春節、旧正月を過ぎて昨日が小正月、元宵節。初めての満月の日でした。

今年から武術部門、太極拳部門にも全教程を統一した内容にして昨日から始めました。

一般教養としても大自然の変化を太陰暦、二十四節季から理解し心身強化方法での知識と実践をしっかり体現・認識が出来て、それを各自のライフスタイルで活かして欲しいと思います。

同時にキチンとした指導者として技能を持てる者の育成にも力を入れていきます。

そのための昨年秋からこの冬にかけて実はこの準備をしながら進めてきました。

その中で参加者に練習中に試行でやっていてもらった内容のことで各自はこの秋冬の練習で自身の武術水準や学識を知ることができたと思います。

日本における今までに普及してきた中国武術全体の水準を考えてみると技能、教養的にバランスがとれていない印象を持ちます。

やはり始まりが趣味の延長線上でやってきた人の集まりで団体や組織を作ってきて運営し、内容はいつも継ぎ足し、継ぎ足しでやってきて、ひずみがもう大きくなり過ぎて全体を一環してまとめられない状況をみて、もう限界だろうと見えています。

人それぞれの興味を持つきっかけは、どんなものでも善しと思っています。

しかし専門教程が趣味の延長というのは世間で通用できない現実があります。

特に日本人は全体的に理想や要求が高いのは歴史的必然なので、各自各自が理想や夢が高くなるのは当然のことです。

しかし実際はどうか、というところで低い妥協というのも見られます。

そこで今までによくありがちな、人には高い要求、自身は甘い妥協という傾向が見られます、それが時折不快に思う「人には厳しく、自分には甘く」という意識が生まれる基になっているのを気づきます。

我々の武術活動は今年から一新して昨日からスタートしました。

そうすることで武術認識には存在しないマンネリや行き詰まりが各自が起こさないよう、人それぞれの持つ武術水準を技能的、学識的にも相互認識して、それぞれのペースで発展・繁栄を目指せるスタイルにしました。これは将来に我々が日本で中国本場と同じ武術学院スタイルへと昇華させていくことのできる第一歩になります。

その基準としては、習得した武術原則を認識するために3つの資質を理解して頂きたいと思います。

先ず中国武術界の一般教養としてあるいは武術知識としている統一している規律における技術標準に照らし合わせて行います。

その3つは「技術元素 動作数量 難度」のバランスが整っていることです。

これは中国武術が他の武道や格闘技と呼ばれるスポーツ競技との共通すること、性質が異なるものとを認識するために大事な教養になります。

そして武術技能は「単練 対打 実戦闘技」です。

これは「単練」は普通一般に普及している套路、いわゆる一人で行う演武形式の型練習で武術基礎動作練習をすることです。

そして「対打」はその武術技能の理由や意味を相互に技を掛け合うことで武術性を実際に体現することです。

「実戦闘技」は短兵、対抗性推手、対拉、散手の練習です。

よく日本で中国武術は使えるか、使えないか、という論争をしていることが見られますが、それは論争することは対して意味がなく、

そういう実践をするか、しないか、だけのことです。

するから偉い、とか、しないから駄目というのではなく現代日本社会的にはその「目的を体得、理解」するか、しないかだけのことです。

動物にも肉食系、草食系と分類されるように人間にもあると思います。

私の個人的武術経験では技能的に肉食系にも草食系にも応対できるのは善いと思っています。

そして学識として「武徳と武術礼儀 中国武術史 武術理論概論」になります。

これは台湾や香港スタイルの武術道場意識でやる方法もありますが、私たちは学術:アカデミックとしての武術を行っているので、これは武術教養として重要です。

よく今までの見てきた経緯で「武術的畏敬」というものを思うことがあります。

例えばよく組織にある事などで「なんであの人が偉いの?」という現象です。

武術界での場合にはそれらは技能的、教養的に「武術的敬意」の持てない人ならそうなることは歴史的必然で起こるのは普通だと思います。

しかし武術では練習の中で正しくやっていれば「武術的畏敬」は自然に発生することだと思います。

これがあれば年配の方々にも畏敬があるし、若年者の中にも畏敬を相互に持つことが出来て理想的な人間関係を構築していくことができます。

私が中国大陸で素晴らしいと感じたのは中国武術界では、どこへ行ってもこの「武術的畏敬」があることでした。

今、私達の活動ではこれらがようやくまとまりつつあるのを嬉しく思い、皆さんに「武術的畏敬」を感じることがよくあります。

それをより具体性を持たせ、皆さんがより大きく発展、繁栄にと繋がる全方位発展計画として頑張りたいと思います。

それらが身に着いた人が多くなればなるこそ、我々が日本での初の武術専門学校運営ができるようになれると実感しています。

世の中はいつでも歴史に残る大事業というのは現在進行形では形が見えないもので、後に時間が経てば経つほど形が見えてくるものです。

時計は右回りに常に回り続けることで時が進みます。

時間が止まった時計のような人や組織は現代日本社会には多く、その仲間を増やそうとするように見える風潮さえ感じますが、

我々は歩みを止めない、時を止めない、いつも回り続け発展していく、

そんな活動をいつまでも行い続けたいと思うのです。