
今日は神奈川県内にある刀剣を扱う某所へ訪問しました。
今から5~6年ほど前に箱根の温泉に行った帰りに小田原城内にある博物館でいくつかの日本刀を拝見した時に自分の体内に何かとても大きく響く感覚がありました。
思えばずっと武術の道に深く入り込み中国との往来が多く、一筋だったのでなかなか他に意識を向ける余裕がなかったのかも知れません。
それが小田原城で感じた何かが不思議だったので次は国立博物館へ行きました。
そこでもまた感じるものがあり、ガラスのショーウィンドーに顔をくっつけるようにして刀の先や刃をじっと見てみました。
「やっぱりこれだ」
日本刀のすべてを感じた時に「日本人の魂はこれなんだ」
と思いました。
日本刀は、その刀身、鞘、つば、目には見えないところまでありとあらゆるものすべての匠の魂が込められて完成しているものなのでした。
それからというもの想うことあると博物館へと行くようになりました。
その後神奈川県立博物館へも何度か行きました、最近は「甦る名刀」の展示会にも足を運びました。
先月には靖国神社の遊就館へ行きました。
そこで気付いたのは日本刀を販売していることを知りました。それをずっと見ていて欲しいなぁ、と思うようになりました。
そこで今日は是非とも実際の日本刀を触れてみたくなったので行ってきました。
店内に入ると客はいなくて自分だけでした。
店内をしばらく見入っていると「店主が何かお探しかね」と言うので正直に「日本刀に興味があるんです」と言いました。
「ここは真剣しかないよ」と言いました。
「模擬刀なんてないですよね」と私が聞いたところ、
「あんなものは俺から言わせりゃ日本刀じゃない」
「これらを見てみろ、本物こそが日本刀なんだ。それ意外は刀ではない」
「模擬刀なんてものはみんな工場で作っているんだ、それに鋼じゃないからな」
「刃のない刀を握ったところで何も感じることなどありゃしない」
「まぁ今の時代、最初のうちはいいのかも知れんな、真剣では自分で指を落とすかも知れんからな・・」
「日本はな、日本刀を扱えてこその武道なんだ」
「気にいらねぇが この先に一軒ふざけた店があるが行ってみな・・」
「ありがとうございました、また今度お邪魔しますがよろしくお願いします」
「おぅ」
何か、とても不思議な共感を感じたと同時に店主の誇りを実感しました。
「やっぱりそうなんだな・・」
他にもいろいろと銃刀法でのお話を聞いたり、日本の歴史での刀の意味合いとか面白い話を聞かせてもらえました。
次回行く時にはもう少し習練してから、またお伺いしよう、そう思いました。
そしてもう一軒のお店は武道具用品店でした、店内は竹刀がたくさん詰まれていて従業員全員がとても忙しくしていました。
そうかもう4月から中学校では武道が義務教育になるんだな・・
店内には剣道の防具や面が並んでいて、何かとても懐かしく感じていろいろと手にとって見ました。
そして居合い刀があったので店内で少し振ってみました。
おおまだ少し感覚って覚えているもんだな、と思いました。
私は小学1年~6年生まで剣道少年でしたが、中学生になって中国武術へ転向しました。
今になって多くを振り返ってみると、確かにあの頃はもっと自由自在に身体をコントロールできるようになりたい、老武術家に憧れて「自分が年配になってもあのような姿になりたい」そう思っていました。
「あれからそうか30年が経とうとしているのか・・」
居合い刀でいろいろと技を試してみたところ、先ほどの店主の言葉を思い出しました。
居合い刀を納めて、また少し店内を回ってからちょっとした買い物をしてからお店を出ました。
「確かに、店主の言葉は正しい・・しかし今の自分にはまだあの日本刀そのものに相応しいとはいえないかも知れない・・」
「でもこのような武道具店も安全なものとして必要だ、自分の武術普及もそうなのではないか・・」
「いや、しかし本来武道とは誰にでもと人に知らしめるものでもなかったはずだ・・」
思い出した店主の言葉で「今このように日本刀が○○十万円程度で入手できるなんて、いい時代になったもんだ。かつてなら○○百万円はする」
「いいかい、日本人は日本刀なんだ、店内を指差してこれらを見てごらん、本物の刀がこの日本の歴史を作っては護ってきたんだ・・」
今日はある意味で大きな発見と店主にアドバイスを頂きました。
まだまだ私も、修練と精進をしていかねば・・