中国武術の道へ入り、33年。初めて中国へ足を降ろし中国大陸で学び始めたのが30年前。

そして、ちょうど15年前の2000年に上海体育学院の恩師、邱丕相老師が来日され馬王堆導引術44式(健身気功 馬王堆導引術の前身)の講義を受け、終了後に養生学と養生功の学びと実践、研究、日本スタイルでの普及活動を勧められ実行に入りました。

そして当時2001年~2002年に健身気功五禽戯が創編、発表され私は上海体育学院の創編チームの皆さんと懇意だったこともあり幾度か上海へ足を運び、発表前に動作を知り、練功を行っていました。

そして健身気功五禽戯がきっかけで五禽戯の研究を進めているうちに安徽省武術隊の兄弟子の賈平さんから安徽省武術協会を通じて、日本人の五禽戯研究者として亳州に紹介を受け、2007年から3度亳州を訪れ、研修と交流活動を行いました。

3度の訪問で本当に多くの私が「医学」のことで、本当に知りたかったことを学び知り、亳州でも参考文献や書籍を頂き、この8年間は本当に有意義な時間であり、これからの私自身の持つ将来の時間に広く大きな展望が拓けました。

そこで今度は日本国内の医科学の研究に取り掛かりました。幸いに知人に某有名医大の元教授があり、そこからの協力でかなり質のいいスタイルで医学知識を学ぶことができました。

そして日本国内の医学の歴史的変遷を知り、明治以降のドイツ医学の導入、戦後は米国式医学システム全般を取り込むことになり、ここ最近はスーパー・コンピューターを用いたデータ分析で日本国内の起こり得る多くの生活習慣病の原因が医科学的に特定されるようになりました。

こうしたプロセスを経て今現在に私の持つ医学的観点で感じるのは、

「医師」といっても同じ人間であり、どのような「医学知識」を持って、人をどのように判断し、アドバイスをするか、というだけになり、

重要なのは「判断結果」とそれが正しく効果があるか、ないかであり、昨今の医学界で大きな問題となっていたのは「判断結果」とそれが正しく効果のないものばかりだったことが医学界への大きな不信を招きました。

(※私自身もこのような存在へなっていったことも大きく関係していると思います)

この今の私たちを取り囲む生活環境の中で、多くの複雑になった健康問題があり、それを解決していく方法としては、

正しい「健康知識」と「医学教養」を身につけること、に尽きると思います。

そこで一番大事なことは先ず「健康知識」と「医学教養」の中で不必要な情報、古くなって今後役立たない知識にも「断、捨、離」が重要です。

(※誰にとっても、ここが一番難しいでしょう)

そのことがうまく功を奏すれば都会を中心に広まる「フード・ホラー」と呼ばれる「この食品が危ない」とかの情報にも振り回されませんし、関東地方にも広まる「ノイローゼ気味」な放射能情報にも全く関心を持たずに済むと思います。

人間には誰しも生まれながらに備わった能力があり、その能力の「力」を身体機能的に向上させ、効果や実感と共に自身への心身に信頼と心強さを兼ね備えることが現代日本社会に横たわる多くの健康問題の自発的な解決の一歩になると感じています。

そこで先ず重要なことでシンプルなものでは、

今の時候「立冬」を迎え、空気が乾燥し始め気温が下がってくる冬の初めの時候で意識的に大事なのは呼吸運動、中でも鼻の息の通りを常に確かめる習慣、私がお薦めするのは鼻呼吸法を行ってからの鼻の洗浄。

(※洗面所で鼻呼吸を行い鼻咽の途中まで水を入れて、それを出すと鼻の古くなった粘膜が取れ洗浄ができます。あるいは霧吹きを片方の鼻に入れ、片方ずつ洗浄する方法がおすすめです。私は朝昼晩、常に行い清清しい鼻喉肺呼吸の実感を重視しています)

これだけでもしっかり行えば1ヵ月半先ほどの冬至頃に流行するインフルエンザ対策や呼吸器障害の可能性を自ずから解消が可能です。

年配の方々のロコモティブ・シンドローム(運動器機能不全)対策には、起居動作(寝る、しゃがむ、立ち上がる)は生活の中でしっかり行うことと、次に背筋を伸ばす意識動作を行うこと、肩関節の稼動粋が小さくならないようによく回し動かすこと、よく歩いて、坂道や階段などの上下昇降運動を怠けないこと、これだけで悪化はなくなると思います。

中高年、若年層も意識すべきは「伝統日本食」に立ち返ること。

その食事内容は「フード」や「餌」ではなく、ビタミン、ミネラルを多く取り、炭水化物と脂質、動物性たんぱく質を偏って多く摂らないこと。

(※強調する理由は主に都会型生活になると、食事がビタミン、ミネラルのある食材が極端に少なく、炭水化物と脂質、動物性たんぱく質を偏って多く摂っている事実になること)

質の高い「健康運動」としての体育を多く行い、発汗作用を促し、血液循環を良好にし、呼吸幅を大きくすること。

(※思いつきや場当たり的で気まぐれな西洋スポーツをする、というものはストレス解消には効果はあると思いますが質の高い身体感覚:体質を作るものからは遠くなります)

やはり1800年前の神医華侘のことばは本質を云っており、

「未病を治す」=病気の可能性は未然に気付き、自ずから解決する(自発体質)

逆説的な表現をしてみれば、

「未病を治せない」=病気の可能性を未然に気付き、防ぐことをしなかったから、病や疾患を発症し自ずからでは解決ができなくなる(依存体質)、といえます。

このことが各自各自に徹底すれば、多くの日本の健康問題は自ずからほとんどが解消できる可能性はたくさんあると思います。