気功について

気功は人体科学と医学における研究の中で編み出された肉体のための「精華」のある運動手段です。

近頃では「デトックス:毒素排出運動」とも呼ばれますが、今より遥か以前に

古代中国ではすでに、人間の身体と自然との関係を研究し尽くし、

日常生活の中で人体に「悪影響」を与えるような要素を取り除き身体生命のはたらきを向上させることを行っていました。

かつて気功は”導引”行気””坐忘”と呼ばれ、

その種類は非常に膨大な数になるといいます。

日常生活では「気付かなくなる」事によって希薄な人間関係がつくられ、

身体の事を忘れ時に’無関心’や’無気力’の原因を生み出すことがあります。

ここで自分自身の「気力」を高める為に気功は創出されました。


”気”「Ki」「Qi」を英語では「Vital energy」と訳します。つまり生体エネルギーとも言い換えられます。

自分の気持ちの”気”「生体エネルギーを」向上させる為の”功”「はたらき・わざ」をするのが「気功」です。

様々な気功があるのは時代とともにその「はたらき」は移り変わり、そして編み出されていく行程があるからなのです。


気功の運動はすぐれた有酸素運動であり、

身体と気持ちを必ず良い方向へ向かわせる事ができます。
     
元々の”気”を甦らせる、これが「原気=元気」の語源ともいいます。


その「気」を得た「血液」を「気血」と呼び、

現代の医科学的に言い直せば、肺で得た「酸素」が心臓に送られ、

心臓で血液中成分の赤血球に混じりヘモグロビンと結びついて血液の流れと共に全身に送られていき、

停滞しがちで「ドロドロ」になりがちな血液の流れをスムーズに「サラサラ」にすると、

体全身に血行促進に役立ち体が軽く感じられ、

結果的に「大脳」のはたらきが非常に良くなる、ということをいいます。

こころとからだのために「良い”気”」を取り入れて元気に毎日を送りたいものです。


私は 気功の「五禽戯」「八段錦」「養生導引操」をおすすめします。

歴史の古い少林寺の武術では

身体能力の向上・回復をめざす「易筋経」、タフな精神力を高める訓練「洗髄経」などの気功があります。

その易筋経十二段錦からは武八段錦に変化し、

そこから現在広く行われている「健康のための運動」として「健身気功・八段錦」になりました。
 
そして気功の中で更に有名なものは「五禽戯」があります。

五禽戯の起源は古代紀元前までに遡るといいます。当時の中国大陸では大河が多く氾濫し、

湿気が立ちこめ、たくさんの人がリューマチなどの症状に悩み、苦しんでいたことがあったようです。

そのような症状を、動物の動きを模倣しあたかも「舞うような身体の動かし方」で治したといいます。

これらのような例は更に中国各地であり、

中国湖南省の長沙で1973年に馬王堆三号漢墓から出土された

44体の布に描かれた「馬王堆導引図」に動物模倣による健康法の記録がありました。

ここには「龍が登る」とか「熊の動き」や「内臓の刺激方法」などが記されています。


これらはすべて共通することは動物の動きを模倣する、身体の動かし方や体操であり、


中には後の武術の「象形拳」のルーツであるものや

太極拳の技法などに応用されたと思われるような動きもあります。

これらも多くの流派がありますが、

総じて動物の動きを模倣し導引術としての操体法としては筋肉や骨格を矯正し、

血液の流れを向上させ快活な精神状態を得られます。
          
こうすることで「病は気から」のことば通り、


病のもとになりそうな要素を取り除くことで未病を防ぎ

健康と長生きのための手段・方法として活かされています。

そして「養生導引操」は私が2001年の夏に、

アメリカに行き、当時流行っていたオリエンタルプログラムをヒントに組み立ててトレーニングジャーナルにおいて、まとめて発表しました。

これらの気功や導引術の動作をアレンジし、わかりやすくした「気功」の健康体操です。

これらは仕事で、多くのスポーツクラブにおいて指導し、ありがたいことに、たくさんの皆様に好評を頂いています。


これからはこれをもっと広めていきたいと思っています。