
今年2015年も、残り1ヶ月で終わります。
今日は太陰暦では十月二十日、二十四節季では来週には大雪を迎えます。
あと十日で月は全部欠けて晦日になりますので、この1週間ほど先ぐらいに、寒気が強まり気温が下がるように、もう一度季節が冬への移行で「陰気」の動くことが予測できるので心身をいい状態で呼吸機能強化や体温上昇での心身の良好さを保つ意識は本格的に大事になってきます。
この19年間毎日レッスンの現場に立ちやってきました。
いろいろと振り返れば、まだ19年前は今のように「養生」については未熟でした。
当時20代後半で、まだ武術競技の選手をやっていて、太極拳の指導を仕事にするようになりました。
当時のプログラム構成は最初にストレッチをして、太極拳の基本功を行ってから套路という、よくあるパターンで行っていました。
そこへ1998年に上海体育学院の恩師の邱丕相老師が来日され、馬王堆導引術44式の講習会が行われ招待をされたことで行ってきました。
先生には「君はそろそろ養生功や理論を本格的に行った方がよい」とアドバイスを受けて、資料をいくつか頂き導引術の実践と研究と養生学の勉強を始めました。
最初の1年目で季節の移行と人間の体内環境の変化に合わせた功法と理論との関係が判った時は感動をしました。
同時に「こんなすごい理論や技能を私がもらっていいのだろうか」そんなことさえ思いました。
それから上海へ訪れて、多くの養生理論の書籍を入手し、更に研究を深め自分の修練での意識感覚をレッスンでの話しを入れるようになり、だんだんと今現在のスタイル形勢になっていきました。
それから2001年頃から上海体育学院では邱丕相老師が中心になり(※発表後に邱丕相老師は引退され仕事は虞定海さんに引き継がれました)健身気功・五禽戯の規定套路を創編していることを知らされ、安徽省武術隊時代の友人の範燕美さんや劉静さんから発表前の「気功体操」での研究時点から既に教わり始め、それを機会に更に五禽戯での研究と実践も加わりました。
当然、それも「これはいい!」と、またレッスンへと取り込んで(笑)健身気功・五禽戯の発表と同時に日本での五禽戯普及も始めました。
毎日の自分自身の功法の修練と研究の実践に皆さんに付き合ってもらっての練功がレッスンとなるようになってからは、自分が毎日のレッスンの仕事が楽しみになりました(笑)
そしてそれから2007年に中国国家級非物質文化遺産に認定を受けた亳州伝統華侘五禽戯を海外に紹介したいという縁があって亳州へ3度訪問し華侘五禽戯を体得し三国史も研究するようになり、
そして健身気功・馬王堆導引術、龍身蛇形太極拳へと繋がっていきました。
そして4年ほど前から「いのちのネットワーク 環境と健康のリスク科学」の著者で元東京大学医学部教授、横浜国立大学医学部教授の松原純子先生が私の太極拳のレッスンへ参加下さるようになったことが縁で私自身でも現代日本医科学での最先端での予防医学の勉強をするようになり私のレッスンにも現代医学からの視点も入れるようになりました。
そういったことを含めて、先月に世界記録を誇る最高齢者を出した健康長寿の町京丹後市を訪問し、この1ヶ月間は今までの全ての学びや実践、自分の感じる日本社会を達観した結果から感じたことは、
人生で本当の宝物とは「健全な心身」の獲得である、という結論に辿り着いたことです。
私自身が何故にこうした仕事をするようになったことは、先ず「好きなこと(笑)」
そして次は「どうして多くの人は、様々な病気に罹り易いか」という原因や理由を医科学的視点でも解明し、それをいち早く理解して知り実践をしたいという2つの理由からでした。
当時はまだ「アメリカがくしゃみをすると、日本は風邪を引く」という言葉が言われていた時代で、アメリカの政財界と日本の政財界とは「どういう関係なのか」ということに興味を持っていて、
そこで私は、2001年の8月に1ヶ月、2003年の秋に2回アメリカを訪問したことがきっかけで一つの大きな確信を得たことでした。
