昨日も一日中、武術活動を行いました。午前中の野外太極拳教室も何とか雨も降らずに済み、楽しく行えました。

午後は交流会に向けてみんながそれぞれに頑張っており、とてもいい雰囲気でした。プログラムももう昨年以上の項目のエントリーになったので予定時間いっぱいになってしまったので今の予定項目でやっていきたいと思います。

私自身がやってきた30年間を振り返る武術歴の中で想うことはたくさんあります。その中で良いと思ったことだけを教え、伝え、それぞれに体得してもらえるように練習活動をしてもらっています。

日本における本土の中国武術における普及活動の歴史は実はまだ浅く、1978年の日中平和友好条約以後から初めて交流ができるようになり、1980年前半ぐらいから政府機関に近い文化交流団体からの訪中学習団が最初は24式太極拳などの制定拳などを学ぶことなどから始まりました。

武術項目では、中華人民共和国の国家体育運動委員会が制定し統一したカリキュラムでの初級長拳、甲組長拳ほか各種器械、伝統拳、伝統器械があるのですが、当時これらをきちんと学んだ日本人はほとんど限られた数しかいませんでした。

1984~1990年ぐらいで本場中国へ来ていた短期・長期留学生同士では大体、中国の全国大会会場とか、北京体育学院や上海体育学院などのどこかの体育学院でほとんど何らかのかたちで知遇を得ていて多くの情報交換をしていました。

当時は河南省の少林寺の武術学校も少なくて優れた人は省の武術隊へ昇格するので中国の全国大会で存在は知られることが多いです。

当時の日本では空手経験者や古武道関係者などが台湾や香港で学んだり、台湾や香港から来日された方に学ぶ、という感じが主流でした。

ですから今現在はそのスタイルでの第一世代の習得者の年代は大体70代~80代近くになっていると思います(第二世代が50~60代ぐらいだと思います)

この世代ぐらいの方々はやっぱり情報も少なく、雑誌などから影響を受ける、あるいは雑誌などに登場してその思惑などを発表していました。

この頃は中国と台湾の対立がひどく、多くの面で不仲になっていました。そして超能力ブームみたいなものがあり、神秘性を売り物にしていた人などがいろいろいましたが、やっぱり武術や気功などでも当然に自然淘汰をされたり後にインチキな正体がバレてしまうということが何人かいました。

日本人でのよくある一般学習での特徴は3日~1週間とかの短期間で学んで帰ってきてからじっくりと自身で練功していく、という感じが主流だったと思います。

あるいはその学んできた方に学ぶ、ということがあると思います(あるいは一日講習会とか)

私自身は高校生の時に春休み全部を使って1985年に初訪中して学ぶようになってから、ほぼ毎年にわたり体育学院や武術隊で学び、現地の生徒たちと1ヶ月~1ヵ月半ぐらいに一緒に寄宿舎へ泊り込んで毎日朝からトレーニングをずっとしていました。最近は長く休めないので短い期間になりましたが今でもスタイルとしてこれらを継続しています(いつも本場と一致しておきたいためでした)

途中に伝統武術家の先生にも学べる機会も何回かありました。当時の中国全土の武術隊では伝統武術家が総監督などを担当していて、あるいは各地の伝統武術学んだ人々が各省の専門学校に集まり、その年年のスタンダード・スタイルルールに合わせての武術をトレーニングをして中国の国技である大会へ出て、世に出ていくというものでした。

どちらかといえば日本の相撲界にも似ているかな、とも思います。

そして日本での武術の広まりが途中でおかしくなったことは武術界においてのマスメディアがとても偏向していたことが悪かったことだと感じています。

(・・派とかのレッテル貼りをしては無い者ねだりの批判を繰り返すようなことで相互対立を引き起こし、最終的に業界そのものが大分裂をして少数になり力が弱くなったという今現在の日本の問題そのものです、というよりはこういう輩が日本を駄目にしてきた、というほうがいいと思います)

マスコミというのは普通のものも含めてですが、自分たちの都合の良い方へとただもっていこうという方法をとると、途中で不自然さに多くが気付くもので、そうなると必ず駄目になっていくものです。

日本での武術メディアも当然そうなり、80年代に武術の月刊誌が2つありましたが両方とも潰れてしまいました。

それからは各スタイルがそれぞれの活動を続け今日に至っていると思います。

私自身は今迄にいろいろな方々と接することが多いですが、若い世代や興味のある方には直接に中国へ連れていき日本でいろいろなことを言ってやっているものが中国のものといかに違うか、ということをも伝えるようにしています。

あるいは言われているものが的外れなものが多いことも教えています。

そのために興味を持つ方々が「?」と感じて辞めてしまったり、また新たな洗脳者を少数増やしたぐらいの規模のようです。

今までに日本で武術普及の遅れていた背景はここにあり、これからはむしろ純粋な中国武術のスタイルを広めていくには大きなチャンスだとみんなに伝えています。

何故なら一度退廃してしまった世界というのは多くから見放された結果であり、そういう人達が以後新しい時代に大きな影響力を持つことは有り得ないことが普通だからです。

日本全国にも多くの組織があると思います、今後はこういったホームページやブログ、ありとあらゆるITメディアで調べることが可能なので、経歴:キャリアや持論や雰囲気、考え方のバランス感覚などを見ていけば自ずとその性質が見えてくると思います。

人それぞれに好きなものはあると思います。今現在の中国も中国武術界も大きく変化し多種多様になりました。

私自身の強みとしているのは自分を育んでこれたスタイルを純粋に善しと考えてスタンダード化を果たしてきました、すべてにおいて結果を求められるフィットネス業界でも普及活動を行い、地域密着活動を地道に行ってきました。

そして今迄通りに日本人のライフワークでコツコツと確実な普及活動をみんなで楽しみながらやっていきたいと思います。