真壁家の相続


朱野 帰子



2015、3 発行


祖父が亡くなったことで、親族が集まった

お正月には集まる仲の良い家族だったのに、相続の事で何やら火種があちこちで…


亡くなった祖父、麟太郎には4人の子供がいる

男2人、女2人

次男の渓ニ郎が、妻と娘りんをおいて5年前に失踪した

それでも近くにいる次男の嫁が亡き麟太郎のお世話をしていた



相続でもめるとよく聞く

相続額に関わらず親族間ではイザコザがおきる

義理の兄弟姉妹が横口を入れ、更に揉め事が大きくなったり…

お金が絡むと、隠れていた本性が出る人もいたり


そして一番お世話をしていた嫁に相続権が無いのは悲しい


最近は兄弟の数も少なくなり、一人っ子の家も多い

そうなると一人の子に負担がかかり、更に結婚した相手も一人なら尚更大変かも


若い頃は親の介護まで考えが及ばないが、それは確実に回ってくる事で逃げられない


本書は成人した子達でも、別世帯で家庭を持ったら、そちらが優先的になってしまい実家には足が遠くなってしまう

近くにいる親族に必然的に頼ることになってしまう

最初は「お世話かけてます」なんて言ってても、それが当たり前になって、任せきりなってしまう

介護のしんどさ、辛さは経験した者でないとわからない


本書の次男の嫁、失踪した次男が相続放棄した為貰えないが、しかし、この手があったのか…