
アンデルセンの美しい童話「雪の女王」の最後の場面では
ゼルダが氷の世界に閉じ込められているカイを見つけ出し
二人が家に戻った時
いつしか季節は初夏になっており
また二人は大人になっていて
ベランダには薔薇が咲き乱れていました。
薔薇は花咲きまた散るものを
いつかは会わん、幼子イエスに
という讃美歌がどこからか聞こえていました。
この美しい場面が
わたしの胸に焼き付いています。
氷に閉ざされた雪の世界は愛のない世界の象徴で
二人が戻った春の世界は
愛と生命にあふれた世界の象徴なんだと思います。
雪の女王の愛(のように見えるもの)は執着であり
自分のためのエゴイスティックな愛であって
本当の愛ではありません。
だから雪の世界はあんなに寒くて冷たいのです。
ゼルダの愛がカイの心の中の氷のかけらを溶かして
家に連れ戻すと
そこは春の美しく 暖かく 生命の喜びに溢れる世界でした。
雪の世界になくて
二人が戻った世界にあるもの
温度 光 お花 微笑み 触れあい など・・・
これらの正体はすべて愛です。
愛だけが この美しい世界を創っているものなのです。