私達の活動では医科学的研究をもずっと行ってきた関係で現代日本医科学の視点も大事にしていますが、近来日本でも研究されている骨格筋から分泌されるホルモンでの免疫細胞の強化を行える運動における「マイオカイン理論」ですが、

これは近々、単に我々の行っている活動で重要にして行っている歴史長き「伝統華侘五禽戯の理論」をスポーツ科学的に証明してくれることになると思います。

マイオカイン理論研究をして発表をしている「首都大学東京 人間健康科学研究科 ヘルスプロモーションサイエンス学域」の研究概要

研究室のメインテーマ


「華侘五禽戯 かだ ごきんぎ」における運動理論。

中国安徽省亳州市に伝わり、我々が体得した伝統気功「華侘五禽戯」の練習方法には 原地 活歩 十三式(重要な基本の套路:型)があり、 虎戯 十四式 鹿戯 十式 熊戯 十式 猿戯 十一式 鳥戯 十四式 とあり、全て繋げて行う套路を 五十四式といいます。

華侘五禽戯は 虎 鹿 熊 猿 鳥の五つに分けられ 技ごとに、季節によって弱りやすい肉体的な部分、

春:肝臓:鹿戯

夏:腎臓:虎戯

秋:肺:鳥戯

冬:腎臓:虎

土用:脾臓:季節・季節の合間

をそれぞれの季節の特長に応じて、機能促進を図り、年間を通して良好な身体感覚を活性化し、日々健やかになれる有意識的な作用のある運動スタイルを持っています。

この1800年の歴史ある、中国伝統の心身強化方法である「伝統華侘五禽戯」は 現代人が忘れかけた本能的な動物感覚を甦らせ、

大自然が育む 四季の折々の季節のそれぞれの期間において快い、生命力の息吹きへの気付きと、その尊さと快適さを実感させてくれます。


虎戯:

虎の技を練る時は「猛々しさ」と、眼は口ほどに物をいう、というのは本当で「虎視眈々」とした眼力の発揮をも重視します。

伝統華侘五禽戯 虎戯


五行では水に属し 腎臓付近を刺激する動作を行います。

部分としていく場所では他に、膀胱、前立腺のある下半身の臓器・排泄器官や生殖器官などは冬の寒さからくる冷えによる影響を受け易く、働きが弱いと機能低下を及ぼします。

そのために免疫力を上げていく方法として これらに関係する臓器の活性化を施していくのが目的です。

「骨」につながる組織:手の先端である指先全体の筋肉を締め、目を動かす筋肉から、頸椎:首筋:頚動脈、胸椎全体、腰椎全体、足腰の大動脈の刺激を与えるために股関節を深く折り曲げて、

そして膝関節付近、足首関節周り、アキレス腱、足底筋、足の指先までの全関節を刺激し、

屈伸状態で留まることにより、足腰全体で支えられる抗重力筋を丈夫にする効果があり、左右に行うことで姿勢筋肉が鍛えられます。

身体全身の関節全体を捻る動作で刺激し、身体全身の抗重力筋肉を活性化し、血液循環がよくなり、骨髄の中を通る動脈の流れを活性化することで古い細胞と新しい細胞とが交換され易くなり、体内環境を意識的に行える整調効果があります。

意識して行い活性化を行うべき、季節は冬。 



鹿戯:

鹿の技は「筋:筋肉繊維」全体に意識する動作で構成されています。

伝統華侘五禽戯 鹿戯

五行では 木に属し 肝臓付近を刺激する動作を行います。

意識して行う、季節は春。

冬から来て春は血気が盛んになり、初夏ぐらいまでは心身の働きを全体的に高め易い季節でもあります。

鹿は敏捷性がよくすばしこい動きのできる筋肉をもつ生き物であり、鹿の動きで意識する位置は尾閭付近の尾てい骨全体がよく動かされ作用が高まります。


熊戯:

熊の技は肌肉を強め 脾胃を丈夫にします。

伝統華侘五禽戯 熊戯

五行では 土に属し 脾臓に関係します。

意識して行う、季節は土用(季節ごとの分かれ目)

