
6月がスタートし、3ヵ月後の9/4(日)中国武術文化交流大会のエントリーが始まり、大会へ向けた準備が着々と進み出しました。
今年は中国上海から復旦大学武術協会・武術隊、龍身蛇形太極拳総部との共同開催の大会になり、とても新鮮な感覚があって、今から大きな楽しみになっています。
いろいろと多くの皆様から、お問い合わせがあって、かえってそれがいい機会になった実感を思います。
日本においての中国大陸の武術の普及の歴史では、健康体操的な普及用の楊式簡化太極拳24式がもたらされて約40年ほど、私の武術経験は34年。
中国武術拳種での長拳がもたらされた第一世代です。
当時1982年13歳で武術を始め、この34年の間ずっとひたすらに練功と精進を怠らずに続けてやって来ました。
長き中国武術の歴史は古く、春秋時代の「荘子」における馬王堆導引術の記録からみると2500年、後漢三国史時代の魏の国の曹操の専属医師であった「華侘」の五禽戯からは1800年。
河南省の少林寺の武術は1300年。
日本の歴史では室町時代から戦国時代ぐらいの頃の中国の明代に陳氏太極拳をはじめ今現在多くに知られる日本人の好きな酔拳、蟷螂拳、猿拳などの武術拳種が生まれました。
江戸時代の後期の中国は満州族の立てた王朝、清の時代に楊式太極拳創始者、楊露禅が出て、八卦掌や形意拳が広まりました。
日本は江戸時代に鎖国を行い、清国との国交は民間交流ではほとんどなく、明治時代になり日清戦争、日露戦争、日中戦争、太平洋戦争を経て、敗戦。
中国は戦後に毛沢東の共産党と蒋介石の国民党との内戦があり、敗戦した蒋介石の国民党は台湾へ逃れ、内戦の勝利した毛沢東の共産党が「中華人民共和国」を1949年に建国しました。
その後も中国国内では、政権の内部の権力闘争があり、文化大革命を経て、ようやく国家全体が安定するようになり、その後も欧米諸国からの干渉も多くあり、
天安門事件、2008年北京オリンピック期間にあったチベットやウイグル地域での欧米諸国から独立運動の支援があった問題を経て、今の中国があります。
明、清、中華民国、そして中華人民共和国、いずれの時代でも「中国武術文化」はとても重要な役割を担って来ました。
こうした長い歴史の詰まった「中国武術文化」を、私のような日本人にでも中国上海武術界はいつも快く受け入れて下さり、私が修得したいと望む武芸には、ありとあらゆる要望に応えて下さいました。
日本国内には、伝統楊式太極拳を大幅に動作を減らしてまとめた健康体操的な楊式簡化24式太極拳の愛好者がとても多く、これだけ長い武術文化の歴史や哲学には、さほど興味も持たれなかったようで今日まで、その流れで来ました。
日中国交正常化が1972年の日中共同声明、1978年の日中平和友好条約があって、初めて中国武術拳種が歴史的な出来事で日本にもたらされて来たのが総合的で約40年、私自身の人生を使ってやってきた34年間。
実はとてもとても短い期間でしかない、という事実です。
その中でも、何とかここまでに単独でも武術拳種、太極拳系、健身気功系と自分自身のすべてを使って現在にまでの活動スタイルを構築できました。
これも思うに、中国の老師の皆様、中国武術文化の奥深さ、そして言葉足らずや説明不足が常にある私の拙い存在の武術活動の中で共に頑張って下さる皆様には大きな感謝の想いがあります。
今年は一つ、大きな節目の年になっている実感を思います。
そして、その大きな節目の年に「中国武術文化交流大会」を今や国際大会の主催者、大会の審判団をも務める上海の先生方が来日されて一緒に大会を開催できる喜びを実感します。
今回の大会には、大きな特徴があります。
それは、日本国内に多くある「楊式簡化太極拳24式愛好者」のイベント大会なのではなく、
限りなく中国の国際武術大会に近づけた大会を行います。
中国上海の武術隊選手は5人参加、そして本場で本物の中国武術審判団の采配、審判を務める先生方のエキシビジョン演武、私も大会運営側ですが龍身蛇形太極拳の日本側継承者としてエキシビジョンを行います。
これは大きな革命的な意味合いを持っています。
実は日本国内にあるスタイルで指導者や審判員は指図をすることだけが仕事と決め込んで、実際に自身の武術技能の演示をしないで、いつも影の存在で決め込んでいる人が多いですが、
本場中国武術界の主流の考え方では、それらを善しとは考えていません。
「自ら証明のできないことを人に指図する」
政治力を背景とする北京系の武術指導者で、そういったスタイルを作った人達があり、日本の組織内では、
それらを真似ているところがありますが、
私たちは、そうしたスタイルは一切取りません。
(※その人の表情はその人の心を現す、その人の身体はその人の生活を現す)
何故なら、求めているのは実際の武功の研鑽に対してではなく「机上の空論」「空想論」でやってしまう可能性がたくさんあるからです。
今までに、日本国内で中国武術活動をしている方々で沢山それらを見て来ました。
