
「10年前の 私の記述」
今年の上海復旦大学武術協会、龍身蛇形太極拳総部での研修ツアーでの最終調整を今行っています。
今までに長く続く中国武術界での直接の31年間での付き合いの中で実際の経験で学んだものが沢山あります。
以前1980年代から1990年代の中国は共産社会主義政策を政府が推進していて、
当時はとにかく皆がのんびりで年々でもあまり変化がなく、やりとりも手紙だけで出来て、それからはこちらから中国へ訪ねていき、
宿舎や学校へ直接赴き、あとは先生方との相談のやりとりが先にあって、それから学校によっては外事弁公室へ行き いろいろと決まっていきました。
中国では15年前の2001年の北京オリンピック招致が成功し、上海APECが開催され、
それから年々大都市から変化が激しくなり、2006年頃からは、
上海や北京から街中のあちこちがモグラ叩きゲームのように工事現場のようにどんどんと展開し、
2010年の上海万博が終わってから、ようやく落ち着いて来た印象を感じています。
私たちは2011年に上海体育学院武術学院で一度研修を行ってから、2012年に上海国際武術博覧会、2013年は香港国際武術大会、2014年から上海復旦大学武術協会と提携して活動拠点での中心として定め、
昨年2015年のシンガポール国際武術大会での成果発表を以て、本場中国上海武術界の活動最新スタイルの流れに歩調を合わせて展開して来ました。
この一連の時代の流れの中で思うことは、
中国の変化は凄まじい早さで、すべてが展開していて、
それに合わせてやってきたことが、非常に良かったと思います。
そして現在の日本国内の社会環境を見て感じているのは、
日本の普通一般での連携関係を含めて思うのは「展開に時間がかかり過ぎ、労力・経済的負担に無駄が多い」という、ことに尽きると思います。
それは新しいことを「やる」か「やらない」か、についても多くの人々の判断で決断を下すまでに非常に時間がかかる傾向があると思います。
中国でのリーダーシップの役割を担う人や、そのサポートの人達の特徴は意思決定が早く迅速で行動を起こすのも適確で、すぐにスムーズに流れていくことです。
そのために本当の中国のエリート集団との連携を図って相互発展でのWin-Winでの有意義な「いい仕事」をしていくには、先手先行、そして各々での完結の感覚では基本の基本で、
それから未だみぬ未来への予測意識が共にあってこそ、初めてうまく進行ができます。
日本の旧型社会システムにありがちな、何か一つあればトップダウンから求められる「報告」「連絡」「相談」の「ホウレンソウ」からのボトムアップを繰り返して精度が上がらないものでは、何一つ中国式の仕事では、うまくいきません。
中国式は「その場」「その時」で決めなければならないときには、即 決断・行動しかありません。
そのための「トップ」「リーダーシップの発揮」という本来の意味の遂行だけなのです。
「後で相談して考えて答える」というのは、よっぽど重要で確認が未確定部分を精査することが必要な場合以外は、あまり出てきません。
そのために、そうした場合での頻度は少ないのが普通です。
そう考えているのが普通の中国人社会なので、思えば今現在の日本の置かれた「地政学」的立場での「日本」や「政財界」の旧型システムでは遂行の難しいことが多くなっていると感じます。
そして中国という国は歴史的に「パワー・バランス」ですべての立場や考え方に影響を及ぼします。
世界第2位の経済大国になった中国の今現在に、これからの日本での多くの可能性などのことを考えると、
以前予測し感じた通りに、
「個人プレイでどんどん先に進めていかないと、集団で置き去りにされる」
と直感で思いました。
横浜武術院を立ち上げた理由もそういうことで、とにかく迅速に小回りが利くように活動を展開して行きました。
おそらく周りは「あの人、頭がおかしくなっちゃったのじゃ、ないかしら・・」
そんな扱いにも、もう慣れてしまったので、平気ですが、
この「5年間」は本当にすべてのすべてを使って全身全霊をかけてやって来ましたが、今現在は本当に良かったと感じています。
特にここ数年にスマートフォンが出て来てからは、もの凄い早さになって来ました。
