の為なら何でもやる」
「稼いだ人は偉くて、稼げない人は駄目」
「弱肉強食は普通、弱い方が悪い」
「本音と建て前」
あるいは、「不自然」で「不可思議」なことの正当化。
そんな社会環境が行政システム、財界の方針によって行われて来ました。
そんな中でも私は、仕事的に社会環境には沿うようにしましたが、
私はずっと、自分の心に正直に、
世の中の社会環境の問題があっても、
それらに同調せずに、自分の信条だけを貫き通して来ました。
今年の春は、ようやく何かしら大きな変化が生まれて来て、
今までにやって来た成果を実感しています。
先ほどに申し上げた、
「武芸者の心正しければ、その拳は正しい拳となり、心邪であれば、その拳は邪な拳となる」
の中で「心邪であれば、その拳は邪な拳となる」という意味の本質を最近は実感しています。
知る人は知っていることですが、日本国内に「中国武術」が歴史的に初めて入って来れたのは、
1978年の日中平和友好条約締結の39年前の前後頃です。
当時はその社会的な影響で「中国武術ブーム」がとても大きな時期でした。
それには、元々は空手出身者が転向して来たり、太極拳では日本舞踊や社交ダンスなどから転向して来る人が多くありました。
1978年はまだ小学1年生の少年だった私は「中国武術への憧れ」を抱き、自己流で練習をしたりしていて、13歳で初めて日本で活動している世界へ入り、
1985年の春から本場中国の上海武術界の一員になり、翌年1986年から安徽省武術界にも入りました。
それから今日まで、長く学びと交流を続けて来ました。
当時の中国は「社会主義システム」で、お金はさほど重要ではなく、
人の有する「能力や腕前」と「文化的知性」に一番評価がありました。
それらが高ければ高いほど、社会的地位が上がり、
経済的報酬よりも、有意義な時間、ゆとりがあり住み心地の良い居住環境が与えられ、
仕事はその専門性の技能を発揮できる職場環境がありました。
民間での伝統武術の指導者や、武術学校の先生に本当に憧れていました。
その頃の日本は、
皆さんがご存知のように「資本主義経済」を標榜し、拝金主義的精神が蔓延している時代でした。
日本国内の武術活動界でも、相互発展というよりは、いがみ合いや、
派閥争い、利権闘争、
関連した雑誌メディア同士の対立・・
そんなことばかりを繰り返す、上の世代系の武術愛好者たちに興味はありませんでした。
そこで、
私はなんとか「中国みたいな暮らし」ができないか、と本当に考えていて、
ようやくフィットネス業界が出来上がり、その一員となって実現が出来ました。
そして仕事として武術を行い、有意義な人生になりました。
しかしながら、感じたのは、
私の上の世代系では、
政財界や文化交流団体のコネを使って、なんとか中国へ行き、
中国語もできなくて、通訳付きで「2~3日」研修を受けて日本へ帰国すると、
いつの間にか自分を「達人」と称して売り込み、
本を出版したり、雑誌に登場したりしていました。
そういう系統では、
当然に「中国武術文化」を体得していませんから、
人それぞれで、勝手なことを言い出す人たちが多かったです。
そして、それが「普通」と思い込んで 後に続く人たちが多くなりました。
(※そういった思い込み世界での武術観を否定したり、辟易していく人を、彼らの洗脳者たちからは、変人扱いされるのでした・・・)
それから私の後にも、
関東地域で数人かは、私の元へ来て学び、中国大陸へも私が連れていき、紹介したネットワーク経由で、
後々に単独でも行くようになったりする者も出て来たり、
私のスタイルの真似をする人たちも増えました。
私は、そうして中国武術の広まるきっかけになればと喜んではいましたが、
やはり、「やり方」の面で結局は、
日本の「資本主義経済」の短所へ走り、そういう道を行く人たちが多くなってしまったことに残念に思っていました。
しかしながら今国際情勢や社会環境を見ていて、
感じるものがあります。
毎日報道に扱われる「米国のトランプ現象」を見れば判る通りに、
リアルタイムで今世界中は「二極化」して分裂をしています。
ドナルド・トランプ 米国大統領 施政方針演説 全文 「米国精神の再生を」
http://ameblo.jp/yokohamabujutuin/entry-12252716743.html
先進国とよばれた英米仏が先導して来た「資本主義経済の社会環境」は崩壊をした事実を我々日本人はリアルタイムで見ています。
中国武術界の文化的訓戒でも「戒め」を破った人の数は数えられません。
しかし今実感として理解したのは、
「心邪であれば、その拳は邪な拳となる」の「邪」とは、
「その場その時の、場当たり的な”思い付き感覚”で 自己都合で身勝手で、拝金主義に走り、文化的知性を磨かず、練功を怠る」とどうなるかは、
精神面で稚拙なために大きな失敗を犯し、肉体面では生活習慣病体質となり、
「因果応報:原因と結果は応じて報われる」
「自業自得:自らの業は自らで得る」
で長く時間の経った成果であるはずの身体や技能を、
これだけ便利になったIT社会では、短時間で、
多くの人たちの知るところになり、「自分自身で証明してしまう道が待っている」
という結末がある、ということでした・・・
やはり歴史長き訓戒は正しく、
「武芸者の心正しければ、その拳は正しい拳となり、心邪であれば、その拳は邪な拳となる」
は本当であり、
「正しさ」とは、
素直、正直、練功、文化教養の学び、そして奉仕として「人に役立てるため」の仕事です。
私もまだ35周年、これから40周年、50周年と目指して、
今までに私以前にはなかった「中国武術人士」として、新時代の「生き方」をする、
その発展、繁栄に繋がる今年にしていきたいと思います。
修養、修養・・・