熟柿


佐藤 正午






熟した柿の実が

自然に落ちるのを待つように、

気長に時機が来るのを待つこと。



大雨の夜、葬儀帰り酔い潰れた夫を横に乗せ

身重のかおりは、轢き逃げ事故を起こした


これは夫婦の問題でもあるけど、運転していたかおりに罪を全部被せる夫


一方的にかおりに離婚をせまる夫


生まれてきた子には母親は、死んだことした夫


私は憤りを爆発せながら、物語はひとりで生きていくかおりを追う


両親や兄妹もないかおりはひとりになってしまった


かおりの置かれた境遇に、次々起こる出来事に私は涙腺崩壊した


「見て見ぬふりはできません」

かおりの前に現れた女性に私も心がすくわれた


何度も読みかけの本を閉じ、もう今日はここまでと思いながらも目は次のページへ進む


生まれた時一度しか会えてない息子への思い


切なすぎる…

成長する我が子に、宛てもない手紙を書く


そりゃ…会いたいよ…

ひと目でいいから、見たいよ…


そして一晩の交通事故で、人生や運命を変えてしまう恐ろしさ

車を運転している者にとっては誰もが起こり得ること

怖い…


そこ⁉︎

だけじゃないけどと…自分に突っ込みを入れて…