そして、それがいい方向へ向かっているようにはまったく感じませんでした。
(※むしろ自作自演や自己中心的満足主義の普及や蔓延化に走っていると思います)
今年の9/4(日)中国武術文化交流大会は、誰もが平等にチャンスがあって、安心して、楽しく参加も観覧もできる大会の実現をしたいと思っています。
武術に限らず、誰でもそれぞれに人前に出るのは緊張することがあります。
しかしながら、それは全員がまったく同じ条件で、毎年毎年に想いはたくさん生まれます。
普通世間の一般的日本人に意識にありがちな、その想いを「想い」のままで終わらせるのではなく、行動で自身の成長の実践に結びつけられる、その感覚を中国で学びました。
人は、同じような条件で努力をしていく経験には共通する意識や認識が育まれ、それが素晴らしい交流へと結びつきます。
交流の素晴らしさの認識を実感するところに、国や民族や年代は関係はありません。
そして、私達の大会では「机上の空論」「空想論」での要求は一切ありません。
「想いがかたちになる瞬間」は誰でも同じです。
以前に香港国際武術大会のプロデューサーの系財林さんから「日本人代表での審判員をやってくれないか」と打診されたことがあります。
私は正直に、中国武術2500年の歴史を、短い日本の武術活動界の歴史の中にて、人々の打ち込んだ功夫:武術を識別し、裁定することは、
個人的で素直に思ったのは「私には不向きだ」という所感がありました。
そんな感覚があり、私は指導者とプロデューサーとしての仕事のみに集中してやって来ました。
今や後輩たちが審判員をしている日本国内の競技会で感じたのは「立場的なキャリアだけが長くとも、継続して高めた武術技能や武術精神が未熟な人が審判員を行って、経験のキャリアが短くとも、近年はトレーニング環境の発達や情報も豊かになったけれども、武術技能や武術精神がそこそこにあるのを診断している」
ようなものを見ても直感で、行っていることが全体的な武術界の発展に繋がることには、ほど遠いかな、と感じています。
今大会は中国武術協会から「10大中国武術優秀審判員」に選ばれた恩師「花妙林老師」を審判長に迎え、私を含めた日本人側全員の出場者への、
審査や今後の発展へのアドバイスや指導をお願いするという主旨のある中国式大会の日本版になっています。
そして、この第1回目の日本で、横浜で行う大会での審査結果を、これから始まる新時代の日本での中国武術活動への方向性にひとつの指針が生まれると思います。
そのことで意外に思われるかも知れませんが未だに実は、まだ知られていない「中国武術水準」を私達は理解することができるようになります。
ですから、大会参加に向けて心配をされる必要はありません。今後はずっと一緒に上海武術界の重鎮の先生が味方になってくれるので、日本国内における正式な流儀での「中国武術」「太極拳」「健身気功」の未来を開拓する感覚で頑張りましょう。
今大会は運営側の私も、来日される先生方や選手たちもそうですが、全員が初めての経験でもあるので、どうなっていくかの行方を誰も知らないからです。
あるいは、その「行方」を自分達で良い方向へと導こう、という感覚も中国式感覚にはあることを私は学びました。
物事は何でも、勇気のある「初めの一歩」を知る人はいないのです。
本場中国スタイルはこういう感覚が好きなのですが、ここが日本人感覚にはまったくないところだと思います。
(※私は日本人ですが、この感覚は好きです)
ある意味では今回の大会の出場者全員の皆さんが歴史的第1号になれます。
龍身蛇形太極拳は「上海国際武術博覧会」や「上海市武術大会」でも毎年開催されている「香港国際武術大会」「シンガポール国際武術大会」でも正式種目になっています。
そして「龍身蛇形太極拳日本分部」の正式創立の記念大会なので、
携帯電話にもよくありがちな「ガラパゴス日本」では、太極拳でも他に誰も真似のできない「龍身蛇形太極拳」の拳士としての正式な成員としての出発の時でもあります。
今年2016年は先ず上海の友好都市でもある横浜で、ありとあらゆる日本の武術活動界にあった「「机上の空論」や「空想論」を押し付けるだけのような旧弊の問題や感覚をリセットするための「武術大会」です。
証人は上海からいらっしゃる一流の先生方と当日大会会場にいらっしゃる一流を目指す皆さんなので、今回はみんなで明るく楽しい本場中国式武術大会の実現化、
そして新時代の日本国内において本場中国スタイルに限りなく近づけた(本場でも同じ評価を得られるという意味でもあります)武術スタイルの標準化を達成したいと思います。
これも本場中国式の考え方で、自分達の将来を有意義にしていくために「今から契約」して、マイペースで頑張って、汗をかいて身体がリフレッシュされて、
頑張るから当然技能レベルも上がり、みんなでいい刺激を受けて切磋琢磨して、
大会当日には、その契約を達成する時を楽しみにする時を、私も初めての経験でチャレンジしますが、一緒に楽しんで頑張りたいと思っています。
よろしくお願い致します。