隠居すごろく 西條奈加
2019年発行
年明けから大災害の辛いニュースが飛び交い心が痛む
そんな中本書は、時間の流れがゆったりと心が穏やかになれる
糸問屋6代目の徳兵衛、商売を息子に譲り隠居した
代々続く商売って、凄い
この時勢では考えられない
代々老舗でも今時代は子供が引き継ぐのは少ない
徳兵衛は隠居した
だがそこからまた新たに第二人生の始まりである
今迄と違う生き方が
上り坂や下り坂になるか予測が出来ない
その隠居に幼い孫の千代太が訪ねてくる
千代太は徳兵衛にいろいろ難題を投げかける
孫の成長と共に徳兵衛の気持ちや思いも成長する
人は幾つになっても変われる
良い方に変われるならいいが、鬱になったり皮肉ぽくなったり、性格が悪くなったりすれば困りものだ
今で言う「定年」を迎えたお年頃の方の中で、生き方が変わった事で性格が変わった人が近くにいる
それは今迄表に出なかっただけで、元からあったものかもしれない
日々仕事の忙しさに追われて、隠れていたのかも
長年連れ添った夫妻でも、旦那さんが定年して熟年離婚する人もいる
第二の人生を夫婦で迎える方もいれば、別々の道を歩む人もいる
60後半の人生、いつも新鮮でおごらず、気負わず
知らない事は知らないと言え、そしてそれを調べて興味がわくとやってみる
徳兵衛の隠居生活は何やらとっても忙しいそう