2001年の8月に1ヶ月ちょっとの間滞在して生活したことは、とても重要な経験をしました。
(※帰国後の1週間後の金曜日に9.11が発生しました)
当時はハンバーガーがどこでも99セントで売っていて、その安い割りには多くが敬遠をしていました。
ロサンゼルスのゴールドジムでのフィットネス・セミナーに参加して、まだ日本には紹介されていなかったパワーヨガや、太極拳と気功などとヨガを組み合わせたオリエンタル・エクササイズのフィットネス・セミナーに参加しました。
セミナーが終わると講師に声をかけられて仲良くなりました。
それから講師や一緒にセミナーを受けたメンバーたちとバーベキューパーティーをやるから「どうぞ」と誘われて一緒に参加しました。
そこではゴールドジムの普通のメンバー会員さんたちも一緒で彼らはぶ厚いステーキや、ハンバーグ、ソーセージなど大量に用意されていた肉料理などをバンバンといっぱい食べていましたが、ヨガのインストラクターやオリエンタル・エクササイズでのフィットネス関係者は、そうした肉料理は食べずに野菜類と果物しか手をつけていませんでした。
彼らは「ああした肉料理は食べない方がいい、自分達はあのような料理は絶対に食べない」
そして「君の国の日本料理は本当にいいね、素晴らしいよ。いいかい、アメリカでハンバーガーやホットドッグだけはとにかく止めた方がいい、何の何時の肉だか、判らない。気をつけた方がいいよ」と言ってくれました。
そしていつも宿舎のロビーにいる時に、何だろうと思っていたものでテレビの前にキーボードが並んでいて、いつも人が並んでいて彼等はそこで何をやっているんだろうと思っていて、後に日本にそれがやってきた時にインターネットだったことを知りました。
「胡堅強 Hu jianqiang」老師
そしてフロリダでは、有名な映画「少林寺」での悟空和尚を演じた胡堅強老師のセミナーへ参加して、空いた時間はいつも胡先生が話しをしてくれて楽しかったです。
印象に残ったのは、
「Chengze:成澤、彼を見てみろ」と言われてその方向を見たら、でっかいアメリカンスタイル・メタボの白人少年がセミナー途中で休憩時間ではないのに座り込んでしまいました。
「どうだ」と胡先生に聞かれて、
「どう見ても食べ過ぎで運動不足の身体ですね」と私が答えると、
「そうじゃないんだ」と返され、
「この国に大量にいるああいうスタイルの人間は、彼のように、お金を払って飲食をした結果ああいう身体になって、それから運動して痩せなければということでお金を払ってこういうセミナーへ来て、またそれからお金を払って病院へ行って健康診断を受けて、まだそれからお金を払って痩せるための薬を飲まされるんだ」
「これがアメリカという国のやり方なんだ」と先生が言いました。
私はアメリカで思ったことは「そうなのか・・・」という出来事が非常に多かったことです。
今は2015年、気付けば当時2001年頃にハンバーガーが1個59円なんて時があり、輸入肉が増えて日本でも肉食文化は普通になりました。
同時に2001年当時には日本には少なかった、でっかい身体になってしまうアメリカンスタイル・メタボリック・シンドロームも広まりました。
自分はアメリカでの経験から、とにかく食事には注意して今までにやって来ました。
そして生活習慣病の原因が最新医科学で解明され、食事、運動、睡眠、など全ては生活習慣の質で自分自身の体質が決まる、という事実と、
先月の京丹後市で発表された百寿を迎えた皆さんからの調査結果からまとめられた「健康長寿のひけつ集」の中に、ある「食事編」「運動・習慣編」「いきがい・心編」の内容から考えてみると、
そういうことも含めて、今の現代日本社会の生活の中では、
自分の人生を幸福に感じられるための、本当の宝物であるのは、人間という動物感覚重視で心地良く快適な境地で得られる、食事、運動、睡眠、仕事、その他多くの楽しみや生き甲斐を感じられ、何かをまた自分自身から生み出せるための「健全な心身」を持てることと、
それを常にずっと将来へと継続維持できるライフワークのシステム構築の有無だと思います。