笑うマトリョーシカ 早見和真
四国、松山の名門校に通う二人の男がいた。
後に代議士となった男は、周囲を魅了する輝きを放っていた。
秘書となったもう一人の男は、彼を若き官房長官へと押し上げた。
「この政治家が、もしも誰かの操り人形だとしたら?」
最初のインタビューでそう感じた女性記者は、隠された過去に迫る。
男同士の友情物語だと思てたら、違った
頭の良い男が全てをお膳立てし、ブレーンとなって政治家を育て盛り上げていく
影の支配者になって、彼を操っていく…と、思っていたら、途中からそれも違った
だいたい人が人を操れるのか?
洗脳?
いやいや、違う…
秘書となった男は全ての段取り、スピーチの原稿や立ち振る舞いを先に調べ全受した
と言うのも、自分自身が表に立てない事情があった
教えて貰った事をこなせる能力が政治家にはあった
インタビューに訪れた女性ライターは、その政治家を
「ニセモノ」と思った
嫉妬こそが世界を狂わせるという持論がある。
嫉妬が束縛を生んで、その束縛が憎しみを生み、憎しみが戦争を生む
二人の男は互いの野望のために便利に使ってたのか
それともお互いの足りないところを補い、そして嫉妬があったのか
同じ歳がそうさせるのか…
政治家の彼を一人で育てた、元銀座のホステスの母親
綺麗過ぎて、眩しくてしょうがないんですけど…
こんな人が近くにいたら、私も気になる