連休も後半に。
あと4日でいっぱいしたいこと(しなくちゃならないこと)がある・・・
昨日は雨の中、年に3回京都で開催される、春の古本祭りへ出かけました
岡崎近くのみやこメッセにて。
そこで買ったうちの一冊、
『〈男の恋〉の文学史』 (1998) 小谷野敦
少し読み始めました。
女性蔑視の思想のなかで、
ヨーロッパは中世以降、トゥルバトゥールをはじめ〈男の恋〉が熱く歌いあげられてきたのにたいし、
日本では徳川時代後半以降、「色道」の精神的な文化が極められていくにつれて、
〈男の恋〉が文学のなかでは消滅してしまった・・・
こうした大まかな見取り図を描きながら、
〈恋愛〉が男女(恋愛って異性愛限定?ここも問題ありだと思う・・・)の相思相愛にもとづく西洋の考え方に
異を唱える筆者は、〈片思い〉をする男の目線から、
おもに、近代以降の文学に登場する「恋する男」の系譜をたどっていく。
たしかに、恋に破れ、泣き叫ぶ女が描かれた作品はよくあるし、
たいていそこでは、女を裏切った男はケロッとしているか、ときには冷淡にさえ思われる。
男は女に追われることがあたかも当然であるかのようなクールな態度をとる。
恋と男が無縁であるかのように描かれてきた日本の文学のなかにも、
必ずや恋する男たちがいたと著者は主張している・・・
ドイツのロマン派の詩人ハインリヒ・ハイネはこう言い放つ。
「恋に狂う、とは言葉の重複
恋はすでに狂気なのだ。」
古今東西問わず、このように恋という狂気に陥った男は多いはず。
連休最中も、自分の立ち位置に日々頭を悩ませるわたしは、
なにか別の視点をもたらしてくれるであろう一冊に出会ったのような気がする。