芸事の神

私は元々日本武道の出身者でした。ですから道場という場所がとても好きで、そして小さな頃からいつも落ち着く場所というのは神社でもありました。

中国武術を始め、中国思想哲学を深く学び様々な実践を行うようになりました、そして老子の故郷が近くにあり華侘五禽戯を学びに安徽省亳州市も３度訪れ、かの本場の道家思想の地でも学び実践していくうちに日本の伝統の神事の意味が改めて重要に感じられるようになりました。

私はありとあらゆる練習場が好きです、今は屋内の練習場、体育館、野外の練習場、どの練習場にもいる芸事の神の下にコツコツと努力することに生き甲斐と喜びを思います。

現場主義として長く練習場にいると、どのジャンルでもそうですが「芸事の神」というのは各練習場に必ずいます。

今までに多くの人間を見てきましたが、練習場の神に気に入ってもらえない人、というのは結構多いと思います。

逆に練習場にいる「芸事の神」というのは、よく人を見ていて、練習中、グルグルと周り、練習に来る皆さんや、指導にあたる範士にも時折その人たちの近に来てインスピレーションというかたちでアドバイスを送っています。

一人黙々と打ち込んでいるうちに「あっそうだ！」とか「うまくいった」「もうちょっとだ」というのはみんなその神が協力してくれているからです。

そんな芸事の神への、心からの礼に始まり、礼に終わることで、武芸に携わる皆さんを護り、発展へと導いてくれるものです。

最近改めて、そういったことに想いが強くなったように感じます。