季節の変わり目はいろいろと慌しく、精神的に疲労も溜まりやすいこともあり、消化器系統の臓器に負担がかかることがあり、

そのために、精神が穏やかでも力強い能力を持つ熊の動きを行うと、

自身で動作を行うことで、腹部周りの胃や脾臓、小腸、大腸を縦横によく回し、消化器系統の内臓付近を刺激し、動作によってマッサージ効果になり、

疲れやすい体が落ち着いて正常に戻り 筋肉のほぐれる感覚が心地良く、内在する気力を増大させられます。


猿戯:

猿の技は 猿の特徴である機智的に素早く動ける反射を司る 脳筋の反応力を鍛えます。

伝統華侘五禽戯 猿戯

五行では 火に属し 意識し活性化させる臓器は心臓であり、血行促進を図るために、自立神経系統を働かせる敏捷な動きで筋肉と関節を反応させ、脳(心)と連動します。

意識して活性化させる季節は夏。

夏は一年間で一番気温が上がり、前半は快適ですが、中盤から後半は暑気の強さや日差しの力が強く、前半は活性化から入り、中盤~後半は暑さからくる集中力の分散や、不快感から逃れ、脳の感覚や反応を快適にすることが目的です。

練功によって習練された脳(心)は不愉快な心地を鎮め 心地良く楽しみを感じられます。


鳥戯:

鳥の技は皮毛(毛穴・皮膚呼吸)を鍛えます。

伝統華侘五禽戯 鳥戯

五行説の金に属し 呼気と吸気を意識した動作で肺の呼吸機能を活性化させられます。

意識して行うべき、季節は秋。

秋は夏から冬へと移行する季節であり、湿度と温度の高い時期から、湿度と温度が下降し、

鼻呼吸、気管支、肺などの呼吸器関連の働きが弱いと負担がかかることもあり、呼吸器強化、体温の上昇を図り、冬を前にして再び身体機能強化を行います。

鳥の中で一番長寿なのは鶴であり、距離感覚に敏感で、食物を自身で収穫して自発的生き方をしている生き物で、動作では翼を広げ 空中を旋回する様子を 動きに多く行います。

鶴は 鍛錬されたような皮膚の如く羽毛を持ち、手足は軽くすばしこく 高く飛び上がる能力に優れています。

鳴き競うことを好み 高いところにおいてでも平衡感覚に秀でていて、

心地よい「和み」の身体感覚を 本能的に理解できている動物です。

鳥戯を修練すれば、肺の機能が改善され 全身においてでは、発汗能力を高め 体温を上昇させ、また胸(胸郭)を広げ 呼気と吸気の流れを有意識的に強化することが出来ます。


実は、最新の医学データから完全に判明したことでは「アメリカン・メタボリックシンドローム」の人は「ロコモティブ・シンドローム」も当然後に改善しなければ必然的に併発するだけであり「ロコモティブ・シンドローム」のみ起こることでの原因は運動しないで、歩くこともしない人が発症し、自身の体を自身の力で支えられなくなって腰膝関節などに痛みを起こすという事実でした。

ですから「歩きなさい」という意味で基準値を図ることから万歩計が作られることになり、

そして現代日本医科学での疫学研究では「運動すると、血糖が下がり、脂肪が減り、筋肉は増え、血圧が下がり、爽快な気分になり、いいことずくめです。これは、運動が有する何らかの情報が生体に働きかけ、細胞→核→遺伝子へと伝達された結果、生じる現象です」といっているのです。

つまりは、簡単に置き換えれば「運動しなければ、(体内流通が図れないので)血糖が上がり、脂肪が増え、筋肉は減り、血圧は上がり、精神状態・気分に悪影響を与え、ダメなことずくめです。これは、運動が有する何らかの情報が生体に働きかけられなくなり、細胞→核→遺伝子へと伝達されない結果、生じる現象」ということです。

(これが判らなくて(正しい事実を知らされず)生活習慣病になり、医学界からクスリ付けにされて洗脳されてしまっている現代日本での多くの社会的現象のことを考えます・・)

私達は質:クオリティの高い体育運動活動を行うことを重視しています。

この五禽戯に加えて、様々な武術項目、太極拳を行えば更なる脳細胞の活性化を行えて、

私達の日頃の活動が将来の日本における健康寿命を快適に延ばし、昔ながらの言葉で言う、いいかたちでの不老長生の実現になると思います。