2019年から2020年前半にかけて体験したバレエ学校受験では、留学に関して、千差万別というか、百人百様なので、前例を参考にするのは難しいと感じました。
今年はコロナの影響で、多くのオーディションがオンラインやビデオ受験に変更になっているようですね。またコンクールもスカラシップクラスはオンラインだったり、様々な制約もあるようです。でも、そのことでチャンスに恵まれる場合もあるかも。
コンクールにあまり参加しない学校が参加したり、希望校の短期や現地試験に行けなくても、長期を視野に審査してもらえる可能性高いのでは。逆にこの状況は、日本中、そしてほぼ世界中(?)等しく同じなので、この機会に、より多くの人が同じようにチャンスを得られるようになれば・・・と思います。
そんな前例のない状況が続き、過去の例が参考にならないのはバレエ留学もまた然りで、あくまで一個人のケースとして、費用面については、もしかしたら少しぐらい目安になることもあるかな~と思い、少し情報を共有させていただこうと思います。
【費用と方法から見た受験パターン】
留学に向けて色々検討されてきた方は私よりよくご存じかと思うのですが、2019年~2020年にかけてのバレエ受験では、自費留学を検討する場合、費用と受験の方法から見て次のようなパターンだと思われました。
①【ダイレクトエントリー(ビデオ、または日本オーディション)】にかかる費用
日本国内でのオーディションやビデオ審査費用/ビデオ撮影や応募経費
②【現地受験(オーディション・面接・筆記など)】にかかる費用
現地オーディション参加費+そのほか応募経費 +旅費(+サポート費用)
※現地受験が一発勝負の場合と、2次試験の場合があります。
2次試験の場合は、①の費用にプラスして②となることが多いはずです。
③【短期留学やサマーコース中に合否判定を受ける】にかかる費用
旅費(+経費+サポート費用)〈+α〉
※旅費は、コンクールやワークショップの事務局によって、または個人の選択によって自分で手配するか、ツアーに参加したり代理店に頼むか、で変わると思います。参加期間中にオーディションを受ける場合に費用が発生するかどうかも、ケースバイケースのようです。
〈+α〉についてですが、短期やサマーコース参加費用の意味です。まずその費用がかかりますが、コンクールやワークショップで参加費免除のスカラーシップを頂いた方なら、不要ですよね。半額免除とかもあり、ここにかかる費用、千差万別だと思われます。
周りの例では、年齢が高い場合に①が多く、年齢が低い場合に③が多かったです。
費用面は、どれが一番かかるとは一概には言えないと思いますが、ウチのように予算に限りがある場合、どう組み合わせるか、を真剣に考える必要がありました。
https://ameblo.jp/yokohama2013fuki/entry-12577027066.html
【受験パターンについて】
これは向き不向きとかは言ってられないと思います。一般受験なら、推薦向き、とか、一般受験向きというのがあるかなとは思いますが、バレエ学校はそこまでの選択肢がないし、まずは留学の目的によって希望校が変わってくると思います。
その上で、家庭の状況や本人の状況から、受けられるパターンがある程度絞られていくと思います。
①は、いきなりの長期留学を前提としていて、ある程度年齢が高めであれば、精神面の成長が進む一方、行き先と準備に掛けられる時間が限られてくるので、いきなり長期留学という選択が少なからずあります。
③は、時間もお金もかかるので、自費の場合では長期の行先を考える余裕がある場合になると思うので、必然的に年齢が低めで留学を検討する場合は、第1歩となるのでは。
年齢が高くても、長期留学の審査として参加必須の学校もあり、その場合は③の短期やサマーに参加することになります。確認した中ではカナダナショナルバレエスクール、またアメリカの学校の多くが、このシステムをとってきたようです。
②の現地受験については、学校や国、コースによって、最終的に現地での正式な試験が必須な場合があります。聞いた範囲では、フランス国公立、ドイツ国公立、イギリス、カナダ、豪州のいくつかはそうでした。
しばらくはコロナのせいで、このパターンに踏み切るのはハードルが高いと思います。例年以上に時間と労力(多分費用も)を掛けないとムリなので、「ここ」という学校が決まっていて、そこが現地受験しか受け付けていない場合に限ってかなと思います。
コロナの影響で、ビデオによる最終選考は認めなかった学校がビデオ受験やオンラインオーディションになるというケースがあるようですし、留学だけを念頭に置くなら、チャンスが広がるといいと思います。!(^^)!
