女人入眼       永井 紗耶子




頼朝と政子の娘、大姫を帝の后とするため

鎌倉に入った六条殿の才媛、周子(ちかこ)。

彼女が見たのは、国の実権をめぐる女たちの政争。

そしてわかり合えない母娘の悲しい過去だった。



読まれぬ漢字、慣れない言葉、かなり手擦り

はてはて、この本は最後まで読み終えるか不安だった


ようやく本書に慣れるとその面白さに惹きつけられる

2度目読むとようやく少しわかった気がする


昨年のNHK大河の"鎌倉殿の13人"は残念ながら見てないが、"北条政子"を小池栄子が演じていた

本書を読んで政子の小池栄子の顔がチラつき離れない

彼女の圧をひしひし感じながら…


政子の娘を京に入所させる為鎌倉にやってきた周子は

その大姫と、目を合わすどころかなかなか会えない

大姫は幼い頃に悲しい出来事があって、それ以来心を閉ざしている

そんな大姫を、京の帝の后として連れて行けるのか

周子は悩み、そして大姫の事を知る人物を訪ね聞く


影響力の強い政子の元、大姫自身はどうしたいのか

周子は少しでも大姫の心を知りたく思う


大姫が望む事、それは政子の考えとは反し、政子は怒る


周子は大姫の願いを叶えてあげたいと思うが、それは政子を敵にまわすことになる


そんななか大姫に悲劇が起こる


周子の心の揺れ動きが、とてもよくわかる

大姫の為にしてきた事とはいったい何だったのだろう

よかれと思ってたことは、政子の反感をかう


圧倒的な権力を持つ政子には誰も逆らえない

自分の赴くままに生きる政子は、ある意味怪物で女帝

気に入らない者は、容赦なく殺めてしまう

周りの人達は、そんな彼女に逆らわぬようすること

それがこの時代を生きる道


ただただ時が過ぎること、それは政子でも逆らえない