この1週間、私は復旦大学武術協会主席の花妙林老師との最終調整では、
「何をどういう風に最終決定するか」のやりとりは、
「微信」の上でどんどんと意見交換をしながら決めて行きました。
※「微信」は中国版の「ライン」です。
自分は携帯電話:スマートフォンでも中国語でのやりとりができるので、こうした展開が電車の車内での移動中でもすぐにでもできますが、
思えば、よくありがちな日本社会で「決断できないリーダー・上司」が部下へ「報告」「連絡」「相談」と会議を繰り返して、
中国人の通訳に日本語で、日本人にしか判らないまわりくどい説明ばかりをして、中国人通訳がそれを先方に内容を確実に伝えているとは考えにくい、と思います。
中国式は単刀直入、「やる、やらない」「する、しない」の決定は早ければ早いほど、
次のチャンスへの展開も速くなります。
これは「いつも満員のバスに無理にでも乗れなければ、バスには永遠に乗れない」という中国人社会がそうなので、日本を出たことのない人達には、まったく想像がつかないと思います。
よっぽどのVIPでない以上は席は基本的に用意されていない、と思ったほうがいいでしょう。
(※満員のバスではなく、空いている時間帯のタクシーが自分でバイクでも車でも運転して行った方が早くて快適なのです)
今日本の人口は1億2700万人で、人口増加は2010年をピークに自然減少が始まり、
もう今後は増えていくことはないことは多くが知っていることと思います。
中国は2013年末で13億7千万人になり、
昨年に一人っ子政策は廃止になりました。
日本人口との差は12億5千万人です。
運営する政権与党が重要視する日米同盟関係もあって、多くの日本人が調教された効果もあって大好きなアメリカの人口での差は10億7千万人です(笑)
これからの地政学的に考えても、今後50年間はユーラシア大陸が世界の舞台になり、
アジアとヨーロッパを跨いでいるエネルギー資源大国で政府の借金がほとんどないロシアや、
インド、バングラディシュ、パキスタン、東南アジア、中央アジアの総人口44億人のマーケットが世界経済の牽引となり、
2014年の秋に北京APECで発表された「一帯一路計画」「アジア・インフラ投資銀行」を設立した中国がリーダーシップになっていくことは間違いありません。
私が考えていたことは、こうした流れが世界で動き始める前に、
日本国内での機動力を持てるチーム・共同体にしておこう、という発案を思いついたことで、
中国上海との交流は、その世界経済でのアジアの金融中心地での上海をいつもアイデアを吸収することや、
何でも最先端の流れを掴んで、上海との友好都市でもある横浜で活動を展開すれば、
今後、日本国内での経済の停滞が続いても、
難を受けることはないと確信しています。
今後は、若者世代にこの私が構築した武術交流でのバトンを渡して、
彼らの「武術の夢」
それだけでなく、国内の問題でもある若者の就職問題の解消などに、
自ら奮起して、自分から有意義な人生設計をして実現に向かって邁進して欲しいと思います。
私の今後は、夢ある若者育成と同時に世界最高齢が更に続く日本社会の環境で、
多くの皆さんの健康寿命を楽しく確実に進展をさせられるお手伝いを頑張って行っていきます。
今回からずっと2年に1回ほどのペースで定期的に行っていく上海研修では、最終日に技能検定を行い合格できれば、
復旦大学武術協会公認、武術運動員の技能資格証書と、
龍身蛇形太極拳総部認定、太極拳技能教程の結業証書が発行されます。
今後は私達の技能資格の認定は復旦大学武術協会、龍身蛇形太極拳総部が執り行い、
技能レベル獲得は国際武術大会での成績としていきます。
そして指導員を目指したい方は横浜武術院スタイルの指導カリキュラムを習得できれば、
公認指導員というかたちですすめていく予定です。
そしてこれは、今現在の上海でも、やはり高齢者の健康問題が大きくなっていて、
上海市内の各地にいるボランティア指導員で「社会体育指導員」というものがあり、
偉くなければいけない「指導者」という存在なのではなく、
「知らない人に優しく教えるアドバイザー」のような感じです。
こうして何かしら、時間が経って感じることは、
やはり「夢を追いかける人生」というのは楽しく有意義なものだと改めて実感します。