やっぱりハードな黒戸尾根と、居心地の良い七丈小屋
▲黒戸尾根の鎖場の一つ
【登山ログ】
久しぶりに南アルプスの甲斐駒ヶ岳、ずっと行ってみたかった黒戸尾根にチャレンジしてきました!甲斐駒ヶ岳は5年前に一度登っているのですが、立ち姿の美しい岩場もたくさんある大好きな山の一つです。行程は2日間。1日目は七丈小屋に泊まり、2日目は甲斐駒ヶ岳を登頂し、北沢峠に下りるプランです。
朝4時、東京を出発して、車で竹宇駒ヶ岳神社の駐車場にやってきました。台風が行ったばかりで、天気は微妙です。つい先ほどまで雨が降っていたのか周囲は濡れていました。
朝の7時に登山を開始しました。尾白川の散策路に入り歩いていると、竹宇駒ヶ岳神社があります。雨に濡れた鬱蒼とした森の中にある神社は静かな佇まい。登山の無事を祈って、神社横の道を進んで行くと深い緑の中に吊り橋が見えてきました。名水百選の看板と、神様の碑のある横にあるちょっと古めかしい吊り橋。ここを渡って山に入っていきます。
最初は、道のりに大きな変化はなく、高い木々に覆われた樹林帯をひたすら2時間登り続けます。飽きちゃうほど長い長い単調な道のりでした。黒戸尾根は古い登山道で礼拝の道。そのため道の至る所に神様を祀る碑が建てられて、今でも丁重に扱われているのがわかります。
八丁登りと言われる場所あたりに差し掛かります。木の根が絡み合う登山道をひたすらに登っていきます。八丁登りを超えて、木々の隙間から見える崖や山肌に結構登ってきたと感じたところで『刃渡り』の岩場が姿を表します。大きな岩の壁が圧倒的な迫力を持って目の前に立ちふさがります。岩をよじのぼり、鎖に手をかけてまず最初の壁を超えます。岩に沿うように刃渡りをしばらく進んでいきます。多少切れ落ちていますが、慎重に歩けば危なくはありません。
刃渡りを無事に終えると、道はしばらく樹林帯に入り、そのあとは梯子をいくつか登り、12時近くに『刀利天狗』の社に着きました。ここで休憩して、行動食のランチを食べました。
再び登り始めますが、五合目までは一旦くだり坂。坂を下りきると、「五合目小屋跡」に到着。岩の下に神様を祀るお社があり、その右側奥に、見るからに長い登りの梯子がかかっています。ここからは梯子や鎖の急登の連続で、健脚が試されます。
途中に小さな谷があり、梯子の橋がかかっています。途中ツルツルの岩に長い鎖がかかった垂直の岩場に出ます。高さ3mぐらいですが、鎖と岩の間に足をいれれば登ることができました。
しばらくして、ようやく七丈小屋が木立の中から姿を現しました。13時半、本日の宿に到着です。ここまで6時間ほどでした。小屋は1泊2食8200円。麓のカフェで作られているジンジャーエールと、黒戸尾根のカッコイイ手ぬぐいを購入しました。七丈小屋の中は、南アルプスの山小屋ぽいこじんまりとした、可愛らしい清潔感のある作りでした。一階は食事のスペースになっていて、夕食時間までは自由に使えます。寝る場所は2階で、大部屋に雑魚寝になります。夕食は、カレーとエビフライとサラダと品数いっぱいで豪華でした。
この日は、山の医療ボランティアの方々、七丈小屋で、医療の講習会をして下さいました。高山病のメカニズムと、低体温症のお話や回避方法、足がつった時の治し方など…。登山客の人や医療ボランティアの人とお話をしているうちに夜も更け、消灯時間になりました。
【登山フォト】
▲駐車場に登山届けを出すポストがあります。
▲竹宇駒ヶ岳神社
▲吊橋があります。ここを渡ると登山道へ
▲名水百選。綺麗な尾白川の水
▲樹林帯をひたすら登ります
▲霞がかった森に射す薄陽がきれい
▲信仰の道のため、登山道の至るところに神様の石碑があります
▲黒戸尾根の最初は樹林帯が延々に続きます…飽きてきます
▲八丁登り
▲刃渡りの岩場。迫力ある!
▲刃渡りの足元はこんな感じ。すぐ横は切れて落ちていますので、慎重に進みます。
▲険しい岩場を乗り切った後は、和やかな道でつかぬ間の休憩。
▲梯子が連続してかかっていますので、頑張って登っていきます
▲長い鎖場も
▲鎖を登り終えたところ。碑石がまるで岩を支えるように置かれていました。
▲『刀利天狗』の社
▲黒戸山を巻いて行くため、しばらくは穏やかな道が続きます。
▲雲に覆われた行く先。幻想的で綺麗。
▲「五合目小屋跡」
▲岩の横を登っていきます。
▲何度目かの梯子。もう数えられない…
▲橋を渡るとその先に梯子の登りがあります。
▲これまた急な長い梯子。ほぼ垂直です。
▲写真で見るとどうやって登るのかと思いますが、足をかける場所はあって登れます
▲七丈小屋に到着
▲ジンジャーエールと手ぬぐい
▲小屋の食堂兼談話室
▲七丈小屋は2つ構成で、受付がある方が第一小屋。こちらが第二小屋。
▲夕食は野菜サラダ、マカロニサラダ、エビフライ、ソーセージ、カレー