今現在にインターネットで多くの情報があって調べられる中で「中国武術段位制」についてはほとんど我々からしか情報は発信していないと思いますし、多くがその全貌を知らない状況だと思います。

それらの理由については、日本国内にあるいくつかの組織団体があっても、それらを皆さんの眼に触れないようにしてきた、あるいは意識的に避けてきたということが事実としてあると思います。

その理由については先日行われた「中国武術段位制理論考試」の内容を見れば明らかに誰でも理解できると思いますし、国際資格である武術段位制は「段位新教程」になっていくからです。

今現在「中国武術段位制」を活用して日本人の日本人による、日本人のための、武術を通じた文化発展、健康増進、地域活性化全世代交流を目指して実際の普及活動を行っているのは私達ぐらいだと感じています。

先日香港国際武術大会・中国武術段位制国際考試が行われ、私達はその新しくなった制度に相応しできるかどうか、日本での武術専門学校としてレベルを発揮できるかをみんなで実際の目で確かめたいために参加・出場してきました。

私は2007年の8月に中国の杭州で中国武術段位試験を受け、実技試験と理論筆記試験共に海外人士六段を合格しました。

しかし最終日の認定書授与式の直前に呼び出され「日本のある団体からの依頼の連絡があって、それを受けて私の認定はしばらく見送られる」といわれました。

そして国際武術教練員認定書を頂きましたが、とても不愉快な思いになりました。

(※有難いことに、その後古巣の上海市武術協会で再試験を受けられることになり、無事に「中国武術 六段位」認定を受けられました)


私にとって「中国武術」の道は13歳から始め、いくつかの国内組織も見て、最終的には中国本土の上海体育学院、安徽省武術隊、湖北省武術隊での特訓を現地の武術選手達と共に受けてきて、そしてその後は同じように現地の指導者と同じような仕事を経てここまでやってきました。

選手としては中国の武術隊での一番レベルの高いトップには身体素質的な距離が縮められませんでしたが、省の代表チームの中での中国選手と同等の技術水準には追いつけたと思っています。

北京でも訓練を受けましたが常に背後に政治的目的があることに気付きました。

そうして中国政府のおひざ元である北京という思考の存在を警戒するようになりました。


普通世間一般の日本人なら思うことですが、単独で努力、修練し、本拠地にでも乗り込んでいく。ということは勇気の表れだと感じると思うのですが、そう思わない日本人たちの組織もあるということも知りました。

思うに、その「不愉快な思い」は2つありました。

こうして単独で自分の人生のすべてをかけて費やしてきた力を発揮して、その評価を得るべくしてやってきて、まったく覚えのない理由で中国側からの政治的な理由ではなく、日本の団体からの依頼で私の結果に妨害を受けたこと。

武術協会側にも説明しましたが、その日本の団体が強制的な拘束力や執行力を持つような組織でもなんでもなく、公益法人という立場でしかないのに中国武術協会側には存在が大きなもののように見せていること。

(寄付金の額に関係していることも後に判明しました)

一時は訴訟などにも考えてしまいましたが、やる瀬ない思いを我慢して、気持ちは切り替えて新たなチャレンジを続けてきました。

この系列の団体の方々の思考とやり方には疑問符がつくことが多く、私の同門の武術師兄弟がありオランダに移住してオランダでの競技会を勝ち抜いてオランダ代表で世界選手権大会に出場し活躍していたら、後に役員が来て褒めてくれるのかと思ったらクレームをつけられたことがあります(後にここでも妨害を受けるようになりました)

その他、清廉潔白を重んじる通常の日本人としての思考にはあり得ないことですが、正式な競技会でも恣意的な操作を行うこともこの業界にいれば知られていると思います。

(競技会では指導者と審判員と様々な委員会が同一人物たちで行っていたりすることや、最近では公的な補助金の不正受給が発覚したこともあったりして、そういう意味ではブラック的組織です)

それから6年を経て「中国武術段位制」も今年から正式なシステムとなって新しく起動を始めました。

私たちは既にそのシステムの日本版を完成し、導入しています。

人間は紆余曲折があって、挫折や悔しい思いをしてこそ更に強くなれることを知りました。


私は「想い」を後代に託し、今大会を迎えました。無事に海外人士六段は2人合格点を上回り、そのほか一段~五段まで全体的には良い結果を残せました。

今から思えば「中国武術段位制」が日本で広まり、知られていくことで「困る人たち」が出てくるということが判りました。

(実際は本当に実力のある人たちは評価されるので喜ぶ人たちの方が多くなる事実でもあります)

「中国武術段位制」は2007年でも今回でもそうですが技能試験での「例外や優遇措置は認めない」という特徴があります。

それは最初の高段位を受けてもらう名老武術家の皆さんが後輩でもある協会側の人員の前で武術の「演示」をして「講義」をして、そこから協会側の人員側も「演示」して、それを受けて「講話」をして、そこから始まりました。

つまり全員が自身の持つ武芸の能力と武術的知性を披露し合う、ということが基本原則でスタートしたからです。

日本のいくつかの団体で特に上層部にいる人員にはこれらを避ける傾向にあると思います。

私が実際に知っていることでは、要領よくやって、本来やるべきことをやらないでもポストを得てきたような人たちは同じ精神構造になっているように感じています。

先ず「人のことはとやかく言っても、自身のことにはふれない、茶化す。自身の思いをストレートに言うことはない」「他人に厳しく、自分に甘い」「武芸を見せない」

今回の段位試験の結果はまだこれからですが、ひとつある懸念はまだその日本の組織団体が認定阻止などの妨害をやりかねないことです。

彼等には今までのシステムが使えなくなり、そのことからの収益が下がることを怖れているように見えています。

しかし思うにビジネスならビジネスでやるべきであり、実力があるなら実力を見せるべきです。

そして遺憾に思うのは日本人の団体なら、頑張っている日本人を誰でも奨励し、チャンスを与え、

すべての武術項目の日本国内の発展や繁栄のために仕事をするべきなのです。


今思うことは、またもし妨害を受けたとしても「中国武術段位制」システムはもう我々は全体を掌握し、今回で評価基準の一段~六段レベルの状況を知ったので、

独自の普及発展システムとして、もう完成したので、ここからは大きな強みとなります。

これから先、国際標準を避けていく団体を見て、不自然な形態をとっていくことは身内内では許しあってやっていても日本国民の総意では認めていかないと思います。

日本の国内での本当の中国武術発展は、友好組織とか政治的な面倒な問題を持ち出す組織とは一線を画し、精神的にも健康なみなさんと協力し合ってこれから新しい道を行くのが一番ベストだと実感しています。