技術者倫理と管理者倫理(2019年7月11日初稿)(2020年7月13日編集) 

新世代の技術者倫理と管理者倫理について前回まとめましたが、企業や研究所に於ける行動指針や行動規範を充実させるだけでは不十分と考え、新制度を考えてみました。

[1]倫理規定が守られなかった過去(主なもの)

●スペースシャトル事故の場合(米国)

燃料タンクのゴムシールは、温度が低いと固くなり液体燃料に対するパッキング機能が低くなる為、気温の低い時間帯に打ち上げるのはまずい事を技術者は分かっており、打ち上げ時間の変更を求めたが、上司は経営的判断で変更しなかった。打ち上げられたシャトルは、心配された通り高圧燃料が漏れ出し発火、爆発事故を起こしてしまった。(クルー全員が死亡)

●ベル研究所の高温超伝導論文がねつ造であったこと

●ES細胞論文がねつ造であったこと(韓国)

●日本の場合

・耐震偽装問題

・STAP細胞論文捏造問題

・新幹線や自動車車体の金属材料検査基準や検査証偽造・捏造・改ざん問題etc

●これからの課題

・サイバーセキュリティー問題

・ゲノム編集問題(DNA)

 人体への適応(医療)、動植物への適応(食物の生産性向上)

・宇宙開発問題

[2]日本の倫理規定 

平成26年文部科学省発行ガイドライン

放送大学:新しい時代の技術者倫理より)  

 

 

[3]倫理教育改革案

技術者のみならず管理者、経営者、更には政治家、国の指導者も当然遵守すべき重要事項である事から次のような制度改革を提案します。

(大学教育~企業・研究所・政治家教育)

[4]検査機関創設案

検査機関を設ける必要が有るのは、科学技術者の問題だけでなく研究・開発部門の管理者や経営者の問題が大きいと考えるからです。担当技術者が問題を告発(内部告発)したくてもどこえ行ったらいいか分からないし、ヘタをすると自分の将来が駄目になる危険性があるからです。銀行の検査部門同様、企業や研究開発部門への倫理検査をする専門部署(独立検査機関)の創設が急務と考えます。

 以上、高田白道

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