今現在スポーツ業界では明後日5月30日(早朝1時)にロシアのサンクトぺテルブルグで行われるIOC総会で2020年のオリンピック項目の8項目を3項目に絞るプレゼンテーションと審議会が行われます。

その中で武術は今現在英国ブックメーカーのランキングでは4位(話題のレスリングの評価結果次第)になっています。

昨年行われた中国でオンパレードで開催された国際武術大会シーズンで私は7月に行われた上海国際武術博覧会にエントリーしました(思えばアントニオ猪木はこの上海国際武術博覧会にやってきて、いろいろ組織委員会にまでオーダーしてきてスケジュール変更までさせて大会を企画しましたが、あの人はあれからどうなったのだろう・・)

上海国際武術博覧会は大会関係者が私の先生や知人が組織して、その海外人員の組織委員をも務めるようになったので、時期出場者があれば行っています。

その大会中で国際武術連合会の役員を務める知人からいろいろとオリンピック項目化への進捗状況やこれからの展開を聞きました。

実は正直なところ中国武術協会はこの10数年間での中国国内の急激な国際化でのありとあらゆる負の側面の問題でもある、「中国人の中国文化離れ」があって、

2008年北京五輪の文化プログラムでのエキシビジョン競技会で短期間で一部分の派閥の作った高難度ルール競技が当然準備不足だったために、大会後猛反省の会議を連発して行って、

中国国内での再普及制度を2011年秋から開始し、その普及制度がいいかたちで認知され、日本では当然知られていませんが本場中国武術界では、結構盛り上がっています。

昨年の大会期間に上海体育学院武術学院の副教授の知人の数人や今や大会総審判員をも務めるまでになった、かつてお世話になった先生からも話を聞きましたら、

「今の武術界は政府の内需拡大政策の推進もあって、国内再普及がいいかたちで進んでいて、国際よりも国内の方がビジネス的にも盛り上がってきていて、仕事がとにかく大変で、オリンピックを扱うにはもっと大変だから2020年だと時間的に間に合わないかも知れないから、2024年でいい、という声が上がっている」と言っていました。

今年になってでは知人に情報収集のためのメールを送っても、あまりの忙しさからか、返事がかなり遅く帰ってきて「地方に1ヶ月指導で行っていて自宅にもその期間帰れなかった」という内容でその忙しさに気を遣うようになりました。

日々の国内外の中国武術界の時事の進行状況を関係者に伝えている関係者用ウェブサイトを教えてもらい、それを毎日見て情報収集をして、関係者に伝えてすぐ活動に活かしています。

今は国際武術連合会のオフィスはスイスのIOCの事務所のある近くに引越し、毎日ロビー活動を行っています。

先週に現在中国武術協会の主席の高小軍さんの発したコメントにはかなり余裕があるようでした。

今現在の日本スポーツ業界は野球とソフトボールが外れ、一度レスリングが外れたことで、かなり必死になっている感じを私は一個人として見ています。

その関係者の皆さんやファンの皆様はやはり残念に思うことがあるので、スポーツ記事にもその気持ちが表れているようです。

私自身も確かに頑張って強い日本人が大会でメダルを取った、という賞賛の気持ちは大いにあります。

しかしながら、私も規模としては小さな組織を運営している責任者の立場や、実質的な合理性というものを理解していると、

発展を考えると、将来性の低いものより、将来性の高いものに、いつも意識は行くようになります。

今回の2020年のオリンピック項目の1枠において、私は確かにいつも連携してやってきた中国武術協会の皆さんと同じように、

「2024年でもいい、質のいい普及や多くの準備のために時間は必要」と思っています。

この横浜での12年間でようやく今いいかたちでまとまってきました。

「2020年」はあくまで今その時期までに「可能性のある子」がいるので、その子のためや普及システムの指導者育成とか、そういう実際の現場を思うと、

もう少し時間が欲しい、と感じます。

私もそうですが「中国武術界は焦っていない」というのが実情でもあります。