まぶたが閉じる、というとき、
それは命あるものの最期を連想させる。
二度と開くことはない、一度限りの動きである。

しかしふだん、人や動物が眠りに落ちるときのまぶたの動きは、これとはまたちがう。

うとうとうと
あるいは、目をしょぼしょぼさせるまぶたは、とてつもなく細やかでしずか。音はない。


インコの動くちいさなまぶたをみていると、はらはらしてしまう。
というのも、ひくひくしていて、なかなかその動きが落ち着くことがないからだ。

人がまぶたを閉じるときも、音はしない。
けれども、もっとちいさなちいさなインコのまぶたが閉じるとき、そこにひろがるのは、まさに無音の世界。

音のしない人のまぶたの開閉が、あたかもにぎやかなものであるかのように思えてしまう。
それくらい、インコはしずかにまばたきをし、そっとまぶたを閉じる。

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どんなちいさな物音にも反応するインコのまぶたは、眠りに落ちたあとも休まることはない。

そんなインコたちに、すこしでもおだやかな睡眠を供するべく、今晩もしずかにすごそう。
不安のあまり、ストレスを感じさせないように。