
昨日の日曜日は1日真夏日で午前は野外太極拳、午後は武術班の全体練習日で一日が充実した稽古ができました。
午前はだんだんと陽射しが強くなって来るので、前半に健身気功系の運動、中盤は太極拳の組み合わせ動作練習、後半は各自各自のステップアップ練習を行い、それぞれで水分補給など休憩を入れやすいようにしました。
昨年の今頃の時候を思い出すと太極拳のレベルもかなり上がったので嬉しく思います。
午後は武術班の全体練習で、新しく加わった仲間たちも一緒に基本功、単練、対練、析招と中国武術らしい応用のある練習をしました。
武術隊は先週は一度、強度を上げる訓練を行い、昨日はその効果も出て、跳躍動作にも力がついて跳躍の高い海外勢とも充分に渡り合えると実感しました。
国際大会を幾度も経験していると、この5年間ぐらいでアメリカは元々先行して普及していましたが、ヨーロッパ、東南アジアのレベルアップはめざましいものがあります。
今の武術隊の主力選手たちは、2012年から伝統武術国際競技ルールに合わせて強化をしてきて、今年はかなり質が上がったので、日本国内フィットネス企業での指導を行う、職業プロ・インストラクターの仕事の中でも重要なアトラクションを行う時にも、かなりいい演武ができるようになると思います。
そして今ルーキーとしても大きな力をつけてきた教え子も、これから育っていく若者たちの牽引力となっていく今後は本当にいい活動になっていくと思います。
自分が武術活動をしながら思っていたことは、やはり経験の中で、日本人感覚で本場中国武術スタイルの自然体で確立させようと思っていました。
私は学んだ安徽省武術隊と上海復旦大学武術隊で教わった本場の活気ある武術隊活動を日本人が日本で成立させることを目指してきて、ここで実現してきた実感を思います。
こうして振り返れば、かなりの時間がかかりましたが、伝統的に古代から日本と中国の関係とはそういうものであったように感じます。
例えば稲作を行うのも簡単ではなかっただろうと思うし、鉄器や陶器、書道や仏道文化を導入するのも大変な作業だったと思います。
やはり日本人に大事な感覚は「根気」に尽きると思います。
昨日は教え子たちの練習での行う動作の数々に、とても心地良い充実感を思いました。
振り返るに、自分がただ必死に中国で練習していた時に、いつも明るく老師の皆様の感じていた感覚はきっと同じものなのだろう、と感じました。
安徽省武術隊で興味深かったのは、武術館の周りにいつも練習をレジャー感覚で見に来る人たちがあって、
武術隊は普通に練習をしているのですが、その練習活動そのものが、やはり活気に満ち溢れていて、その空間全体そのものが快い雰囲気に包まれているのが好きでした。
そして日本に帰れば拝金主義者養成ギプスのようなものを皆が皆取り付けられて、利己主義、ご都合主義に大勢が走り、殺伐な空間や人間関係が苦手でした。
その中でも、私はそうした傾向の薄いフィットネス業界で仕事をするようになり同時に自分が好きだった武術隊の「あの空間」を実現したい、と感じてこうしたオリジナルな武術活動を続けてきて良かったと思います。
昨日も練習時の中で私が気付いた所感で、
1945年の終戦後からずっと国交が途絶えて、1978年の日中平和友好条約以後に日本人が中国へ渡り中国武術の修練する人達が出て、今現在のインターネット社会になって「日本国内の武術界は全部が全部、理解ができる時代になった」とお話しました。
こうして振り返れば、時間が経つというのは大事なことで自然淘汰、というのは本当なのだと思います。
今またこれからが若者たちは、新たに力をつけて、私が身につけた能力や教養を受け継いで更に発展していくと思います。
「人のために努力する」というのは、自分が単なる「自分」で終わらず、
また多くの発展になるという、充実感は宝物だと思います。
世界中各地で起こる問題や、欧米化した現代日本社会の問題は、
究極、そうした充実感という宝物を知らない人達が起こすものなのだろう、
そんな実感があります。
そしてこうした些細な努力の積み重ねが自分達の未来なのだろう・・・
そんなことを思います。