武術演武

二十四節季では「立秋」から半月が経ち「処暑」を迎え、少しずつ暑気が弱まり、徐々に初秋の気配を感じられるようになりました。

昨日の日曜日は、午前は野外太極拳、午後は武術班との全体練習を行いました。

午前は真夏向けの練習スタイルで、もう次回(来週30日は諏訪神社例大祭に参加の為にお休みです)は秋の気配が訪れて、通常練習に戻せるかな、と思っています。

午前、午後とも皆さん活気があって、今後は頼もしい期待感を思いました。

今年は、何かしら節目の年になっている感覚があります。

多くの皆さんが国際情勢での変化を知っている通り、中国政府のトップ習近平政権になってから、中国の国技である中国武術界も運営体制が変わり、

以前は中国武術協会の外事部が国際武術連合会と兼任していたのですが、国際武術連合会は外国人構成の役員人事になり、

中国武術の国際大会も中国武術協会主催と国際武術連合会主催、あるいは共同開催とバリエーションが多くなりました。

私たちはずっと今までの武術の縁があって、中国武術協会の外事部の主催する国際大会での組織委員の団体として提携をして大会運営事業を行っています。

今年は意外な感覚で、予測外だった国際武術連合会でのオリンピック項目化へのロビー活動が奏功して、2020年東京五輪追加項目に選出されて、今期待感を持たれている環境になったことは非常に歓迎しています。

それらのムーブメントを受けて、今年8月上旬に行われたシンガポール国際武術大会を以て、2012年から行ってきた国際武術大会を通じた標準化計画がひと段落ついて、これからは多くの皆さんにもチャンスが生まれてくると思います。

私が武術指導に携わっていた中で途中で感じたことは「日本人の多くは本場の中国武術を知らない」という事実を改めて認識し、

先ず「若い教え子たちには本場の武術界や武術大会を経験させて、交流活動の継続を図りたい」ということでした。

私自身はもう幾度も往来し、本場の武術界は身近ですが、それを次世代にも受け継いでもらいたいこともあって、この4年間は教え子を連れて毎年中国を訪問し、中国側との新しいパイプを繋ぐことができました。

そして昨年から龍身蛇形太極拳を導入し、今年のシンガポール国際武術大会で太極拳の皆さんもチャレンジしました。

今中国武術界では、武術競技界の編成が新しくなり、太極拳では陳式、楊式、呉式、武式、孫式の各伝統太極拳項目となり、

其の他太極拳という項目ができて、そのほかの太極拳は一緒のジャンルになりました。

今までに日本で普及された太極拳は多くが楊式太極拳系列の技法を中心に創編された規定套路で、

私の長き、フィットネスの仕事での現場の経験では「変化が苦手で、マンネリが好きな人以外はあまり喜ばれない」あるいは「運動効果がより確実で、もっと運動量があった方がよい」という直感で、

最初の2年間は導入部門で行い、次に陳式太極拳というパターンで進めていました。

日本国内の太極拳の競技会というのは、評価方法が「判り易い」本場の中国スタイルとはまったく異なり、かなり特殊的で興味も関心も持てませんでした。

そして本場の国際大会を重視するようになり、

2012年の上海の国際大会で、参加された多くの日本人選手の太極拳のレベルを見て、さほど どの人もあまり技能の差のない現実と成績結果での状況から考えて、

「もう少し質のいい太極拳の競技套路がないかな」と感じていたところへ、同大会でも競技会が開催されていた「龍身蛇形太極拳」を、

ちょうど2年前の2013年の8月中旬に観光で来日された、花妙林老師から「龍身蛇形太極拳を是非」と紹介され、昨年は2月の下見で訪問し、研修ツアーを2回行い体得出来ました。

この1年半ぐらいは皆さん本当に熱心に太極拳の練習に打ち込んでいました。

その成果がシンガポール大会では最高点が「9,16」次が「8,8」「8,75」初参加で「8、45」で、ここで既に中国武術段位認定の自選項目での四段合格レベルの得点を取れたことは非常に良かったと思っています。

こうして今までの練習環境と、今回の大会成績から展望すれば大体の国際武術大会での評価対象が判り、関心ある皆さんにとって標準感覚が生まれ確信できることで、

今後の練習活動での目標設定がしやすくなっていくのは、この4年間でのみんなで支えた大きな成果だと実感します。

(※多くの日本の競技会運営では選手、観客が結果を解り易く理解できる本場のレベルや競技ルール、標準技能が未設定状態のままだと思います。)

今後オリンピック・ムーブメントを含めて、ビジネス的普及とか練習環境を意識するよりも、

実技水準での目標での数値設定などを重要視してやってきた、私たちの活動としては大きな成果を得たと思います。

来年2016年はリオ・デジャネイロ五輪を終えて、9月の東京五輪追加項目発表まで、今後のムーブメントへの準備期間になることで、

私たちの計画では、来年はGW期間は研修ツアーを考えていて、武術院の活動では、

フィットネス・スポーツクラブクラスでのレベルアップ化、中国武術段位制項目での進段などでの充実と、伝統華侘五禽戯、龍身蛇形太極拳の普及。

そして武術競技部門では、高難度動作を入れたステップへの移行というように全方位的な「内需拡大」計画になると思います。

毎日見る、日本国内、国際的なニュース報道内容にがっかりするような風潮がある事実を踏まえて、

如何に、そうした多くの大衆が行う愚かなムーブメントをする連中たちを退け、

希望ある未来や、自身への期待感を大事にする皆さんとの連携を大きく図り、

いつしか、世界中の武術仲間たちと提携し、

愚かな人々たちより、賢く明るい人々を武術活動で多く広めて、

戦後80周年を迎える、10年後には実現したいと思っています。