今からちょうど20年前 大学生の頃に、一度自分は一人暮らしを始め 

学校では近代文学を専攻していました。


武術の練習以外で好きだったのは日本文学作品を読むことでした。


当時の自分に大きな影響を与えた作品がいくつかありますが、

明治の文豪 森鴎外の作品が好きでした。


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森鴎外 「青年」より


生きる。生活する。

答は簡単である。しかしその内容は簡単どころではない。

一体日本人は生きるということを知っているだろうか。

小学校の門を潜(くぐ)ってからというものは、一生懸命にこの学校時代を駈け抜けようとする。

その先きには生活があると思うのである。

学校というものを離れて職業にあり附くと、その職業を為(な)し遂げてしまおうとする。

その先きには生活があると思うのである。

そしてその先には生活はないのである。


現在は過去と未来との間に劃(かく)した一線である。

この線の上に生活がなくては、生活はどこにもないのである。

そこで己は何をしている。

(略)

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この文章に触れてから 自分の考え方はかなり変わりました。

こうして、常に思考する習慣がついたのだと思います。


「そこで己は何をしている。」

これが今でも、いつも自分の中にあり、今できるベストを尽くすこと。

そういった姿勢へと繋がってきたことに気付きました。