今年度から邁進している武術標準化計画、全方位発展計画も順調に進み、これからいい感じで全体にまとまっていけるだろう、という実感が出てきました。

「中国武術」という世界観は広く、日本においてでは映画における空手も融合した実用武術での「カンフー」のイメージ、「中国拳法」という台湾系の広まったモデル、

そして中国大陸での文化大革命以後の主流スタイル、健康太極拳、各スタイルにおいての伝統武術拳種、競技武術、アクション・スター、など様々な世界観が融合してその武術世界全体を構築しています。

有名な「武林是一家」という言葉はそのことをいっています。

ですから、どのスタイルにも「間違い」はなく、それぞれの立場は尊重され相互に畏敬の念を持つべき、と思っています。

1980~1990年代のように、以前には中国と台湾の政治的な対立構造も影響して、武術団体同士でも仲違いを繰り返す時期がありました

日本国内も当然その影響も受けてきました。

しかし21世紀に入り、戦後68年が経ち、世界での武術界の多くは協力し合い相互発展の道へ向かっていくのが一般的になりました。

日本国内において思うと、東京と神奈川(横浜)の2箇所は、都会ということもあり、まだまだ相互発展への道、という方向には向かっていない印象を思います。

この理由については、都会は当然ビジネスライクになり、常に自分たちの方が有利にという展開をすることが関係していると思います。

私は14年前に横浜へ来て、12年前に旗揚げをしました。

やはり東京で行っていたように純粋な気持ちで「武術で元気になる」、というだけの素朴な普及活動を行いました。

横浜の地は自分の性格に合っていて、途中はちょっとメンバー同士内でのトラブルなど起こされたりしたこともありましたが、すぐに問題を明らかにさせて解決し、思ったよりも早くいい感じで活動は安定しました。

(※武術活動の方向性をしっかりすることの重要性をより実感した出来事でした)

その普及活動の中で感じたのは、純粋な気持ちで「誰にでも多くの皆さんにただ武術の魅力を知ってもらいたい」という考え方をする組織はあまりなく、

いつも一組織内のみでの活動に、経済的に有利な方向へと持っていこうとする感覚や、そういったポジション争い、が目立ちました。

(よくある、これをやると結局は全部が全部アウトになる結果になります)

やはり「ジェネレーション・ギャップ」を思います。

私から上の世代は拝金主義者たちが多く、何が何でもお金、というなりふり構わずやる人たちが好きではありませんでした。

組織の中によっては、人は善い方はあるのですが、その組織上に入れば結局優しい顔をしていながらでも、その手助けをすることに意識を本人は知らずともやっているのを見てきました。

人はいろいろな理由を付けて正当化をしますが、最終的に「誰にでも心を広く、受け入れられるか」あるいは「門戸を閉め、一部の人間たちだけで独善的になり、受け入れをしない」

この2つで判ると思います。

私個人の最近の感想では隔世遺伝とでもいいますか、今の20~30代の皆さんは、今や世間によくある携帯電話会社の割引をしますし、更に解約料金を持ちますから移りませんか、とか、

コンビ二エンスストアの隣にコンビエンスストアを作ったり、牛丼屋さんの斜め向かい側に牛丼屋さんをオープンさせたりするような、

従業員たちは誰もハッピーになれないような仕事形態を普通と思っているようなところがあると思います。

私は現代日本社会に横たわる「誰も幸福になれないシステム」が嫌いで、それは一切やりません。

誰もが何とかこの現世でも「遣り甲斐ある生き方、ライフワーク」になれるものを奨励しています。

今の日本の資本主義が傾いているのは誰だって、その理不尽さから気付いているはずです。

私は教え子たちによくいいます。

「横道を歩こう、裏道を歩もう」と、

大勢の人が知られないようなところに本当の道があり、それを大切にする人が少数でもいつも確実にあるから、実は安泰でいられる、という世の中の真実のことです。

武術界は今年度から新たな局面に入りました。

今までの着実な下準備や下積みがこれからどんどんと生かせる時代になりそうです。

武術標準化計画も、そろそろいい感じで安定をしてきました。

長拳はこの中段階あたりで腰を下ろすようにしっかりと確実に練習し、棍術対打をこれから中段階ぐらいに引き上げていきたいと思います。

太極拳は全体的に大きな流れに乗りました、とてもいい感じで私自身も毎日に新鮮な楽しさがあります。

そして武術班では7月あたりには自選項目を完成させて交流会までにいい感じで仕上げたら、また今年も楽しくできると思います。

武術隊競技部は昨年から上げてきたレベルを今年の大会でまた伸ばして、これから続いていく未だ見ぬ皆さんへの牽引力になれたら、またもう一段と成長できると思います。

あと5年~10年経てば、この国のシステムも組織もすべて革新できて、有意義に生まれ変われる素晴らしい時代を招くことのできる可能性があります。

武術界全体の相互発展に繋がるよう今からコツコツと頑張りたいと思います。