リクエストがありましたので、少し記しておきます。
先ず「長拳」という名称ですが、
基本的には分類として「伝統長拳」「現代長拳」「競技長拳」と三つに分けておきます。
(太極拳界での「長拳」としてはニーズがきっとなさそうなのでここでは省きます)
「伝統長拳」としてでは「長:たけている」という意(反対の意は短打:伝統蟷螂拳や八極拳、翻子拳などに見られる技法です)で
長く大きくからだを用いて使う拳術としての少林拳各種や、
系統的にはその流れを汲む華拳、回教の拳術の査拳、
北京など東北地方で広まる花拳や劈掛拳や通臂拳を含むこともあります。
「現代長拳」を指すのは、中国内戦を経て
中国共産党の主導による1949年の「中華人民共和国」建国以後
1956年以降 国家体育運動委員会による「修正主義」批判、完璧主義の強要による中で
「現代京劇化」の要望で武術項目をスポーツ競技的な発展を目指して制定をしてきた経緯があります。
(初級長拳1・2・3路 甲組 乙組長拳 24式太極拳 88式 48式など)
「競技長拳:武術競技」は、
70年代、80年代、90年代、
2000年以降と分けるようにした方が良いでしょう。
(私が師と仰ぐ先生方は60~70年代、武術家として比武としての意識を持った名士でした)
今現在の「武術競技」に求められるのは
接地、関節、跳躍、回転力を高く導くための中心軸の維持力に重点を置いた訓練方法で、
更に「舞」としての演技表現力になっています。
私が指導していく中で重点を置いているのは「伝統長拳」の延長上で、
人それぞれの状況や要望において、
体を壊すようなことのない上、無理なくその日その時に応じて考えています。
先ず参加して「練功」をする方々のライフワークでの自己意識の中で「どのような功夫」を身につけたいか、ということを確立することが大事で、
それを その日・その時々で「何を今行う」のかを自分自身の責任を持ってから行うことが大事です
(ですから、現代的には その人が求めていないようなことはすべき・させるべきではない方がよいかな、とも思っています)
ですから、本人が その日・その時々に行った後、次の日以降の身体的影響を考えて申請して頂ければと感じています。
現代長拳の強化方法として、挙げられるのは、
「拳・掌・鉤手は鋭敏な瞬発力」
「腿法としては同じく、相手に打撃を与えるために的確な場所へ適切に爆発力・維持する力・制御力」
中でも大事なのは「関節」のしなやかさ、維持、四肢百骸における応用力でしょう。
武術運動で大事なのは、
言動・実践・効能と結果一致です。
練功は慌ててはいけません。
時間は全ての万物に平等です、その時間を自分の味方にするには「継続」のみです。
「継続は力なり」「力がつくからこそ、継続」になるのです。
1分の維持力から、2分、そして10分と集中力。1時間の制御力をだんだんと高めて
1年間の意志の力。10年間の継続力。100年間の人間力でしょう。
私は、このように考えています。