
イソップ童話にオオカミ少年の話があります。
それは、
羊飼いの少年が、退屈しのぎに「狼が出た!」と嘘をついて騒ぎを起こす。大人たちは騙されて武器を持って出てくるが、徒労に終わる。少年が繰り返し同じ嘘をついたので、本当に狼が現れた時には大人たちは信用せず、誰も助けに来なかった。そして村の羊は全て狼に食べられてしまったという話。
という内容で嘘つきはいずれ誰にも信じてもらえなくなる、という教訓を与えてくれるものです。
現代日本社会での企業や多くの人達に、もう一度声を上げて読ませたいな、と思うことがよくあります。
武術界の中でも正統、といっていても本来のものとはかけ離れたものもたくさん見られますし、
毎日の報道各社の流す情報にも「?」がつくものもたくさんあります。
むしろ多くがそういうものは皆がやっているから、大丈夫という風潮や傾向がありますが、それは誤りです。
私は今年に2月の春節と5月のゴールデン・ウィークに既に2回上海を訪問してきました。
今年は10月にもう一度太極拳と健身気功、馬王堆導引術の研修団を率いて行ってきます。
そうすると「中国は大丈夫ですか!?」とよく聞かれます。
「今までにも問題がないのが普通で、結構安全ですよ」というと「本当ですか~」と大体答えられます。
29年間、毎年中国との往来を続けてきて恩師の先生や友人も多く、いつも多くの学びを得て帰国し、練功を一生懸命に重ねてまた訪中してきたことの連続でした。
食事も美味しいし、刺激を受けてたくさんのひらめきがあって日本に戻るとまた大いにやる気が出てきて当然の毎日が充実しています。
こういった自身の経験からくる事実をお話ししても信じてくれない人、中国へも言ったこともない知らない人が、
日本の報道での情報を得て、私に多くを質問してきます。
それでも「本当~!?」という不信の眼で私を見つめることがあります。
こうしたことを振り返り、ふと思ったことがあります。
「国民は騙されている、オオカミ少年ばかりの世の中になっている」
私は冷静に現代日本社会の構造を分析して考えることをよくします。
ここ数年の間に日本での医学的データを多く集めて、考えてみると、ほとんどの生活習慣病という「病」の理由は「飲食した物」が原因で、
精神的不快感というストレス、睡眠不足、労働や運動不足からくる血行不良で体内で低下するから体温が下がり、血管や内臓で固まるものが「ガン」と呼んでいるだけです。
これだけ判りやすいのに健康不安が消えず、将来への経済的な心配も生まれて、そうした懸念で夜も眠れない、なんて話しをよく聞きます。
企業や学校内、最近は家庭内でも「イジメ」や「嫌がらせ」が横行するのは今に始まったことではなく、
出社拒否、登校拒否、進学や就職がうまくいかずとかでの若者の自殺者が増え、全体では年間3万人を超え、人身事故で電車が止まると更なるストレスを他の人達もまた増産してしまう二重構造。
入院患者数が一番多いのが精神障害で減る傾向がなく、ベッドが足りなくなるために「がん:新生物」の患者を通院に変えさせている、というすごい事実。
女装した男性が街を歩き、母親が子供に危害を加える。
心身の不健康な人間が健康な人間へ不快感を持つ不思議さ。
そんな世の中になっている現代日本社会を私は見続けて、武術活動でできるところから良くなるように努力しています。
そして自分が好きな中国へ「楽しさ」を一緒に共有し、武術や太極拳、健身気功を学びレベルアップして、あるいは国際大会で腕試しをして、日々の練習の成果を発揮して賞を受け取ったりして帰国した後の日本ででもいつも心身がフルに健康で充実した生活を、と案内をするようにしています。
そんな日々での今までの繰り返しをしてきて、全く知らない人から「中国、大丈夫?危なくないですか?」
なんて聞かれ、言うことを信じてもらえず、逆に私が日本を悪く言っている非国民みたいな扱われを受け、
「現代の日本人の多くの精神状態はこの時点で、既に崩れかけているのかも知れない」と思います。
そして不思議に思うのは、多くの日本人たちは自分のことで心配でいっぱいいっぱいなのに「何故に隣国で興味も関心もない、行く予定もない中国に懸念を持つのか」という事実と、
日本は1億2720万人、自民党政権など多くの人が大好きな米国は3億人。合わせても4億2720万人。
日本の26倍の国土を持ち、日米合わせてもその3倍の人口13億5千万人を超え、今年の秋にはGDPが世界一になる中国。
自分は実際に見聞きしたこと、事実から考えられる出来事の連続と統計と確立からすべての物事を分析するようにしています。
戦後69年間が経ち、今世界の構造は変化しています。
この日本の社会構造は「戦後レジーム」という表現をされているもので、多くは年配の皆さんたちと自分達の世代が載せられてきたものです。
若者たちこそ、今大きなチャンスがあって動き出すべきと思っています。
そのこともあって今年は上海の研修ツアーを行いました。
「今まで」と「これから」は違います。
こんな社会を作ってきた先進国グループの「オオカミ少年:オオカミおじさん」たちは国際社会でも不要論が高まっています。
強力なリーダーシップを発揮しているロシアと中国とインドは現在に経済でも軍事力も強く、
アフガンとイラク戦争で経済を破綻させた英米仏の西側先進国グループから嫌われていることが日本国内での報道操作をしているという理由を知ることは大事でしょう。
日本からの観光などで日本円の経済的メリットが中国に行くのが気にいらない、のが真実です。
新しくなった武術界は大きなチャンスがいっぱいある宝の山です。