【留学までに掛かった費用・・・ウチの場合】
うちの場合、結果として受験パターンでいうと、①+②の費用が掛かりました。
予定ではダイレクトエントリーで、ビデオ受験や日本オーディションで合否がすぐ出る学校に合格できれば②は掛からずに済んだのですが。
上のリンクにある、2月頃のブログに書いていたのが①までの費用で、当時、120万円かかった、と掲載しています。
この直後に、現地オーディションを受けることを決断し、その旅費もかかったというわけです。
なので、150万円を軽く超えたはず・・・ と思います。
コロナの影響をほぼ受けずに行けた、ぎりぎりのタイミングでしたが、様々な変更や、渡航後に帰国のフライトスケジュールの変更が生じたりして、日々その対応にいっぱいいっぱいで、細かい費用の振り返りをしないまま今に至ります。
が、現地オーディションを受けた学校は、不合格。その後に別の学校で合格を頂きました。
本来、②現地オーディションは、なしで済ませたかった選択肢ですが、結果としては、一言では言えない貴重な体験となりました。初めての現地オーディションもそうだし、ヨーロッパの街がじわじわコロナの影響を受け始めていて、色々な状況変化に対しては、落ち着いて機敏に対応するしかないという現実。アジアからの入国者はコロナで敬遠されるかもという覚悟で出発したところが、実はヨーロッパの都市に感染が拡大している状況が日々明らかになっていく・・・そんな時期でした。
でも、この体験をしなかったら、今の本人はなかったんじゃないかな、という気がします。
現地オーディションは落ちたのだし、別の学校はダイレクトエントリーなので、もちろん直接関係しているわけではないけど、その経験を通して本人の留学への覚悟や意思が固まったので、結果として別の学校の合格につながった気がします。
【イギリスへのバレエ留学と費用の考え方】
イギリスのバレエ留学は費用がかかる・・・よくそう言われる話とともに、話題にのぼる数字があるのですが、ご存じですか?『ロイヤルバレエ学校の学費400万円』。 一種の都市伝説のようなものかと思っていました。だって、ドイツやフランスはそんなに高くない、らしいし・・・同じヨーロッパなのに???。
でも、この金額が、ほぼほぼ現実。実際は為替レートによっても変動しますがー。ほかの学校は年間の学費が150万~250万円くらいになるかと思います。
ロイヤルの学費は寮費を含んだものですが、ほかの学校は住居費や生活費が別にかかるので、結果としてざっくりこういう感じの相場感を念頭に置いて、大きく外れてはいないかと思われます。
イギリスの場合、16歳以上が入学対象となっていて、正規に外国人学生を受け入れている舞踊教育の高等教育機関が、十指に余らない程度の数、存在していると思いますが、学費は大体似たり寄ったりです。
目的や、年齢によって、行先の学校や得られる資格は変わります。が、大体のバレエや舞踊の学校で、高等学校終了資格を得られたり、少し対象年齢が高い学校だと、短大や大学と提携して、舞踊の教育を修了したり、さらに追加して学科単位を取得することで、卒業認定が受けられるような仕組みになっているようです。
(日本のバレエを専門とするいくつかの高等学校は、他の私立高校や通信高校と提携して高校卒業できる仕組みを作っていることが多いです。新国立劇場の研修所も。そんな感じの提携なのかな?)
地方都市と比べてロンドンだと費用が跳ね上がりますが、多くの学校がロンドンにあり、バレエや舞踊の専門教育を受けられ、高校・専門学校・短大レベルの卒業資格を得られます。
娘もそういった学校の一つに進学しました。 イギリスのこういった学校は、短期や研修コースもあるけれど、入学から卒業が前提になる場合が多く、こうなると海外進学というのが近い気がします。
ダンサーでもちゃんと教育と学歴を持つという意味でもあり、また現役引退後の将来やダンサーにならなかった場合にも、それをベースに将来設計できる教育を目指しているということかなと想像します。
ちなみに、ある保険相談のサイトで、文科省のデータをもとにまとめているのですが、それによると幼稚園から大学まですべて国公立に通った場合は791万250円、すべて私立だと2229万5479円。
その差額は1438万5229円になります。
この差額を3で割ると、479万5076円、2で割ると719万2614円です。今後、2年あるいは3年、イギリスで学校に通うと掛かる費用は、ちょうどこの規模と予測しています。
だから敢えて比較するなら、『幼稚園から大学まで私立に通った場合』と、『保育園から高校まで公立に通いで2~3年イギリスにバレエ留学』は、費用的にはほぼ同等、ということになります。
そして、バレエ留学でも申し込める奨学金や学生ローン、留学ローンなどもあります。
海外にバレエ留学、というと、私の中では「14,5歳の若いバレリーナ」を思い浮かべる気がします。娘の場合は、海外の専門学校に進学、というのがやはりピンとくるイメージかな~と思います。ダンサーを目指す場合もそうでない場合も、将来の基盤となるよう、手に職をつけてきてほしい、という欲目もありますが。
この学費の持つ意味、親としては色々考えました。
「娘のバレエに」そこまで掛けるか!?というところが一つ。
バレエは、才能があれば、スカラーシップなどのチャンスがやってくるわけで、それがもらえないレベルだったら留学してもしょうがない、という話も結構聞きました。ウチはスカラーシップなどとは無縁ですから、娘にも親にも耳が痛い話です。また、私の発想として、"お金のかかる遊学”はありえませんし。
色々深く考えるべき問題があり、この話、結論はありません。
とりあえず、私としては、教育費は惜しまないから好きなようにやってらっしゃい、とまで寛容ではないので、地に足を付けて、将来をしっかり考えながら、一日一日を大切に過ごしてほしいと思っています。
親心としては、とにかく体には気を付けてという一点。
元気でいてさえくれれば・・・という甘々なダメ母ですが。